KERA×妻夫木聡 ファンタジックコメディ舞台『キネマと恋人』が上演中

2016.11.22
レポート
舞台

世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#007 『キネマと恋人』 撮影:御堂義乘

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台本・演出:ケラリーノ・サンドロビッチの新作舞台「キネマと恋人」が11月15日からシアタートラムで開幕した。出演は妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえなど。

本作はウディ・アレンの映画「カイロの紫のバラ」(1985年製作、86年日本公開)にインスパイアされた作品。

映画「カイロの紫のバラ」は、映画好きの女性がいつものように映画を見ていると、ある時、登場人物のひとりがスクリーンを飛び出して、現実世界へやってくるという奇想天外なお話。

今回の舞台「キネマと恋人」では1930年代の日本、架空の島の港町に置き換え、KERA流のファンタジックでビターなコメディに仕上げるのだとか。

本作は11月15日にシアタートラムで開幕。初日を終えた現在の心境についてケラリーノ・サンドロビッチ、妻夫木聡、緒川たまきからコメントが到着した。

台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

『キネマと恋人』は、『カイロの紫のバラ』というとても好きな映画がモトネタなので、そういう意味でも特別な作品なのですが、プレビュー3公演を経て、今日の芝居が一番良かったです。みんな楽しんでやってくれていて、今日も妻夫木に「楽しい?」って聞いたら「めちゃくちゃ楽しいです」という答えが返ってきたのでホッとしたんですけどね。
今回は振付の小野寺(修二)くんや映像監修の上田(大樹)くんの力をいつもの倍以上費やしてもらい、スタッフや色んな人の力を借りて完成に至りました。演劇は総合芸術だということをまさに体現したような作品になったんじゃないかと思います。

妻夫木聡・・・高木高助(俳優)/間坂寅蔵(映画の登場人物)

『カイロの紫のバラ』のように、観ている間は夢見心地で、劇場を出た後も「ああ、良い夢だったな」と甘くも苦い切なさが余韻として残れば良いなと思っていましたが、やはり人間が生で演じることによって、自分の想像以上に、さらに豊潤な作品になったと感じています。きっとエンディングには色々な受け取り方があって、僕が演じる寅蔵の「考え方だな」という台詞にもあるように、皆にとってのいつかのハッピーエンドにつながればと思っています。
とにかく僕たちは演じていて楽しくて、いつまでも続けば良いという気持ちでいるので、これから一日一日、一分一秒を本当に大切にしながら演じていきたいです。

緒川たまき・・・森口ハルコ

この作品の中の登場人物は皆、厳しい現実と、甘い夢を見る時間とを行き来するようなところがあるんです。例えば私が演じるハ
ルコさんは、大好きな映画を観ることで辛い現実を忘れることができます。上演時間が3時間を超えるお芝居ですが、疲れるというよりはむしろ、演じる度にまたこの作品に会えたという喜びで元気がチャージされていきます。
私にとってそういう力がある作品なので、観てくださる方にとってもそうでありますように、と思っています。

(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)

公演情報
世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#007​ 舞台「キネマと恋人」
 
【台本・演出】 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【出演】
妻夫木聡 緒川たまき
ともさかりえ
三上市朗 佐藤誓 橋本淳
尾方宣久 廣川三憲 村岡希美
崎山莉奈 王下貴司 仁科幸 北川結 片山敦郎
 
2016年11月15日(火)~2016年12月4(日)/東京・シアタートラム
2016年12月7日(水)~8日(木)/大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2016年12月11日(日)~12日(月)/松本・まつもと市民芸術館 実験劇場
2016年12月15日(木)~18(日)/名古屋・名古屋市芸術創造センター