小栗旬&田中哲司出演×小川絵梨子演出『RED』が開幕
撮影:加藤孝
小栗旬&田中哲司出演の二人芝居『RED』が、本日21日に新国立劇場 小劇場にて開幕した。
映画「グラディエーター」「ラストサムライ」「007/スカイフォール」など、数々のヒット作を送り出す人気脚本家ジョン・ローガンが手掛けた本作。09年にロンドンで初演され好評を博し、ブロードウェイ公演でも、トニー賞を獲得するなど高い評価を受けた作品だ。
本作のモチーフとなっているのは、実在した抽象画家マーク・ロスコの創作エピソード。1958年、ニューヨークの有名レストランに巨大な壁画を描くという大きな仕事のオファーを受けたロスコは、画家志望の青年ケンを助手として雇う。時には反発し、対立しながらも、作業を重ね合わせていく二人。果たして、彼らは理想の“赤”を追い求められるのだろうか?
新旧ジェネレーションの価値観の対立や葛藤、新世代への恐怖といら立ちといった芸術家の苦悩とともに、師匠と弟子、親と子という普遍的なテーマを盛り込んだ本作。シス・カンパニー公演に初登場の小栗&田中のタッグが、演出・小川絵梨子とともに日本初演に挑む。
初日を前にした小川、小栗、田中のコメントは以下の通り。
■小川絵梨子(翻訳・演出)
二人の優れた俳優たちと、私たちをしっかりと支えてくれるスタッフとともに『RED』という戯曲にジックリと向き合える幸せを日々感じながら稽古をしていました。演劇の稽古場というのは、自分自身のエゴや不安、虚勢と闘う場所。その“闘い”は、ロスコが絵を描くことにも似ているように感じました。今回、小栗さん、田中さんが、まったく妥協することなく、稽古に強い推進力を与えてくださったこと、一緒に闘ってくださったことが、本当に心強く感じられました。
■小栗旬
ひさびさに小さな空間で芝居がしたいとずっと願っていて、それが今回、初めての2人芝居で実現しました。『RED』は、どの場面も気が抜けない、非常に集中力を要する戯曲ですが、役者二人と演出家だけで向き合った稽古は、とても楽しくて確かな手応えがありました。皆でディスカッションを繰り返し、試行錯誤を重ねながら、充実した環境で役を深めてきました。開幕後も発見はあるはずですが、今回は、きっと初日から、今まで以上に自信をもって舞台に立てる気がしています。
■田中哲司
初めて戯曲を読んだ時、その面白さに興奮しました。ただ二人芝居なので経験上、面白いとはいえ覚悟はしていました。膨大なせりふ量に加え、やらなければならないことの連続で予想以上に大変でした。反面、徹底して演技に集中できて、芝居を楽しめるのが二人芝居の醍醐味です。そのような充実感の中で、演出の小川さんと小栗君と一緒に濃密な稽古時間を共有できました。あとは本番で、小栗君と息を合わせ、観客を魅了する舞台をお見せしたいと思っています。
公演は10月4日(日)まで。