少女時代が韓国5thアルバム『Lion Heart』をリリース
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少女時代が韓国で5枚目となるフルアルバム『Lion Heart』をリリースした。最新鋭のEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)からベーシックなポップスまで、幅広いジャンルをベースに中毒性の高いメロディと印象的な振付で性別を問わず幅広い世代に支持される彼女たちの新たな顔が見えるアルバムとなった。
また、リリースにあたってはタイトル曲『Lion Heart』とダブルタイトル曲の位置付けにある『You Think』のMV(ミュージックビデオ)を1日違いで予告公開し、全12曲を"時間差"で半分ずつリリース。このスタイルは、今後も注目が集まりそうだ。
日本では、売れなくなっているとは言われていてもCDが未だに主役である一方、韓国では以前からデジタル音源が主役である。そのセールスのリアルタイム性、ファン同士の交流サイトやSNSなどのインターネットを中心としたメディアによるリアルタイム性がチャートに影響を及ぼす。前述した"時間差リリース"は、熱が冷めない絶妙な間合いに様相異なる2曲で2つの山場ができるため、話題の瞬間性と継続性の2面において有効であると筆者は感じた。
その背景には、続々と新たなグループが誕生し、群雄割拠の熾烈な競争を繰り広げているK-POP界における「リアルタイムチャート」の影響が挙げられる。瞬間的にでも上位にランクすることで大衆の関心や話題を集め、SNSはもちろん、クラスメイトとのリアルなコミュニケーションでもバイラルにプロモートされることで、アーティストはマスメディアでの露出やコマーシャルへの起用、海外展開などの利益を享受することができる。この瞬間的な話題をどれだけ発展的に維持できるか?ということがアーティストの生き残りにもつながるのだ。少女時代は常にその先例を作り上げ、デビュー以来不動の「TOP OF THE GIRLS K-POP」に位置している。
さて、話が脱線してしまったが、ニューアルバムの話に戻したい。『Lion Heart』はレトロなイメージが先行し、オーディエンスは楽曲にもその要素を見出そうとする。しかし、2曲目である『You Think』を聴くと、そのセオリーを良い意味で打ち砕く序章が始まる。レトロなポップスからHip-Hopへのギャップに放心していると、サビへと至るR&Bに乗っかる安心感のあるメロディラインに本曲の山場への期待が高鳴る。
3曲目は、少女時代初!?のサマーチューンともなった先行シングル『PARTY』。リード曲としての勢いを感じながら、頭の中では次曲への期待が始まる。タイトルは『One Afternoon』だ。韓国ドラマの中で、ちょっとぎこちない男女がいよいよお近づきになるか?といったシーンにぴったりな優しいボサノバ風だ(勝手に決め付けてスミマセン)。5曲目の『Show Girls』は、日本でも既にパフォーマンスしているが、その舞台を想起させ"SWING & JAZZ"な世界に連れ去られる。次曲『Fire Alarm』は、ここ数年の少女時代の楽曲イメージに近いだろう。後半戦の始まり『Talk Talk』は、ヴォーカルを打ち出したコンサートの転機にもぴったりの曲。『Green Light』は、シングルになっても良いほどの躍動感を感じる。『Paradise』は80年代風で始まるが、全曲を通して最もストレートな曲。『Check』では、エッヂの効いたベースラインにはっきりとしたヴォーカル、ミドルテンポで大人な雰囲気を醸し出す。11曲目の『Sign』は今までの少女時代にはなかったタイプの楽曲で、12月の日本ツアーでは必ず聴いてみたいと思わせてくれた。最終曲『Bump It』は、各メンバーの特徴を活かした構成でアルバム全体をまとめあげている。
少女時代は日本デビュー5周年をむかえ、12月には日本国内でのアリーナツアーも決定している。『Lion Heart』に収録されている縦横無尽なバリエーションの楽曲たちをコンサートで聴く日が待ち遠しい。
■日本ガイシホール(愛知県):12月12日(土)17:00
■神戸ワールド記念ホール(兵庫県):12月18日(金)18:30/19日(土)17:00/20日(日)16:00
■さいたまスーパーアリーナ(埼玉県):12月23日(水・祝)17:30/24日(木)18:30
◎
※3歳以上有料
※開場・開演時間は変更になる場合がございます