谷川POPゴリラ、名前だけじゃ無いインパクトの強さを感じさせた新アルバムの正体

インタビュー
音楽
2017.1.8
谷川POPゴリラ

谷川POPゴリラ

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結成4年目にして確立された独自の個性的なオーラを放ち、2017年1月11日(水)に1stミニアルバム『愛が欲しくなる』が初の全国リリースとなる谷川POPゴリラ。インパクトの強さはバンド名だけでなく、多彩な音楽性の振り幅を見せてくれている今回のアルバム『愛が欲しくなる』には、最後まで予測不能なバラエティにとんだ全9曲が収録されていた。今回は、初見の方のために谷川POPゴリラのメンバー4人を招いて、バンド結成から気になるバンド名の由来、そしてアルバムの中に込められた想いを語ってもらった。

――まず、谷川POPゴリラについての歴史から紐解いていきたいのですが、結成の経緯を聞かせてもらえますか?

白木智之(Vo)(以下、ゆっくん):もともとメンバーみんなが同じ高校の同級生だったんです。その高校の時にベースの加納誠人(以下、誠人)が後輩とバンドを組んでいてライブも決まっていたのですが、ライブの演奏開始の時間が夜だったので後輩のメンバーたちの門限を超えてしまうため出演できないという状況になったんですね。でも、ライブは決まっているしキャンセルするわけにもいかないし、どうしよう……と思っている時に、学園祭で僕とドラムの浜屋周作(以下、周作)が組んでいたバンドを、誠人が自分のバンドに誘って誕生したのが、谷川POPゴリラです。

――皆さんが1番気になっていると思うのですが、バンド名の由来を聞かせてもらえますか?

ゆっくん谷川POPゴリラという名前の由来は、さっき話した学園祭で組んでいたバンドの時、僕はギターボーカルをしていて別にボーカリストがいたんですけど、そのボーカリストの名前が“谷川”だったんですね。その谷川くんの見た目がゴリラっぽくて、書く曲がPOPソングだったので、つなげて谷川POPゴリラというバンド名にしました。

――なるほど(笑)。すごいインパクトの強いバンド名ですよね。

ゆっくん:そうですね。東京に上京してから“この名前だとフライヤーに掲載するのが恥ずかしい”とか、“この名前じゃ売れないよ”とか周りにいろいろ言われたりしたので、バンド名を変えようかな……と思ったことが今までに何回もあったんです。それで、いざ変えようと他の名前を考えた時に、谷川POPゴリラから、かっこいい名前に変わったらインパクトが無くなってしまうし、かっこつけすぎなんじゃないかな?と思ったので、そのまま変えず今に至る感じですね。今では愛着も湧いて気に入ってます 。

谷川POPゴリラ・白木智之(Vo)

谷川POPゴリラ・白木智之(Vo)

――地元が愛知県で、今は東京へ上京し活動しているとのことですが、なぜ上京したのですか?

誠人:僕は、最初ちゃんとバンドをやろうと全然思っていなかったのですが、初めてのライブでバンドコンテストみたいなイベントに出演した時に僕たちのバンドが賞をもらって。その時に、俺たちもっと上にいけるかも?と思って、高校を卒業してすぐにゆっくんが、「これからバンドを真剣にやるなら東京で勝負しよう!」と言ったんです。それでみんなで「じゃあ東京に行こう!」という流れになって上京しました。

ゆっくん:僕たち田舎者だったので、テレビなどの影響で“夢を追うなら東京”と思っていたんですよ。

――上京してみて何か感じることはありますか?

ゆっくん:上京してきて4年目くらいになりますけど、東京という場所は音楽で闘っている人がとても多くて、負けたく無いというハングリー精神を消せずに持てる場所だなって思います。地元でバンド続けていたらきっと辞めていたのかも……と思うことはありますね。なので、上京してよかったと思っています。

谷川POPゴリラ・加納誠人(Ba)

谷川POPゴリラ・加納誠人(Ba)

――では、アルバムについて聞いていきたいのですが、かなりバラエティに富んだ楽曲が詰まっていますが、どなたが主に曲を作っているのでしょうか。

ゆっくん:今回のアルバム『愛が欲しくなる』は、以前に自主制作でリリースしていた楽曲を録り直したものと新曲を収録していて、今までの曲は僕が作曲していたんですけど、新曲では僕以外のメンバーが作ったものもあります。それぞれのメンバーが個人で作ってきたものを、みんなでアレンジを加えていくという感じで新曲は制作していきました。僕以外が作ってきた曲に歌詞やメロディーをのせるというのは、今まで無かったことなので、すごく新鮮に感じましたね。あと、今回のアルバムは、自分の中から湧き出てきた、カッコイイと思うものだけで作ったんです。歌詞に関しては、友達に話しかけるような口調や内容で、かっこつけず本当に思っている言いたいことを全部言えている内容になっていると思います。楽曲的には、ジャンルにとらわれず自分の作りたいように作ったアルバムで、聞けば聞くほど味が出る。まさにスルメのようなアルバムだと思います。

――アルバムを作る過程で苦労したところはありますか?

ゆっくん:さっき話したように、自分以外が作った曲に歌詞を乗せるというのが新鮮ではあったんですけど、難しかったです。自分で作った時は、曲のイメージから言葉がリンクしていって歌詞が生まれてくるんですけど、自分以外が作った曲は作ってきた人のイメージと、僕が聴いて想像したイメージが違ったりするので、なかなかリンクしなくて歌詞が出てこないというのが大変でした。あとは、みんながいい曲を作ってきてくれたから、それに応えられる歌詞を書かなきゃいけないっていうプレッシャーみたいなのもありましたね。

谷川POPゴリラ

谷川POPゴリラ

――他のメンバーさんはそういった葛藤はありましたか?

誠人:僕も新曲を2曲作ったんですけど、谷川POPゴリラで演奏する曲を作ったのが初めてだったので、完璧な曲が出来たと思っていても次の日にまた改めて聴いてみると、ゆっくんが歌っているのが想像つかないということがありました。そこで、人が歌う曲を作るのはこんなに難しいのか……と痛感しましたね。

Ray(Gt):曲作りは、“限られた時間の中でどれだけいいものを作れるか?”という時間との戦いでした。レコーディングに関しても、制作期間がかなり短かったのですごくタイトなスケジュールで大変でしたね。

――今回のアルバムから「見ろよ!」という曲のPVが、最近公開されましたよね。

ゆっくん:この曲は、自主制作の CDにも収録されていてライブでもやっている曲です。

 

――このアルバムで個人的にお気に入りの曲とかはありますか?

ゆっくん:僕は、「暇乞い」です。こんな感じの曲がしたいという風に作ったわけじゃなくて、ただ生まれてきたものを形にして自然にできた楽曲なんです。この曲は、ギターのRayちゃんが作った曲で、僕が普段聴くような好きな曲調だし、本気で自分とちゃんと向き合って出てきた言葉で思い通りに歌詞が作れた曲なんですよ。なので、僕はこのアルバムの中で一番好きですね。

誠人:僕は「ネガティブSUMMER」ですね。この曲をライブで演奏すると感動して泣いているお客さんがいて……それを見て僕自身もライブ中に感動してしまう曲です。


Ray:ギタリスト的にですが、1番ギターがかっこいいと思うのは「痴漢、アカン」です。僕の出来ることをすべてつぎ込んだ、谷川POPゴリラ史上1番ギターの演奏が難しいんじゃないか?という楽曲になっています。

周作:僕は「愛が欲しくなる」ですね。これは、僕が1番頑張った曲なんですよ。パーカッションと声しかない30秒くらいの曲なのですが、パーカッション以外の鳥の声や、ジャングルっぽい効果音などを、僕の声や体を使ってやっていて、自分の持っている技術をすべて入れ込みました。聴いてもらえれば、すべてわかると思います(笑)。

(左より)浜屋周作(Dr)、Ray(Gt)

(左より)浜屋周作(Dr)、Ray(Gt)

――アルバムリリース前に、谷川POPゴリラにとって初の海外ライブを台湾でされるそうですが、どんな気持ちですか?

ゆっくん:日本語が通じない海外で、今の僕たちのライブパフォーマンスだけでどこまで勝負できるのかをチャレンジして、それを経験して一皮むけて日本に帰ってきたいと思っています。

――帰国後、2月からアルバムリリースツアーが始まりますね。

ゆっくん:そうですね。2月から始まるリリースツアーでは、今まで共演してかっこよかったなって思ったバンドに声をかけていて。そのバンドにも“谷川POPゴリラというバンドはこうなんだぞ”というところを見せるライブがしたいですね。そして、このツアーがあったから今があるよねって、将来僕たちが大きな会場でツアーをする時に言いたいです。

誠人:ライブ本数的には今までとあまり変わらないのですが、全国リリースしてからのツアーは初めてだし、以前と違って自分たちの力だけじゃなく、色んな人が協力してくれるツアーになるので、今までよりもっといいライブをして結果を出していかないといけないと思っています。

ゆっくん:ライブハウスに出演のお願いをして、ツアーをするということ自体はそんなに難しいことじゃないと思うのですが、そこにお客さんがライブを観に来てくれるっていうのがすごく難しいことだと思うんです。なので、こういったインタビューやPVも手を抜かず一生懸命やって、お客さんが谷川POPゴリラのライブに足を運びたいと思えるようなツアーに向けての活動を今頑張っています。

(左より)加納誠人(Ba)、白木智之(Vo)

(左より)加納誠人(Ba)、白木智之(Vo)

――谷川POPゴリラの今後の目標はありますか?

ゆっくん:結成当初から変わらず目標にしているのは、武道館でライブができるバンドになることですね。ただかっこよくて、ライブハウスでライブできればいいっていうだけでは無くて、僕たちのやりたい音楽をしてお金出して買いたいと思ってくれる人がたくさんいる上で、自分のやりたい音楽をやって立てる武道館でのライブが1番の目標ですね。

誠人谷川POPゴリラの音楽を、すべての人に聴いてほしいし好きになってほしいですね。僕たちのような音楽が好きな人や普段、音楽をあまり聴かないという人にも好きになってもらえるバンドになりたいです。

――では、最後になりますが谷川POPゴリラからSPICE読者にむけて一言お願いします。

ゆっくん:僕らをもっと知って欲しいし絶対後悔させないので、新しいアルバム『愛が欲しくなる』を聴いてほしいです。そして、このアルバムを聴き込んで2月から始まるツアーにも是非来てもらいたいので、皆さん宜しくお願いします!


インタビュー・文=けんじろ~ 撮影=K兄

リリース情報
1st mini album 『愛が欲しくなる』
『愛が欲しくなる』

『愛が欲しくなる』

[CD] BTR-017 ¥1700(without tax)
1. Borderless Party
2. 見ろよ
3. 痴漢、アカン
4. A.D.S.L
5. 夢を見ている
6. 暇乞い
7. ネガティブ SUMMER
8. 愛が欲しくなる
9. 俺的恋の予感

 

ライブ・イベント情報
The Floor presents
日時:2017年1月27日(金)
会場:福島LIVE SQUARE 2nd LINE(大阪府)
出演者:The Floor/谷川POPゴリラ/and more...
 
でらロックフェスティバル2017後夜祭
日時:2017年2月6日(月)
会場:LiveHouse  栄R.A.D(名古屋)
出演者:bit and pieces/谷川POPゴリラ/CoolRunnings/DR.FOOL/FOLKS/Mez-zo-forute/TRY TRY NIICHE/the twenties/あいくれ/アイビーカラー/ゴードマウンテン/メランコリック写楽/ザ・モアイズユー/and more..

DROP a GO GO
日時:2017年2月18日(土)
会場:心斎橋DROP(大阪府)
出演者:SPLASH/谷川POPゴリラ/3SET-BOB/HOLDERLINS/THE MY BABY IS A HEAD FUCK/THE キャンプ and more...

LONELINESS presents
日時:2017年2月22日(水)
会場:F.A.D YOKOHAMA(神奈川県)
出演者:THE SALIVANS/two step glory/谷川POPゴリラ/ACCESSFREE/ank
 
"谷川POPゴリラ 1st mini Album 「愛が欲しくなる」Release Tour "
2017年
2月12日(日)下北沢ReG
2月17日(金)京都GROWLY
2月18日(土)心斎橋DROP
2月19日(日)滋賀B♭
2月22日(水)横浜FAD
3月3日(金) 八王子RIPS
3月11日(土)宇都宮HEAVEN'S ROCK
3月17(金)水戸LIGHT HOUSE
3月18日(土)柏DOMe
3月19日(日)仙台BIRDLAND
3月31日(金)神戸太陽と虎
4月1日(土)広島CAVE BE
4月2日(日) 高知X-pt.
4月21日(金)梅田Zeela ※-FINAL SERIES 東名阪-
4月23日(日)大須RAD HALL ※-FINAL SERIES 東名阪-
4月28日(金)新宿Zirco ※-FINAL SERIES 東名阪-

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