己龍 ホール公演が似合うバンドになった今の姿を見せつけた、千秋楽NHKホールの熱狂をレポート

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己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

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己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽
2016.1.15(SUN)NHKホール

シングル「月下美人」を手に昨年(2016年)12月より始まった己龍の単独巡業『月嘩睡敲』。その千秋楽公演が1月15日(日)にNHKホールを舞台に行なわれた。その日の模様を、以下へお伝えしよう。

己龍にとって約4年ぶりとなるNHKホールでの単独公演。前回は、バンドにとって初ホールとなった渋谷公会堂公演を成功させたその勢いのまま、短い期間で同地へ挑んだ形だった。結果は、会場を埋め尽くすには至らず。何よりも、バンド自体が会場の規模に見合う演奏を行なうには、まだまだ課題の多いことを露呈した公演になっていた。

この日の公演を語る前に、こう言葉を記したい。4年の経験は、己龍をNHKホールに似合うバンドに成長させたのはもちろん、ホール公演がしっくりくる表現力を持ったバンドとして、この日の公演へその姿を映し出していたと。とはいえ、相変わらず己龍は密閉したライブハウスという空間でのライブを求めていれば、これからも、その環境を軸に活動をしていく。それでも言わせて欲しい、今の己龍はホールという場が似合う器を持って活動しているバンドなんだということを。

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

暗くなった場内。突然、ドンッと轟き渡った大太鼓の音。スポットの当たったその先には、筋骨隆々な男が客席へ背中を向け、二本の大きなバチを振るいながら大太鼓を叩く姿があった。余談だが、その姿を観た瞬間「准司さん逞しくなったなぁ」と勘違いしていた人たちも多かったようだ。

東京打撃団の3人が叩く和太鼓の轟きに導かれ、メンバーらが舞台へ登場。ライブの幕開けを飾ったのは、最新シングル「月下美人」。眞弥の歌に導かれ、参輝のギターが唸りを上げると同時に、場内へ華やかな宴の空間が描きだされてゆく。眞弥に煽られる形で、彩り鮮やかに駆け上がる演奏に身を預け、会場中の人たちが手にした扇子を右へ左へ振りながら、その身を弾ませはしゃぎ出した。  

この日のライブの本編は、大きく三つの色に分けて構成。序盤には、己龍の魅力である和要素を強く押し出した雅な曲たちを軸に据えてきた。

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

無数の扇子を軽やかに舞い踊らせ、NHKホールを華やかな宴の空間に染め上げた「朔宵」。  勢いを持って駆けるビートが、気持ちを熱く昂らせてゆく。「屡流」が突きつけた熱い音の唸りに触発され、大勢の人たちが頭を振れば、無我夢中で跳ね続けていた。

「鼓膜を突き破るくらいの叫声を」の声に触発され沸き上がった叫び声と、突き上がった拳。「千鶴」が作りあげた絶叫の空間。続く「熄」では、会場中の人たちが場内に沸き上がった熱を、手にしたタオルを振りまわし掻き回していった。

二つ目のブロックは、暗黒な奈落の空間へ引きずり込むダークな楽曲を軸に構成。暗く重い音を突きつけ、魂の奥底から高揚した気持ちを沸き上がらせた「獄門」。理性を破壊するように、重く痛烈な音を轟かせた「紫触」を通し、己龍は興奮した観客たちの理性を破壊してゆく。会場の誰もが痛く突き刺さる演奏に合わせ、思いきり身体を折り畳んでいた。

その勢いをさらに掻き回すように、「相克スル螺旋」が黒く重いグルーヴを描きながら、観客たちを奈落の底へ連れ出した。

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

「喰」では、客席を二手に分けぶつけあう様も生み出していった。ライブハウスでは当たり前に作っている風景を、指定された椅子のあるホールでも、そんなルールを蹴飛ばしてしまえと何時ものやり方で彼らは観客たちを煽っていた。それこそが、己龍らしいスタイルじゃないか。

続く「舌切雀」では、妖しい光を放つ月のもと、疼く衝動を身に抱きながら大きなうねりを持った高揚を作りあげていった。

中盤では、准司のドラムをリードに、東京打撃団の3人を従え、轟き渡るビートの狂演というべきドラムと太鼓による強烈なリズムセッションを繰り広げていた。

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

後半となった三つ目のブロックには、彩り鮮やかな曲たちをふたたび詰め込んできた。二手に分かれた観客たちが“うっ” “はっ”と声を掛け合った「阿吽」。この歌と次の曲でも、東京打撃団が共演し、迫力ある音の唸りを描いていたのも嬉しい衝撃だ。そして「紅椿」では篠笛を吹く奏者も加え、まさに華やかで雅びな空間へと染め上げていた。

身体を躍動させ心を踊らせる演奏は、まさに我を忘れ無邪気にはしゃいでゆく祭り囃子のようだ。ふたたび扇子が華やかに舞い踊った「彩」。そして、華激な興奮の様を描き出した「極彩」。「九尾」では、何時も以上に激しさと華やかさを増した演奏を通し、場内へ極彩色な宴の空間を描き出していった。

赤い熱狂と言うべき、滾る血を沸騰させた「朱花艶閃」。本編最後は、会場中の人たちを妖怪へと変え、「百鬼夜行」を通し行進する宴の様を描き出していた。

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

アンコールでも、観客たちの理性を壊し狂人と化してゆくように「鬼ノ傀儡」「十三夜」「鬼遊戯」を立て続けに演奏。最後は「僕の叫びは君に届いてますか」と呼びかけるように「叫声」を奏で、共に伸ばした心の手を結び合い、今宵の宴を忘れたくない記憶へと染め上げていった。

今後の己龍だが、4月5日に最新シングル「私ハ傀儡、猿轡ノ人形」を発売。その後、四度目となる『四十七都道府県単独巡業「傀露蒿儡」』を行なう。さらに、年末には活動10周年を祝い、初のベスト盤を発売することも決定した。他にも、新しい報せが続々と届いている。今年、結成10周年を迎える己龍。まだまだいろんな騒動を巻き起こしそうだ。

取材・文=長澤友典 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

己龍 単独巡業『月嘩睡敲』千秋楽 2016.1.15 NHKホール 撮影=KEIKO TANABE

 
リリース情報
16thマキシシングル「私ハ傀儡、猿轡ノ人形」
(読み方:わたしはかいらい、さるぐつわのにんぎょう)
2017年4月5日(水)発売

■Atype【初回限定盤】CD+DVD
BPRVD-246 
¥1,800+税
CD2曲+DVD「私ハ傀儡、猿轡ノ人形」PV・メイキング
1.私ハ傀儡、猿轡ノ人形
2.タイトル未定A
[封入]全タイプ購入特典応募券「A」+応募ハガキ

■Btype【初回限定盤】CD+DVD
BPRVD-247 
¥1,800+税
CD2曲+DVD「私ハ傀儡、猿轡ノ人形」マルチアングルPV
1.私ハ傀儡、猿轡ノ人形
2.タイトル未定A
[封入]全タイプ購入特典応募券「B」

■Ctype【通常盤】
BPRVD-248 
¥1,500+税
CD2曲+ボーナストラック+インスト3曲
1.私ハ傀儡、猿轡ノ人形
2.タイトル未定A
3.タイトル未定B
4.私ハ傀儡、猿轡ノ人形(inst)
5.タイトル未定A(inst)
6.タイトル未定B(inst)
[封入]全タイプ購入特典応募券「C」

■Dtype【通常盤】
BPRVD-249 
¥1,500+税
CD2曲+ボーナストラック+インスト3曲
1.私ハ傀儡、猿轡ノ人形
2.タイトル未定A
3.タイトル未定C
4.私ハ傀儡、猿轡ノ人形(inst)
5.タイトル未定A(inst)
6.タイトル未定C(inst)
[封入]全タイプ購入特典応募券「D」

★全タイプ共通封入特典:トレカ2枚(全10種)
★全タイプ購入応募特典有

 

ライブ情報
己龍47都道府県巡業「傀露蒿儡(かいろこうらい)」
04月07日(金)【東京】赤坂BLITZ
04月15日(土)【沖縄】桜坂セントラル
04月16日(日)【沖縄】桜坂セントラル
04月21日(金)【新潟】NIIGATA LOTS
04月23日(日)【長野】NAGANO CLUB JUNK BOX
04月25日(火)【富山】富山SoulPower
04月27日(木)【石川】金沢AZ
05月03日(祝・水)【埼玉】HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
05月06日(土)【千葉】柏PALOOZA
05月07日(日)【山梨】甲府CONVICTION
05月10日(水)【静岡】浜松窓枠
05月12日(金)【岐阜】岐阜club-G
05月14日(日)【愛知】名古屋DIAMOND HALL
05月16日(火)【三重】松阪M'AXA
05月18日(木)【滋賀】滋賀U★STONE
05月21日(日)【京都】KYOTO MUSE
05月23日(火)【鳥取】米子 AZTiC laughs
05月25日(木)【島根】出雲APOLLO
05月27日(土)【広島】広島CLUB QUATTRO
05月30日(火)【佐賀】佐賀GEILS
06月01日(木)【長崎】長崎DRUM Be-7
06月03日(土)【福岡】福岡DRUM LOGOS
06月04日(日)【熊本】熊本B.9 V1
06月07日(水)【鹿児島】鹿児島CAPARVO HALL
06月09日(金)【宮崎】SR BOX宮崎
06月11日(日)【大分】大分DRUM Be-0
06月13日(火)【山口】周南RISING HALL
06月16日(金)【愛媛】松山WStudioRED
06月18日(日)【香川】高松MONSTER
06月20日(火)【高知】高知X-pt.
06月22日(木)【徳島】徳島club GRINDHOUSE
06月24日(土)【岡山】岡山CRAZYMAMA KINGDOM
06月27日(火)【兵庫】神戸VARIT.
06月28日(水)【奈良】奈良NEVER LAND
06月30日(金)【和歌山】和歌山CLUB GATE
07月02日(日)【大阪】大阪BIGCAT
07月04日(火)【福井】福井CHOP
07月07日(金)【群馬】高崎club FLEEZ
07月09日(日)【栃木】HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
07月11日(火)【茨城】mito LIGHT HOUSE
07月13日(木)【福島】郡山CLUB#9
07月15日(土)【宮城】仙台darwin
07月17日(祝・月)【岩手】盛岡CLUB CHANGE WAVE
07月19日(水)【秋田】Akita Club SWINDLE
07月22日(土)【北海道】札幌PENNY LANE24
07月23日(日)【北海道】札幌PENNY LANE24
07月26日(水)【青森】青森Quarter
07月28日(金)【山形】山形MUSIC SHOWA Session
08月03日(木)【神奈川】川崎CLUB CITTA'~九条武政生誕祭~

ー千秋楽ー
8月13日(日)【東京】豊洲PIT
己龍単独公演「男法師」
日程:2017年3月17日(金)
会場:原宿Astro Hall

己龍単独子龍限定公演「女法師」
日程:2017年3月19日(日)
会場:新宿BLAZE

B.PRECORDSチャリティー公演「回顧録」(読み:かいころく)
日時:2017年3月12日(日)
会場:仙台PIT
出演:己龍/Royz/コドモドラゴン 

<その他、公演>
己龍単独公演「酒井参輝生誕祭」

02月24日(金)赤坂BLITZ
 

「マイドラゴン生誕祭」
04月01日(土) 大阪BIG CAT
【出演】マイドラゴン
【O.A】己龍 【GUEST】Royz/コドモドラゴン  

「10th Anniversary Special Tour ~from 2007~」
09月02日(土) Zepp Osaka bayside
09月03日(日) Zepp Nagoya
09月17日(日) Zepp Tokyo
【出演】己龍、ダウト、DaizyStripper、HERO、vistlip、Mix Speaker's Inc.(50音順)

 
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