ミュージカル『ピピン』の主役2人が雨の渋谷で熱唱
左ブライアン・フローレス、右ガブリエル・マクリントン
百貨店エントランスに突如ブロードウェイが舞い降りた!
9月4日から東急シアターオーブ(東京・渋谷ヒカリエ11階)で開幕したブロードウェイミュージカル『ピピン』が、9月6日、東急百貨店・渋谷本店(東京・渋谷)で特別イベントを行い、主役であるリーディングプレイヤー役のガブリエル・マクリントンとピピン役のブライアン・フローレスが劇中歌を生披露し、街行く人を驚かせた。
このイベントは、東急百貨店のイベント『錦裳会』の一環として行われたもので、6日の昼公演を終えて駆けつけたガブリエルは、「いろいろな国で公演をしたが、日本の観客が一番好き」とスタートしたばかりの公演の感想を述べると、ブライアンが「すごく集中して見てくださる姿に感動する」とたたみかけた。
ガブリエル・マクリントン
劇中の「You Ain't See Nothing Yet(お楽しみはこれから!)」というセリフでいよいよミュージカルナンバーがスタート。ガブリエルは、リーディングプレイヤーがピピンに「ささやかな生活を大事にする素朴な生き方もある」とアドバイスする『Simple Joys』を、ブライアンは、大学を卒業したばかりのピピンが将来への希望を歌いあげる『Corner of the Sky』を熱唱。
生憎の雨空だったが、劇場でイベントを知って詰めかけたファンと、街行く人もしばし足を止め、本場ブロードウェイの実力と迫力を渋谷の街頭で堪能した。
ブライアン・フローレス
ブロードウェイミュージカル『ピピン』は、1972年にブロードウェイの鬼才ボブ・フォッシー演出・振付によって初演、トニー賞5部門を受賞。2013年には、シルク・ド・ソレイユの演出を手掛けたダイアン・パウラスによってマジックやサーカス、アクロバットが導入され、これまでになかったエンターテインメントを実現し、トニー賞4部門を受賞した、話題作。8日からは、日本公演2週目に突入し、20日まで上演される。
<ストーリー>
カリスマ的なリーディングプレイヤー(狂言回し)の導きで、旅芸人の一座が潜む不思議な世界に誘い込まれた若き王子、ピピン。冒険と情熱に憧れる彼は、“特別な人生”を求めて旅に出る。家族との別れ、戦争、新たな出逢い、そして愛。“本当の幸せ”を探し、波乱に満ちた旅を続けるピピン王子の物語。
(記事提供=『ピピン』主催事務局)
<SPICE編集子より>
かねてより『ピピン』に惚れ込み、今回の来日キャストにも非常に満足している編集子もまた、このイベントを観覧しない理由はなかった。開始20分前に到着した東急百貨店・渋谷本店入り口脇の特設ステージ前は、既に多数の観客たちでゴッタ返しており、軒下に入ることも叶わず、そぼ降る雨に濡れながら観るカッコウとなった。
イベントの司会として登場したのは通訳も務める鈴木なおさんという人だった。この人は遠くから見ると日系ブロードウェイ女優アン・ハラダ(代表作:「AVENUE Q」クリスマスイヴ役)と見紛うばかりだが、近くで見ると少し違った。しかし調べてみたら、2010年の「AVENUE Q」来日公演会見の通訳もやっており、クリスマスイヴのアンダーを務めていたのではないかと妄想した。冗談はさておき、この人の、楽しく、テンポよく、的を射た進行の見事さに対して個人的に感心しきりだった。
さて、リーディングプレイヤー役のガブリエル・マクリントンとピピン役のブライアン・フローレスが出演すると聞いていたので「On the Right Track」を二人で踊るのかな~などと予想していたが、極小の特設ステージはとてもそんなことのできるような空間ではなく、フタを開けてみれば、ガブリエルが「Simple Joys」、そしてブライアンが「Corner of the Sky」を歌ってくれたので、これはこれで嬉しい誤算であった。それにしても、手を伸ばせば届きそうな至近距離で主役2名の絶品の歌唱を聴けるとは、なんという贅沢至極なイベントであったことだろう。『ピピン』は既に初日に観ているが、9/6のイベントに刺戟され、さらなる観劇欲=リピート欲が湧きあがってしまった。実に悩ましいかぎりだ。
作曲:スティーヴン・シュワルツ
脚本:ロジャー・O・ハーソン
演出:ダイアン・パウラス
サーカス・クリエーション:ジプシー・スナイダー
振付:チェット・ウォーカー
日程:2015年9月4日(金)~9月20日(日) 全21公演
会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F)
価格:S席 13,000円、A席 11,000円、B席 9,000円
※生演奏・英語上演・日本語字幕あり
公式サイト:http://www.pippin2015.jp
問合せ:キョードー東京 0570-550-799 (平日11-18時、土日休10-18時)
来日キャスト:
ガブリエル・マクリントン(リーディング・プレーヤー)
ブライアン・フローレス(ピピン)
ジョン・ルービンスタイン(カール大帝)
サブリナ・ハーパー(ファストラーダ、リーディング・プレーヤーとバーサのアンダースタディ)
ブラッドリー・ベンジャミン(キャサリン)
プリシラ・ロペス(バーサ)
エリック・アルテミス(ルイス、ピピンのアンダースタディ)
サッシャ・バックマン(プレーヤー)
ジェイク・バーマン(テオ)
ケヴィン・ラングロワ・ブーシェ(プレーヤー)
マーク・バレル (スウィング、アシスタント・コリオグラファー、ダンスキャプテン)
マシュー・デグズマン(プレーヤー、ルイスのアンダースタディ)
サミー・ディニーン(プレーヤー)
ローラ・ホール(プレーヤー、キャサリンのアンダースタディ)
ニコラス・ジェモーニ(プレーヤー)
アンナ・カチャロヴァ(プレーヤー)
アラン・ケリー(プレーヤー、チャールズのアンダースタディ)
ベン・クリーガー(テオ)
シャーロット・オサリバン(プレーヤー)
アンナ・シュナイター(プレーヤー、キャサリンのアンダースタディ)
ケイティー・スミス(プレーヤー)
ボリス・ヨーク(プレーヤー)