市川海老蔵が中山優馬ら多彩なキャストの‟センス”と‟一生懸命な姿”にコメントも ABKAI 2017『石川五右衛門〜外伝』舞台稽古&会見
ABKAI2017 石川五右衛門〜外伝
6月9日、『石川五右衛門~外伝』の舞台稽古が公開され、終演後に囲み取材が行われた。
市川海老蔵が2013年に立ち上げ、自ら企画・製作を行う自主公演・ABKAI(エビカイ)の第四回作品。昨年11月に福岡・博多座で上演された『石川五右衛門』を新たなストーリー、キャストをまじえてスケールアップしさせたものだ。公演は6月9日(金)から25日(日)に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演されている。
海老蔵は稀代の大泥棒・石川五右衛門をこれまでも数多く演じており、昨年のドラマ『石川五右衛門』(テレビ東京系)では主演を務めた。『石川五右衛門〜外伝』には、同ドラマで共演した山田純大、前野朋哉が参戦するほか、五右衛門のライバル・柳生十兵衛役で中山優馬も登場。中山は今回歌舞伎に初挑戦する。また、市川右團次、中村壱太郎ら歌舞伎俳優の実力派も出演し、日本舞踊、津軽三味線、太鼓、アクロバットなど他ジャンルのプロフェショナルもその技を競う、盛りだくさんな舞台である。
ABKAI2017 石川五右衛門〜外伝
『金田一少年の事件簿』『神の雫』など人気コミックの原作者でもある樹林伸氏が手掛けた原作は、奇想天外な設定とめくるめく展開が、歌舞伎のダイナミックな表現形態との相性がぴったり。ヤンチャな少年っぽさが魅力のひとつである、海老蔵自身が投影されたかのような、愛すべきダークヒーロー・五右衛門にも注目だ。五右衛門は、劇中で「絶景かな、絶景かな」の名ゼリフを何度か発し、最後は巨大ねぶたに乗っての「絶景かな」を披露するとのこと。このねぶたは後半における大きな見もので、全編を通して劇場が一体となる演出と、その美しさに興奮(演出・振付は藤間勘十郎)。
まず“通路が花道”とばかりに、五右衛門vs十兵衛の一騎打ちは広くはない通路で行われ、客席にいて思わずのけぞってしまうほどの熱戦が、観客の目の前で繰り広げられる。出演者総出で、幕切れまで油断のできないお祭り騒ぎの“体感型エンターテインメント”とでも言うべき、新しい歌舞伎の誕生である。かつ、歌舞伎本来の品や魅力を損なわず、若い観客の“歌舞伎入門”にもふさわしいのではないだろうか。
ABKAI2017 石川五右衛門〜外伝
会見での各出演者のコメントは以下のとおり。
市川海老蔵(いちかわえびぞう)
今回はキャストが多彩なので、若い方や歌舞伎を初めて観るお客様が多いんじゃないかと。なのでわかりやすくテンポ良く、お祭り感のある内容にしたいと思いました。歌舞伎以外の俳優さんたちは皆それぞれセンスが良く、その一生懸命な姿が、より良いものを作ろうという活力になっています。
中村壱太郎(なかむらかずたろう)
いつもの歌舞伎とは違うので、僕もお芝居を受けたり、台詞を発することのひとつひとつがすごく新鮮です。「歌舞伎とはこういうものなんだ」と思い込んでいるところが自分の中にあったんですけど、「そうじゃない。伝えるとはこういうことなんだ」というのを改めて感じて、毎日刺激を受けています。
市川右團次(いちかわうだんじ)
我々はどうしても職業化しちゃっている部分がありますが、歌舞伎以外の方々は非常に純粋なものを持っていらっしゃる。ご一緒すると、何もわからなかった頃の純粋無垢な精神に戻してもらえるような感じがあります。良い化学反応を起こして“ミスマッチのマッチ”みたいな、新しい世界ができるといいですね。
中山優馬(なかやまゆうま)
すごく緊張して、ゲネプロだけでも心臓がバックバクしていました。皆さん、本当にカッコいいんです! 稽古の段階から皆さんの気合や姿勢や表現方法がすごくカッコよくて、自分もそれに少しでも近づくべくやっていきたいと思いました。お客様に満足していただけるよう、本番ではやるしかないです。
前野朋哉(まえのともや)
いつも僕を大いにイジってくださっている海老蔵さんに会見で「本番中、布を持つ手がカタカタ震えていた」と暴露されましたが(笑)、本格的な舞台は初めてですし、緊張しました。コンビ的な役の(山田)純大さんと相談しながら毎日違うパターンでアドリブもやっているので、ご注目ください。
山田純大(やまだじゅんだい)
普段とは勝手が全然違うので、「大変なところに足を踏み入れちまったな!」と。白塗りも初めて。自分ではないみたいで、鏡を見ても「おはようございまーす」みたいな感覚ですね(笑)。特に歌舞伎ならではのつらね(名乗りの場面)はなかなかやれないことなので、毎日バシッとカッコよくキメたいです。
『石川五右衛門〜外伝』は6月25日まで渋谷・Bunkamuraシアターコクーンにて上演。
市川海老蔵 第四回自主公演 ABKAI 2017 『石川五右衛門〜外伝』
作:樹林 伸
脚本:松岡 亮
演出・振付:藤間勘十郎
出演:市川海老蔵 中村壱太郎 大谷廣松 市川九團次 片岡市蔵 市川右團次
中山優馬 前野朋哉 山田純大 他
会場:Bunkamuraシアターコクーン
料金:一等席 12,000円/二等席 8,500円/三等席 6,000円(税込・全席指定)
※未就学児童入場不可
※三等席は特にご覧になりにくいお席です。ご了承の上、ご購入下さい。
※車イスエリアをご希望の方は、事前にお問合せ先までご連絡下さい。
Bunkamuraセンター(Bunkamura 1階/10:00~19:00)
東急シアターオーブセンター(渋谷ヒカリエ2階/11:00~19:00)
お問合せ:Zen-A(ゼンエイ)03-3538-2300(平日11:00~19:00)
企画:市川海老蔵
制作:株式会社3Top
協力:松竹株式会社
制作協力:全栄企画株式会社/株式会社ちあふる