復活のHER NAME IN BLOODに休止中の思いと新譜を含めたこれからを直撃
――それは前作『BAKEMONO』の頃にはやってなかった?
Daiki:前作でもやったけど、さらにいろいろ試そうと。ただ、アレンジはメンバー全員でやったので、そこは前とは違うかもしれない。今の歌より、もっといいものがあるかもしれないと考えて、そこを詰めていきました。
――なるほど。今作はすごく聴き応えがありました。前作は日本人らしさを意識した作風でしたが、今回は?
Daiki:そこまで意識してないですね。
Ikepy:この5人になって初めての音源だから。5曲ともパンチがあって、新しいHER NAME IN BLOODの名刺になるような作品にしようと。
HER NAME IN BLOOD / Daiki
――新しいHER NAME IN BLOODを象徴する曲というと?
Daiki:表題曲の「From The Ashes」じゃないですかね。いままでありそうでなかった曲調だし、新しいアプローチができたなと。
Ikepy:歌とギターでシンプルに攻める。それを自然にやった感じですね。
――あまりこねくり回さずに、正攻法で挑もうと?
Daiki:そうですね。メタル以外の音楽も聴くし。よく聴いてたのはバランス・アンド・コンポージャーですね。アンビエントっぽい音なんですけど。
Ikepy:歌詞は復活に対する思いを書いてます。それはMakotoが書いた歌詞なんですけどね。
――1曲目「Wasted」はミドルテンポで、どっしり攻めた曲調ですね。
Daiki:男臭い、土臭い、うねるような感じを意識しました。
――この曲はパンテラ・オマージュなのかなと(笑)。
Daiki:そうですか? 最近だと、サンズ・オブ・テキサスとか、ああいうノリは出てると思います。
Ikepy:アメリカンな雰囲気があるし、いままでになかったリズムですね。
Daiki:不協和音とか面白いこともやっているので、いい意味でちょっと変わった曲になったなと。
――ヘヴィにうねるグルーヴィーなリフは、パンテラの『脳殺』(メジャー3rdアルバム)収録曲「5 Minutes Alone」に似ているなと。
Daiki:大好きです!(笑)。それも出ちゃってるんでしょうね。TJもニューメタル、ヘヴィロックが好きだから、それも出ているのかなと。
――今作はスクリームぽいコーラスもかっこ良くて、前作よりもコーラス・パートは増えてませんか?
Daiki:増えました(笑)。掛け合うようなパートはハードコア感を出したくて。俺とMakotoは特にハードコアが好きだし、メタル作品だけど、ハードコア臭は残したいんですよ。
――これまで取材して、「ハードコア」という言葉はあまり出てこなかった印象があります。
Daiki:あまり言ってないっす(笑)。でも常にそれは意識してますね。
Ikepy:もともと自分たちがやってきたのはハードコア畑ですからね。根っこにそれがありますからね。
Daiki:メタルだけど、ハードコアの要素もちゃんと感じてもらいたくて。それは今回に限らず意識してますね。歌やシャウトの入れ方はハードコア・バンドを参考にしているから。どちらかというと、そっちの方が好きですね。有名どころだと、ヘイトブリードみたいにわかりやすくて力強いコーラスは影響を受けてますね。最近だと、スティック・トゥ・ユア・ガンズもすごく好きです。
――そう考えると、パンテラはメタル、ハードコアの両要素を感じさせますもんね。
Daiki:そうっすね。ああいう感じが理想ですね。 Ikepy あと、ラム・オブ・ゴッドもそうだよね。ハードコア色も感じるし、あのバランスは理想ですね。
――あと、3曲目「Super Loud」は従来のHER NAME IN BLOODらしい激しい曲ですね。
Ikepy:MAKIの良さも出したいと思ったから、ドラムは派手なフレーズが多いと思います。
Daiki:彼はスラッシュ・メタル・バンドで叩いていたから、速い曲の方が得意なんですよ。彼の力も発揮できる曲を作ろうと。
――これは僕の空耳かもしれませんが、曲の中で「浪速節だ!」と言ってます?
一同:はははははは。
Ikepy:シンガロングのところですね、多分。
Daiki:その気持ちはわかるかもしれないです。でも言ってないです(笑)。
――「BAKEMONO」と同じく、日本語を入れてきたなと思ってました。
Daiki:空耳ですね(笑)。
Ikepy:ウチは関西の人いないですからね。
――ですよね。だから余計に謎でした(笑)。
Daiki:「Let it out Push it up」の部分ですね。あっ、確かにそういう風に聴こえるかも。ウチらの曲は空耳がちょいちょいあるんですよ。『BEAST MODE』収録の「STICKS AND STONES」の最後で「ドスケベサイレンス」と叫んでいるところがあって(笑)。それは結構ほかの人にも言われました。
――今作の楽曲がライヴでどう響くのか、レコ発ツアーも楽しみにしてます。
Ikepy&Daiki:ありがとうございました!
最新のリリックビデオ「SUPER LOUD」はコチラ
取材・文=荒金良介 撮影=三輪斉史
FROM THE ASHES / HER NAME IN BLOOD
1. Wasted
2. Calling
3. Super Loud
4. From The Ashes
5. Answer
2017.05.17 RELEASE / ¥1,490 (Tax in) / WPCL-12642