2018年のミスター・マネー・イン・ザ・バンクが待望の初来日 ブラウン・ストローマンが大阪で大暴走!?
“ローマン帝国の主”ローマン・レインズが頂点に最も近い男なら、“ミスター・マネー・イン・ザ・バンク”ブラウン・ストローマンは頂点への最短距離にいる男なのだろう。WWEユニバーサル王者は本稿執筆時点(7月20日)でブロック・レスナー(8・19PPV「サマースラム」で防衛戦)だが、次期王者候補筆頭として挙げられるのが、この2人。レインズが数年かけてWWEがプッシュする実力派スーパースターで、ストローマンは身長2メートル3センチ、体重175キロという怪力モンスター。しかも今年のマネー・イン・ザ・バンクで勝利し、いつでもどこでも王座に挑戦できる権利を保有しているのである。
WWEが8月31日(金)エディオンアリーナ大阪で開催する『WWE LIVE OSAKA』には、レインズとともにこのストローマンもやってくる。しかもデビュー以来、WWE関連の試合にしか登場していない純血スーパースターの初来日。そのベールがいよいよ大阪で剥がされることになるのだ。
ストローマンはパワーリフティング出身で、2013年5月に29歳でWWEとディベロップメンタル契約をかわした。初マットは14年5月26日、ノックスビルでのロウだった。しかし試合ではなく、アダム・ローズ率いるローズ・バズのメンバーとしての出演。デビュー戦は同年12月、NXTにおけるチャド・ゲイブルとのシングルマッチだった。15年8月24日、ロウのニューヨーク公演でWWE初昇格。ローマン・レインズ&ディーン・アンブローズ組vsブレイ・ワイア
ット&ルーク・ハーパー組の試合中に黒い羊のマスクを被った大男が出現し、ワイアット・ファミリーの新メンバーとしてブラウン・ストローマンを名乗ったのである。
翌週、アンブローズとのシングルマッチでロウ・デビューを飾ると、9・20「ナイト・オブ・チャンピオンズ」でレインズ&アンブローズ&クリス・ジェリコ組とワイアット・ファミリーが6人タッグマッチで対戦。ファン乱入のアクシデントもあったが勝利を飾り、ファミリーの新戦力として一気に頭角を現したが、16年7月のドラフトによりファミリーは分裂、その後はシングルプレーヤーとして闘うことになった。サミ・ゼインとの抗争後、翌年にはふたたびレインズに牙を剥く。4月10日、バックステージでレインズを襲撃し、救急車に押し込むと、その車を自力で横転させたのだ。有り余るパワーはビッグショーとの一戦でも遺憾なく発揮される。4・17コロンバスでの一騎打ちでは、ド迫力の肉弾戦からリングが崩壊。これは03年6月のブロック・レスナーvsビッグショー以来、2度目の衝撃だった。
ストローマンに負傷させられたレインズはカムバックすると反撃に出た。ストローマンはかねてから痛めていた腕を狙われて負傷し、欠場へ。それでも予想をはるかに上回るスピードで復帰すると、7・9「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」でアンビュランス(救急車)マッチを敢行。相手をKOし救急車に乗せるまで勝ち名乗りを受けられない過酷な闘いは、ストローマンが勝利。しかし試合後、救急車からレインズが復活しストローマンを乗せると自分で運転、駐車場でトラックに激突させ、重傷を負わせたのである。
ところがそのわずか8日後、レインズvsサモア・ジョーのユニバーサル王座次期挑戦者決定戦に乱入し2人を攻撃、リング上に大の字にしてみせる。8・20「サマースラム」、王者レスナーにレインズ、ジョー、そしてストローマンが挑戦するフェイタル4ウェイ形式でユニバーサル王座に挑戦。レスナーを実況席にパワースラムで2度叩きつけるなど大暴れするも、最後はレスナーがレインズをフォールしたことでタイトル奪取はならなかった。9・24「ノー・マーシー」ではレスナーとの一騎打ちを実現させるが、ここでもベルトには届かず。しかし今年1月には乱闘中のレスナーとケインを襲撃、2人をセットの下敷きにしてしまった。この大暴走からカート・アングルGMは解雇を通告するのだが、ケインからの共闘要請を拒否し、1・15サンアントニオでは中継車を横転させる大暴れ。さらなる大暴走に身の危険を感じたか、ステファニー・マクマホンは解雇を撤回、ストローマンをなだめることになんとか成功した。
1・28「ロイヤルランブル」でもベルトを逃したストローマンは一時方向転換。4・8「レッスルマニア34」ではパートナー不在のままロウタッグ王座戦に出場すると、なんと観客のなかから10歳のニコラス君を大抜擢。事実上ひとりで闘い、シェイマス&セザーロのザ・バーから王座奪取に成功した。が、翌日にはニコラス君の学業優先で王座返上、WWE史に残る珍記録を演出した。
小休止していた怪物性は史上初めてサウジアラビアで開催された「グレーテスト・ロイヤルランブル」で復活する。メインの50人参加ランブルマッチで15名を排除し優勝したのだ。そして、各ブランドから4名が選抜された8人参加の6・17マネー戦ラダーマッチを制し、タイトル挑戦権を獲得。大阪公演までに行使するかはわからないが、ここまでの暴れっぷりや過去の権利者の行使による奪取率をみれば、誰が王者であろうと最短距離にいることは間違いない。どんな状況でやってきたとしても、大阪公演のストローマンは必見なのだ。
文:新井 宏
イベント情報
WWE Live Osaka
ローマン・レインズ、ブラウン・ストローマン、フィン・ベイラー、セス・ロリンズ(IC王者)、
サミ・ゼイン、ブレイ・ワイアット、ボビー・ルード、ジンダー・マハル、ロンダ・ラウジー、
サーシャ・バンクス、アレクサ・ブリス、ナイア・ジャックス(ロウ女子王者)、ナタリアほか
※出場予定スーパースターは変更される場合があります
※各チャンピオンは6/15時点のものです