最強の殺人鬼 VS 最強のババア、因縁の対決! 『ハロウィン』#野水映画“俺たちスーパーウォッチメン”第六十四回

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2019.4.11
 (C)2018 UNIVERSAL STUDIOS

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TVアニメ『デート・ア・ライブ  DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス  怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。

長かった……長かったぜ! 日本公開が決まってから、今年4月の公開までどれほど首を長ーくして待っていたことか。今回は、あまりに好きすぎて、予告編を観る度に身悶えるほど楽しみにしていたスラッシャー映画『ハロウィン』を紹介しよう。

40年前のハロウィン、イリノイ州・ハドンフィールドで凄惨な連続殺人事件が起きた。犯人の名前は、マイケル・マイヤーズ。精神病棟に収容されていた彼は、40年もの間一言も話さず、事件を起こした動機もわからないまま。その恐ろしさから、人々は彼を“ブギーマン”(不気味な男)と名付けた。一方、事件の唯一の生き残りであるローリー・ストロードは、マイケルが再び現れることを恐れ、長い間非常事態に備えてきた。そして、ハロウィンの前夜に彼女の予感は現実のものとなる。病院の輸送車が事故を起こし、マイケルが再び街に解き放たれてしまったのだ。

 

よりカッコよくなったマイケル・マイヤーズ

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『ハロウィン』は、これまでに多くの続編、リメイクが製作されてきたシリーズだ。本作は、オリジナル1作目『ハロウィン』(78)の40年越しの正統続編となる。もちろん、過去のシリーズ作を知らなくても楽しめる内容にはなっているが、1作目を観ておくとよりストーリーに没入しやすく、さらに楽しむことができるはず。興味のある方は、78年版もチェックしてみてほしい。

さて、『ハロウィン』シリーズを語る上で欠かせないのが、やはり殺人鬼ブギーマンこと、マイケル・マイヤーズの存在。不死身と言われる大柄で強靭な体躯、人智を超えた怪力を持つマイケルは、無言かつ気配も無しに忍び寄り、いとも容易く人々を手にかけてゆく。あらすじの通り、マスクをかぶっているために表情もまったく読めず、目的もわからない。それがとてつもなくクールでカッコいい! 悲しい生い立ちや、「醜い顔を馬鹿にされてこうなってしまった」なんていう同情を誘う要素が一切ないのがいい。78年のオリジナル1作目で、幼い時分に初めて殺人を犯した彼は、まさに純粋な悪。生まれながらのシリアルキラーなのだ。

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私は、ゾクゾクするほど残酷で容赦ないマイケルに1作目からすっかり惚れてしまったのだが、本作の彼はさらにカッコよくなっていた。40年もの間保管されていたマイケルのマスクは、傷も汚れも増えボロボロに。マイケル自身も素顔こそ見えないものの、髪や首筋からは年齢を感じる。それなのに息一つ漏らさず、より残虐に犠牲者たちを葬ってゆく姿は、もはやダークヒーローのようである。包丁を逆手に握り直すシーンでは、彼の「絶対に殺す」という強い意志が感じられるので、その雄姿を見逃さないでほしい。ああー!どれだけ私をときめかせるんだ、マイケル・マイヤーズ!

 

最強の殺人鬼 VS 最強のババア

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本作の一番の見どころは、なんと言ってもマイケルVS最強ババア・ローリーの決戦だ。1作目で学生だったローリーは、本作では孫娘もいる年齢になっているが、ただのおばあちゃんではない。マイケルから自分や家族を守るために射撃の訓練を積み、緊急避難用のパニックルームまで作るなど、臨戦態勢は万全。しかし、娘にはマイケルの再来を信じてもらえず、変人扱いされてしまっているのが悲しいところだ。たしかに、鬼の形相で射撃の練習に励む姿は“おばあちゃん”などという温和なものではなく、もはや“最強のババア”なので、家族の気持ちもわからなくはない。

そこまで鍛え上げたローリーでも、いざマイケルと対峙するとトラウマからか怖気づくようなこともあり、「やっぱり勝てないのか!」とハラハラさせられる。胸アツな対決であるだけでなく、「最強の殺人鬼マイケルがそう簡単に負けるはずない」とも思わせるバランスがちょうどいいのだ。

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殺人鬼と生存者が鬼ごっこをするPS4の人気ゲーム『Dead by Daylight』でも、マイケルはゲストキラーとして登場しているため、映画を知らない層にも彼の認知度は上がっているかもしれない。ゲームでしか彼を知らない人にも、シリーズ通して好きな人にも、私がベッタベタに惚れ抜いた、恐ろしくカッコいい殺人鬼の晴れ姿をスクリーンで堪能してほしい。

『ハロウィン』は4月12日(金)、全国公開。

作品情報

映画『ハロウィン』
 
(2018年/アメリカ/カラー/デジタル/英語/106分)
原題:Halloween
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン 脚本:ダニー・マクブライド、デヴィッド・ゴードン・グリーン 
製作:ジェイソン・ブラム 音楽:ジョン・カーペンター、コーディ・カーペンター
出演:ジェイミー・リー・カーティス、ジュディ・グリア、アンディ・マティチャック、ニック・キャッスルほか
レーティング:R-15指定
配給:パルコ 
宣伝:スキップ
公式サイト:https://halloween-movie.jp/
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