「第11回KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」2021年春に開催を延期
「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 AUTUMN」にて上演された、シャンカル・ヴェンカテーシュワラン/シアター ルーツ&ウィングス『水の駅』。2020年7月5日まで無料配信中。 [撮影]守屋友樹
世界各国から実験(EXPERIMENT)色の強い作品を招へいする、関西最大のパフォーミング・アートの祭典「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭(以下KEX)」。2010年から毎年秋に開催(2016年のみ春・秋の2回開催)していたが、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年度の第11回KEXを延期。2021年の春に「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 SPRING」として開催することが発表された。
事務局は開催延期の理由について「作品制作期間の確保が困難」「参加アーティストに移動制限が生じている」と説明。2021年2月3日(水)~3月28日(日)を新たな会期とし、「ロームシアター京都」を中心に、京都市内各地の会場で公演を行う予定だ。
今年度のKEXは、川崎陽子、塚原悠也、ジュリエット・礼子・ナップの3人をプログラム・ディレクターに迎えた、新体制の第一弾となっていた。3人から共同で、以下のメッセージが公式サイトで公開されている。
KYOTO EXPERIMENT は2010年の開始以来、これまでに10回の開催を数えてきました。
2020年度からは3名の共同ディレクターが就任し、新たなプログラムを始動すべく準備を進めているところですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今年度のフェスティバル開催時期を2021年2月~3月に変更することといたしましたので、お知らせいたします。
現在私たちディレクターチームは、主催団体、事務局、テクニカルチームとともに現下の状況、そしてこれからの様々な可能性やシチュエーションを鑑みながら、フェスティバルを組み立て直しています。これまでの歩みを受け、なんとか11回目のKYOTO EXPERIMENT を、よりいっそう進化させようと奮闘しています。
ぜひ、楽しみにお待ちいただければと思います。
文化芸術のあらゆる形態が多大なる影響を受けている困難な状況のいま、舞台芸術という歴史的メディアはこの世界的苦境とそこから生まれるであろう予測できない未来をどう捉え、かつそれらにどう応答し、どのように人類の芸術史を更新するような「エクスペリメント」=実験を続けていくのか。その「エクスペリメント」の実践、そしてそれをもって対話の場を開いていくために、皆様のお知恵も借りながらKYOTO EXPERIMENT の新たな一歩をつくっていきます。
実験的な芸術を社会の中で生み出し、共有することが私たちの認知領域を拡張・革新し、未知の状況に対応する力となると信じて。
開催の延期は残念だが、その分各アーティストからは、じっくりと熟考した上で作られた作品──しかもコロナ共存という、どの国も共通で抱える試練を、あらゆる視点から考えさせるパフォーマンスが、多数誕生することは間違いないだろう。その“実験”に立ち会える日を、楽しみに待ちたい。プログラムの全貌は、11月中旬頃に発表される予定。
公演情報
■会場:ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、 ほか
■主催:京都国際舞台芸術祭実行委員会[京都市、ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)、京都芸術大学 舞台芸術研究センター]
■公式サイト:https://kyoto-ex.jp/
配信情報
■作:太田省吾
■演出:シャンカル・ヴェンカテーシュワラン
■配信リンク先:https://vimeo.com/197299208
■料金:無料
■公演サイト:https://kyoto-ex.jp/home/archive/2016a_sankar_venkateswaran/