ミュージカル映画『シラノ』でロクサーヌ役ヘイリー・ベネットが歌う「I Need More」本編映像が到着
『シラノ』より、ロクサーヌ役のヘイリー・ベネット © 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
<儚くも美しい“純愛三角関係”が織りなす芳醇な愛の物語>を描いたミュージカル映画『シラノ』が、2022年2月25日(金)より全国公開された。本作は、エドモン・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を原作としたオフ・ブロードウェイ・ミュージカル舞台「シラノ」(潤色・演出:エリカ・シュミット)を映画化したもの。
本作のメガホンをとったのは、『プライドと偏見』(2005)、『つぐない』(2007)、『アンナ・カレーニナ』 (2012)『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)など数々の傑作を次々と生み出してきたジョー・ライト監督だ。文芸作品を得意とするライト監督ならでは、本作でも、豪華スタッフ&キャストと共に、映像美と音楽を駆使して原作を新鮮なミュージカル映画へと再構築してみせた。また、前述の舞台版「シラノ」の潤色・演出を務めたエリカ・シュミットが、この映画版の脚本を手掛けた。
タイトルロールの剣豪詩人シラノを演じたのは、HBO制作のテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でエミー賞やゴールデングローブ賞などに輝いた実力派俳優ピーター・ディンクレイジ。さらに、シラノの親友であり思い人であるヒロイン、ロクサーヌ役にヘイリー・ベネット、そしてロクサーヌが片思いをする口下手なクリスチャン役にはケルヴィン・ハリソン・Jr.がそれぞれ配役されている。
映画賞レースのノミネーションが次々と発表される中、デトロイト映画批評家協会賞では、本作で作品賞・主演男優賞(ピーター・ディンクレイジ)を受賞。また、第26回サテライト賞では 作品賞(コメディ/ミュージカル)・主演男優賞(コメディ/ミュージカル)・衣装デザイン賞にノミネート。放送映画批評家協会賞では主演男優賞ノミネート。英国アカデミー賞では英国作品賞、美術デザイン賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘア賞にノミネート。そして世界が注目する最大の映画の祭典第94回アカデミー賞では衣装デザイン賞にノミネートを果たしている。
そんな中、このほど、ロクサーヌ役ヘイリー・ベネットが歌う「I Need More」の本編映像が到着した。
【動画】映画『シラノ』本編映像「I Need More」
主人公のシラノ(ピーター・ディンクレイジ)は、想いを寄せている親友ロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)から青年・クリスチャン(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)に一目ぼれしたことを告白され、恋の仲裁役になる上、クリスチャンの恋文を代筆することによって奇妙な三角関係へと展開していく。
今回到着した上記の映像は、手紙をシラノが書いたものとは知らずにいたロクサーヌが、クリスチャンと2人きりになった際、手紙のような美しい言葉を交わせない彼に失望し、込み上げる感情を露にさせながら「I Need More」を歌う本編シーン。
『シラノ』より、ロクサーヌ役のヘイリー・ベネット © 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
本楽曲は“愛してる”というだけのシンプルな言葉では満たされない彼女の心の叫びが歌詞となっている。彼女の気持ちを取り戻そうとクリスチャンはシラノにうしろだてを頼み込み、見かねたシラノは彼とともに彼女の家へ。そして、「ロミオとジュリエット」「ウエスト・サイド・ストーリー」と並び、(誰が言ったか)世界3大バルコニー演劇の一つと称せられる、印象的なバルコニーシーンへと続いていく。
このシーンで艶やかな歌唱を披露しているのが、ヘイリー・ベネットである。ちなみに彼女、デビュー作「ラブソングができるまで」で人気歌手コーラ・コーマンを演じ、名曲「愛に戻る道」(Way Back Into Love)をヒュー・グラントとデュエットしたことはあまりに有名だ。その後も舞台等で歌唱を披露する経験はあったが、今回の映画撮影にあたり、改めてボイストレーニングをおこなったという。
『シラノ』より、ロクサーヌ役のヘイリー・ベネット © 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
そして、「力強く歌うとか、正しい音を出す、と考える必要はないんだと感じた。自然体になって、キャラクターが感じていることを表現する自由があり、それが物語を前進させていく。ロクサーヌに対する私の思いを表現し、彼女が生きているように生きればいいと気づいた。それはすごく解放的だった」と明かし、「この作品は、観客を甘美で夢のような体験、壮大な愛の物語に引き込む。そして自分のことを見てもらいたい、聞いてもらいたいと願う、欠点を抱えた人間についての共感できる物語」と語っている。彼女が歌唱を通して作り出す表現にもぜひご注目頂きたい。
本作の音楽を担当したのが、人気インディー・ロックバンド「ザ・ナショナル」のブライス・デスナー&アーロン・デスナーの双子兄弟。作詞は同バンドのリード・ヴォーカリストであるマット・バーニンガーとその妻カリン・ベッサー(映画プロデューサー、作曲家、編集者)。演奏には、「ザ・ナショナル」のメンバーに加え、ヴィキングル・オラフソン(p)やロンドン・コンテンポラリー・オーケストラらも参加している。現在、サントラCDも発売中だ。
【動画】映画『シラノ』予告映像
上映情報
物語の舞台は17世紀フランス。 剣の腕前だけでなく、優れた詩を書く才能をもつフランス軍きっての騎士シラノは、仲間たちからも絶大なる信頼を置かれていたが、自身の外見に自信が持てず、想いを寄せるロクサーヌに、心に秘めた気持ちをずっと告げることができない。そんな胸の内を知らないロクサーヌはシラノと同じ隊に配属された青年クリスチャンに惹かれ、こともあろうにシラノに恋の仲立ちをお願いする。複雑な気持ちを抱えながらも、愛する人の願いを叶えようとするシラノは、溢れる愛情を言葉で表現する才能がないクリスチャンに代わって、自身の想いを文字に込めて、ロクサーヌへのラブレターを書くことに・・・。果たして、三人が求める純真な愛の行方は――。