演劇集団池の下、寺山修司全作品上演計画第20弾として『白夜』を上演
『白夜』
2023年12月15日(金)~17日(日)劇場MOMOにて、池の下 第29回公演『白夜』が上演される。
池の下は、1996年1月、演出家の長野和文を中心に、演劇と舞踏の融合する新たな地平を目指し、結成された演劇集団。96年8月から寺山修司初期作品連続公演をスタートさせ、寺山の未知なる面に新たな光をあてる作業を行ってきた。
2006年8月の利賀演出家コンクールでは、野外劇場で寺山修司の代表作『犬神』を上演して優秀演出家賞を受賞。さらに2007年夏に、寺山の人形劇台本『狂人教育』を俳優たちによる池の下独自の身体表現方法で創作し、3カ国6都市連続公演(韓国:密陽演劇祭/ソウル公演)(大阪公演)(名古屋公演)(東京公演)(上海:国際小劇場演劇祭)を敢行して好評を得た。また、『狂人教育』は2019年、ポーランドのグダニスク・シェイクスピア劇場とグロトフスキ研究所より招聘を受けて上演。テレビ取材や各種媒体で取り上げられるなど様々な反響を呼んだ。
寺山修司全作品上演計画『狂人教育』
そんな池の下が、今回、寺山修司全作品上演計画第20弾として『白夜』を上演する。
寺山修司全作品上演計画は、池の下が、寺山修司の作品をすべて上演することを通じて、現代演劇の新たな可能性を探り、今を生きる人びとにむけて、これまでにない寺山ワールドを展開することを目指している。池の下の寺山演劇は、寺山が書いた戯曲を、演劇を創作する上でのひとつのテキストととらえて、再現よりも再生を求めて上演するところに特徴がある。
寺山修司全作品上演計画『疫病流行記』
『白夜』は、寺山が60年前に文学座のアトリエ公演にむけて書いた作品。それを今回の上演では、我々にとって「不在とは何か」ということをテーマに新たに作品を立ち上げていく。
寺山修司全作品上演計画『盲人書簡』
舞台は釧路の北海岸の安ホテル。劇の主人公、猛夫はともに暮らしていた弓子を探してこの最果ての地にたどり着いた。はじめに姿を消したのは猛夫のほうだった。弓子と二人で幸せな日々をおくってきたが、ある日、ふと思い立って猛夫は家から姿を消した。安宿に泊まりながら、「幸せな家での自分」の不在を思って過ごし、ちょうど1ヶ月たったとき、彼は何事もなかったかのように家に戻った。だが、家には弓子の姿はなかった。それから1年間、猛夫は弓子を家で待ち続けたが、弓子はついに現れなかった。1年目に彼は全ての家財を売り払い、弓子を探す旅に出かける。5年間、日本中を探し続けた末に、弓子と泊まったことのある釧路の安ホテルに行きつく。ホテルの人びとに弓子のことを尋ねるがみな知らないという。しかし猛夫はホテルの部屋の片隅で弓子の所有物を見つけ、ホテルの主人を問いつめるが、主人は弓子を探し続けるのはもう諦めたほうがいいと諭す。猛夫は弓子が近くにいるかもしれないという喜びのなかで眠りに陥る。そしてホテルの人びとは1週間前にこの部屋で自殺した女の話をする。彼女の名は「久方弓子」だった。
公演情報
■会場:劇場MOMO
演出・美術:長野和文
照明:安達直美
音響:高沼 薫
舞台監督:田中新一
制作協力:潮田 塁
企画製:池の下
■キャスト:SUMIO 岩切チャボ 井口香 青木五百厘
■問合せ先:
【TEL】090-9832-0481
【Eメール】ikenoshita@ac.auone-net.jp