母と子の記憶を語る朗読劇『この子たちの夏 1945 ヒロシマ・ナガサキ』

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舞台
2016.7.24

唯一の原子爆弾での被爆国である日本。日本人としての経験を記録でなく記憶に留めたいと、構成・演出の木村光一が遺稿や手記、詩歌など膨大な資料の中から、テーマを「母と子」に絞り朗読劇としてまとめたのが本作品。母を亡くした子供、子を失った母たちの書いた手記が中心となっている。普通の生活を送っていた人々の言葉が静かに私たちの心に語りかける1時間40分。初演は1985年。毎年、実力派の女優たちが参加して感動を呼び起こしているが、今年は宝塚OGの一路真輝も初参加する。
 
「第一部 ヒロシマ/第二部 ナガサキ/第三部 その後」という構成で、死を目前にし、残した子供たちの言葉。大豆ごはんを食べなかった息子を叱ったまま補習授業の学校へ送り出した母の後悔。自分の目の前、校庭で親兄弟を荼毘にふすという想像も出来ない体験をせざるを得なかった少年の思い…。 朗読される言葉には人を思いやる気持ちや優しさが溢れ、そしてもっと生きたかったという思いが見えかくれする。 「生きよう、生き抜こう!」と最後まで明日を夢みて死んでいった子供たちの、明るく前向きな言葉。忘れてはいけないあの夏がまた甦る。

〈公演情報〉
地人会新社
『この子たちの夏 1945 ヒロシマ・ナガサキ』
 
構成・演出◇木村光一 
出演◇(五十音順)一路真輝、かとうかず子、古村比呂、島田歌穂、高橋紀恵、床嶋佳子、西山水木、根岸季衣、原日出子
髙安智実、都内在学の中・高校生(短歌・俳句の朗読)
●8/13、14◎世田谷パブリックシアター
〈料金〉一般¥3,000 高校生以下¥1,500(要年齢確認)ファミリー割引(保護者同伴の中学生以下)¥1,000 U24¥1,500(要事前登録・要年齢確認)(全席指定・税込)
問合せ〉 世田谷パブリックシアターセンター 03-5432-1515(10時~19時)
 
●地方公演あり
7月17日(日) 川西町(山形) 川西町フレンドリープラザ
7月19日(火) 越前(福井)  越前市文化センター
7月20日(水) 婦中(富山)  婦中ふれあい館
演劇キック - 宝塚ジャーナル
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