劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』公開 初日舞台挨拶に小野大輔・坂本真綾・諏訪部順一が登壇
劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』が 1月21日(土)より劇場公開を迎え、初日舞台挨拶にセバスチャン・ミカエリス役の小野大輔、シエル・ファントムハイヴ役の坂本真綾、葬儀屋役の諏訪部順一が登壇した。
2008年にTVシリーズ第1作目『黒執事』が放送されて以来、続編となる『黒執事Ⅱ』、2014年に新シリーズ『黒執事 Book of Circus』『黒執事 Book of Murder』が発表された人気シリーズだが、シリーズ屈指の人気を誇る「豪華客船編」を劇場版アニメーションとして制作されたのが本作である。興奮の中行われた舞台挨拶のオフィシャルレポートをお届けする。
1月21日(土) 新宿バルト9 スクリーン9で実施された初日舞台挨拶。「黒執事」シリーズ待望の劇場版、そしてシリーズ屈指の人気を誇る「豪華客船編」のアニメーション化ということもあり、会場には大勢のファンが押し寄せた。満席となった会場を前に、MCから声が掛かると、小野大輔、坂本真綾、諏訪部順一らキャストが登壇。
盛大な拍手の中登壇したセバスチャン・ミカエリス役の小野大輔、シエル・ファントムハイヴ役の坂本真綾、そして本作で遂にその正体を明かすこととなった葬儀屋役の諏訪部順一ら3人。各キャスト登壇の度に歓声が上がる中、中でも諏訪部が不死鳥ポーズとともに登壇すると、会場からは大きな笑いが。明るい雰囲気の中、舞台挨拶が始まった。
2008年にTVシリーズ第1作目『黒執事』が始まって以来、足掛け10年にも及ぶ長い間、同役を演じてきた3人。『黒執事』の魅力について尋ねられると、小野は、「ゴシックやロリータといった確立されたものを突き詰めているところや、アクションやコメディ、特に劇場版で描かれているホラーであったり、色々なエンタテイメントが詰め込まれているところ」とコメント。坂本はそれに加え「それぞれのキャラクターが信念をもって邁進する姿が魅力的である」と表現。諏訪部は「『黒執事』で描かれる、キャラクターの美しさとは対極的な人間の業、単純に美しいだけではない精神的な深みが魅力」と語った。
小野大輔
また小野はセバスチャンという役について、自分を成長させてくれた役であると語り、アニメシリーズ第1作目の頃は役にストイックに取り組むあまり、ほとんど会話をしなかったと明かす小野と坂本。しかし小野は、周りが見えなくなるほど役に突き詰めていた時期があったからこそ、作品をみんなで作っていくことが見え始めたと話す。主人とそれに仕える執事のように、ひとりの力で作品はつくられないと語る小野。第1作目、2作目、3作目、そして本作と、時間をかけ『黒執事』に関わってきた喜びを噛みしめるように語った。
坂本真綾
一方の坂本もシエルという役について、第1作目の頃は少年役の経験がまだ少なく、また「黒執事」という大人気の原作、そしてシエルが人気のキャラクターということに少なからずプレッシャーを感じていたと言います。しかしその中でも、小野の空気を柔らかくしようとする気遣いは感じていたと言い、アニメシリーズ第2作目の頃からは、セバスチャンとシエルの関係への理解が深まるとともに、小野にも頼れるようになったと話す坂本。満を持して劇場版の公開を迎えた「黒執事」を通して、自分自身が育っていった、育つ現場であったと、これまでを振り返った。
諏訪部順一
また葬儀屋役を演じる諏訪部は、役作りについては特に悩まなかったそう。早い段階から葬儀屋のバックボーンについて原作の枢やな氏より聞き及んでいたこともあり、限られた出番の中で、常に効果的な一手を打つことを考えながら演じ続けてきたと言う。そういった中で、葬儀屋が大活躍するエピソード「豪華客船編」がアニメーション化されること、そして舞台挨拶の場に立てることを嬉しく思っていますと喜ぶ諏訪部。葬儀屋の声で笑い声を披露し、会場を笑いに誘いながらも、葬儀屋の存在感をあらためて示した。
このように、およそ10年にも及び関わってきた「黒執事」への思いを熱く語った3人。満を持しての劇場版ということで、MCから本作の企画を初めて聞いた時の心境を聞かれた坂本は、第1作目の頃の苦しさを乗り越え、演じるほどにシエルへの理解が深まったタイミングで再びシエルを演じることができ嬉しかったと語った。しかし正式な話がくる前に小野から雑談で聞いていたことで、はじめは劇場版に対し「本当に?」と半信半疑だったとのこと。真っ先に劇場版の話を坂本にしたかったと話す小野。坂本の「本当に?」と思っていたとの告白には少し寂しげな様子。そこで諏訪部の「とんだ塩対応ですね」とナイスなフォローが入ると、会場からは大きな笑いが。小野が「シエルっぽいですよ」とまとめようとすると、坂本からは「そうっすね」と更なる塩対応が。仲の良い二人のやりとりを、諏訪部が「塩対応じゃなくてソース(そうっす)対応でしたね」と見事にまとめると、会場からは笑いと拍手が巻き起こり、笑顔に溢れた舞台挨拶となった。
最後に一言ずつコメントを求められると、諏訪部は劇場のオーディオシステムで、全身で作品を楽しんで欲しいとコメント。坂本は、まるで船に乗ったかのような劇場ならではの臨場感、そしていつも以上に表情豊かに、情熱的に描かれているシエルを楽しんで欲しいとコメント。そして小野は、黒執事の魅力をふんだんに盛り込んだ、黒執事の集大成ともいえる作品に仕上がっていると本作の出来栄えに自信をのぞかせた。
昨年10周年を迎えた原作コミックを受け、次の10周年への思い、続編への思いを語ると、ファンの方に「これからも皆さんに愛されるように願っております」と話し、後は「皆さまを楽しませることができなくてどうします?」と、セバスチャンを思わせる台詞で締めくくると、登壇者らは大きな拍手の中、満場の客席を後にした。
<STAFF>
原作:枢やな
(掲載 月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
監督:阿部記之
脚本:吉野弘幸
キャラクターデザイン・総作画監督:芝 美奈子
サブキャラクターデザイン:川口千里
プロップデザイン:福世真奈美
美術監督:渡辺幸浩
美術設定:森岡賢一
色彩設計:ホカリカナコ
撮影監督:増元由紀大
CG監督:茶谷崇裕
編集:後藤正浩
音楽:光田康典
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
製作:Project Atlantic
<CAST>
セバスチャン・ミカエリス:小野大輔
シエル・ファントムハイヴ:坂本真綾
エリザベス・ミッドフォード:田村ゆかり
葬儀屋:諏訪部順一
グレル・サトクリフ:福山 潤
ロナルド・ノックス:KENN
ウィリアム・T・スピアーズ:杉山紀彰
スネーク:寺島拓篤
バルドロイ:東地宏樹
フィニアン:梶 裕貴
メイリン:加藤英美里
チャールズ・グレイ:木村良平
チャールズ・フィップス:前野智昭
ドルイット子爵:鈴木達央
他