男女問わず人をひきつける謎の美女を演じる中島亜梨沙に『サクラパパオー』への意気込みを聞いた!
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中島亜梨沙
夜の競馬場を舞台に男女8人の想いが交錯する……。大人のコメディを書かせたら当代随一の喜劇作家・鈴木聡の傑作『サクラパパオー』が、気鋭の演出家・中屋敷法仁の手で新たに蘇る。個性豊かな登場人物たち(中でも主に男性)を翻弄する謎の美女・ヘレンを演じるのは、中島亜梨沙。2009年に宝塚歌劇団を退団後は映像作品を中心に活動してきた彼女、今作は待望の舞台出演ということもあり、それまでのイメージとは少々ギャップのあるヘレン役に目を輝かせている。
――今回『サクラパパオー』へ出演することになって、まず思ったことは。
宝塚歌劇団を退団後は、ほとんど映像のお仕事をやってきていたので、今、このタイミングで舞台のお仕事をさせていただけるのは、ずっとやりたいなと思っていただけにすごく嬉しいです。今まで自分が培ってきたもの、宝塚を辞めてから得たものを、打ち出せる機会だと思っています。私、舞台を観に行くこと自体もとても好きなんですよ。大きい舞台も観ますけど、下北沢の小劇場にもよく行きますし、もちろんPARCO劇場にもたくさんたくさん通いました。
――出たいなーと思いながら?
はい、出たいと思いながら(笑)。でもなかなか縁がなくてだいぶ期間があいてしまったので、今の自分に果たしてできるのかなという気持ちも多少あったんですけれど。でも今回こうして機会をいただいたので、まだ不安もちょこっとありますけど(笑)、楽しみをいっぱい感じながら演じたいなと思っています。
中島亜梨沙
――台本を読んだ感想はいかがでしたか。
鈴木聡さんの作品ということでは、つい先日ラッパ屋さんの『ユー・アー・ミー?』も観劇させていただきましたが、本当に客席があたたかいし、なんだかとても昔を思い出させるような脚本で。人々が心を通じ合わせていくというか心と心が近づいていく感じがすごくあって、鈴木さんの書かれるものって本当にあたたかい作品だという印象が強いですね。最後にうまくまとまるところも、とても素敵でした。今回の台本も、もちろんすごく面白かったです。たとえばお客様がそれまで誰かとケンカをしていたとしても、芝居を観終わったあとで仲直りしようかなと思えるような、心を丸くしてくれる感じ。『サクラパパオー』を観た方も、そんな気持ちになっていただけたらうれしいですね。
――中屋敷さんとは、初めての顔合わせです。
はい、初めましてです(笑)。柿喰う客という劇団のことはもちろん存じ上げていましたけれど、なかなか観に行く機会がなくて。去年の年末に初めて、『虚仮威(こけおどし)』を拝見させていただきました。不思議とゾクゾクする作品で、最後も鳥肌が立ちました。ずっと胸にジリジリ残る感じがあって、独特の世界観でしたね。今回の『サクラパパオー』ではまた全然違う味わいになるのでしょうけど、どういうものが生まれるのか、すごく楽しみです。
中島亜梨沙
――中島さんが演じられるヘレンという役は、どう演じてみたいですか。
宝塚に在団していた頃も、やめて映像の世界に入ってからも、見た目のせいなのかどちらかというと幸が薄い役とか、殺されたりする役が多かったんです(笑)。でも去年『真田丸』で吉野太夫という役をさせていただいたら「色気がすごくあったよ」といろいろな方に言っていただけて。自分としてはこれまで苦手に思っていた役柄だったんですが、これからはもう年齢も年齢だし、どんどん出していこうと思うようになりましたね。
――そうですよ、せっかくですから(笑)。
そう、せっかくならバーンと出していこうと(笑)。ヘレンは男女問わず、人をひきつける魅力がある女性で、まあ、最初は今日子とかに毛嫌いされていたりもしますけど。だけど的場さん始め、たとえ貢がせたとしても「楽しかったでしょ?」ってヘレンに言われるとみなさん、「うん!また行きたいね」って言ってしまう。決して怒らせないし、恨まれたりもしない。それにヘレン自身も無理しているようなところはなくて、ある意味人間的にずっと裸でいるような人だから、周りから見ても魅力的なんでしょうね。ですから今回、なんとかそういう部分をがんばりたいです(笑)。改めて思うんですけど、自分自身が本当に人間的に魅力的じゃないと、きっと役も魅力的に見えないと思うんです。なので、ここで自分の人間力もアップさせていかないと! お稽古場でもみなさんと切磋琢磨しつつ、先輩方が多いので見て学ばせていただき、このヘレンという役を自分にそのまま置き換えられるような、充実したものにしたいなと思っています。このヘレンという素敵な役に、自分も引っ張ってもらいたいです。私もなりたいですもん、ああいう女性に。
中島亜梨沙
――お客様に向けて、中島さんからメッセージをいただけますか。
舞台上で、こういう、いかにも女性っぽい役を演じることって今までなかったので、「あ、この人ってこういう役もやるんだ」と新たな発見をしていただけたらなと思います。いろいろ舞台を拝見しているとある意味、舞台ってその人の全部が出ちゃうような気がするんですよね。そこが怖くもあり、だけどやっぱり自分が今までがんばってきた部分がそこできっちり出せたらいいなとも思うので。今回は自分としても集大成というか……、あっ、別にこれで終わるわけじゃなく、まだまだ途中なんですけど(笑)。この時点での成長を出せたらと思っているので、ぜひそこも見ていただきたいです。
――そういう意味では、いいきっかけの作品になりそうですね。
本当に。だから出演が決まった時も本当にうれしかったんです、この年齢になって新しい挑戦ができるわけなので。私自身も今、鼻息荒く(笑)、大変に意気込んでいます!
中島亜梨沙
取材・文:田中里津子 撮影:荒川潤
■演出:中屋敷法仁
■出演:
塚田僚一(A.B.C-Z)
黒川智花
伊藤正之
広岡由里子
木村靖司
市川しんぺー
永島敬三
■日程:2017年4月26日 (水) ~2017年4月30日 (日)
■会場:彩の国さいたま芸術劇場
■問合せ:パルコステージ 03-3477-5858
(月~土 11:00~19:00/日・祝 11:00~15:00)
■日程:2017年5月10日 (水) ~2017年5月14日 (日)
■会場:東京国際フォーラム ホールC
■問合せ:パルコステージ 03-3477-5858
(月~土 11:00~19:00/日・祝 11:00~15:00)
■日程:2017年5月16日(火) 19:00開演
■会場:電力ホール
■主催=仙台放送/ぴあ
■問合せ=仙台放送 022-268-2174(平日9:30-17:30)
■日程:2017年5月19日(金) 16:00開演
■会場:穂の国とよはし芸術劇場 PLAT
■主催=キョードー東海
■問合せ=キョードー東海 052-972-7466