男肉 du Soleil、新作プレビュー公演速報!
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男肉 du Soleil『お祭りフェスティバルまつり』プレビュー公演より。 [撮影]吉永美和子(このページすべて)
クオリティ<<<<祝祭!! 普段よりいっそうワチャワチャな男肉ワールド。
普段はつつましく暮らしている男(女)肉たちが、甘酸っぱい恋の花を咲かせるとか人類滅亡の危機を救うとか、中二病全開な世界を舞台に大暴れする…というコンセプトで展開される「男肉(おにく) du Soleil」の大長編。新作『お祭りフェスティバルまつり』のテーマはタイトルからも明らかなように「お祭り」! お祭りにフェスティバルなんてわざわざ重ねちゃうぐらいに「お祭り」!! その本番の10日前に開催されたプレビュー公演の様子を、たっぷり写真付きでお届けします。
※結構ネタバレしています。ネタバレしてもあまり問題がなく観れるのが男肉の世界ではありますが、気になる方は画像チラ見だけでお済ませください。
開演前に会場に入ると、舞台上には紅白の幕に包まれたお祭り用の櫓が。そこからDJのチェンが流す音楽に合わせて、すでに出演者たちが思い思いに体を動かしている。ときどきかかる「写真撮影OKです~」という声を聞いて、携帯のカメラを構える観客もチラホラ。開演直前には「屋台」と称してペヤングの焼きそばが舞台の隅に置かれ、その強烈な臭いが目の毒というか鼻の毒となっている。
本番中でも気が向いたらペヤングの焼きそばを食っていた男肉たち。このフリーダムさこそが男肉。
そして団長・池浦さだ夢の「作りかけなので若干ゆるゆるかもしれませんけど、楽しんでってくださ~い」という挨拶に続いて、新作のラップに合わせてお祭りスタート! まずは「花祭り」と称して、盆踊りよろしく櫓の廻りをグルグルしながら踊るダンスがしばらく続く。
男肉恒例のラップで始まるオープニング。ゲストのボブ・マーサムもNHKの朝ドラでも披露した美声で対抗。
やぐら太鼓ならぬやぐらDJで舞台を盛り上げるチェン。芝居にはほとんど絡まないが、団長いわく「今回の影の主役はチェン」だとか。
その群舞の合間合間には、J(城之内コゴロー)とゲスト女優たちの三角関係の始まりや、ヤク中のK(高阪勝之)と彼を心配する先輩(江坂一平)との押し問答、実は野菜の国の住人であるすみだと小石の密談など、いくつかのどうでも良さげなエピソードがチラホラと語られる。
J(右端)はメンバーたちの協力を得ながら、中野(上)ときのの(下)との三角関係をこっそり育んでいく。
「花祭り」の後は、死ぬのを覚悟で誰かがドラゴンを倒しにいかねばならない「ドラゴン祭り」、魔界キャラの小石が主導で行う「魔樹(まトゥリー)」と「それはお祭りと言えるのか?」なイベントが続く。魔樹の最中にはうっかりと魔界の穴が開いてしまい、ちょっとした騒ぎになる一幕も。
ドラゴン祭りで、じょーじ(右)は背後のドラゴン(正木悠太)と戦うことになるが…。
何かというとすぐに話を魔界に絡めてしまう小石(右)をいさめるすみだ(左)。
続いての「歌謡祭」は、DJのチェンがどんどん流す音楽に合わせて、全員がほとんど即興で踊るというコーナー。団長にうながされた観客たちも舞台に上がって、男肉たちと一緒に自由に踊りを楽しんでいる。
観客も巻き込んだダンスコーナーは男肉の名物。興味がある人は飛び散る席を、絶対巻き込まれたくない人は安全席をゲットしよう。
その次は「夏祭り」。「なぜ冬なのに夏祭りなんですか?!」というKやすみだのツッコミに「夏祭りで好きな子と手をつなぐとか体験してみたかったから」と団長が告白。それに応えて、2人が口立てで理想の夏祭りのシーンを作っていく。
団長の超個人的な要望から始まった胸キュン即興芝居。お相手は女肉(めにく)の森本萌黄。
…と、いよいよ盛り上がってきた所で、団長が突然「資金難のためにこれ以上祭りを続けられない」と通告。それを受けてKが「俺の持ってる麻薬を全部売れば大丈夫です!」と、どうでもいいと思われたサイドストーリーが突如芝居全体を揺るがせるという、男肉にはよくある展開が発動。
団員たちの家に隠していた麻薬の存在を打ち明けるK(左から2番目)と、自分の家も隠し場所の1つだったことにショックを隠せない先輩(右端)。
そして無事お祭り続行…と思いきや、今度はすみだのうっかりミスのために野菜の国の軍隊が動き出したり、冬なのに巨大な台風が接近したりなど、よくわからないトラブルが次々に舞い込んでくる。そのたびにゲストたちが自分の正体を明かしてはトラブルの阻止に向かい、祭りはつつがなく(?)進行していく。
自分の正体は野菜の国の柿っ八だと、団員たちにカミングアウトするすみだ。
すみだが迷惑をかけたトマト姫。この辺りの話は昔懐かしのゲーム「サラダの国のトマト姫」が元ネタ。
ゲストたちの尊い犠牲によって、何とかラストまでこぎつけられそうな気配が見え始めた頃、一つだけ解決できなかったトラブルが! しかし男肉たちは、観客全員巻き添えになるのを承知の上で、最後のダンスを決死の覚悟で踊り始める…。
ハイテンションで祭りを続行する男肉たち。団長もスペシャルふんどし姿にトランスフォーム!
男肉たちがアホ丸出しで歌って踊って茶番を演じるという男肉のフォーマットに忠実ながらも、お祭りらしくいろんな要素がてんこ盛り。普段の大長編は、1~3人ぐらいの中心人物を軸にして物語を進めることが多いけど、これだけ多数のシーンやエピソードを並列していく構成は意外と珍しかったかもしれない。また初ゲスト出演のボブ・マーサムによる、大半の観客が考えていそうなことをことごとく代弁していくツッコミが、今までにない絶妙な味付けだった。彼が東京で本格的に舞台に立つのは恐らくこれが初となるので、京都が生んだ新しい珍味をぜひ味わってみてほしい。
終盤にはビートたけしの上手すぎるモノマネを披露したボブ。本番でもその妙技を観ることができるか?
終演後には「実際にやってみたら、やっぱりグダグダに感じられる所が結構あった。いらない所は削りつつ、お祭り的なモノをもっと付け足して、本番ではよりお祭りっぽい世界を見せたい」と、反省と抱負を語った団長。会場は小さくても、意気込みだけは宇宙レベルな男肉 du Soleil の冬のお祭り。本番では舞台と客席の垣根を(絶対安全席以外は)完全に超えた、「くだらないけど何だか楽しいー!!」と全員がハイになるような異空間が出現することを期待しよう。
■日時:2月9日(木)~12日(日) 9・10日=19:00~、11・12日=13:00~/17:00~
※9、10、11日夜公演は終演後におまけトークショーを開催。
■会場:元・立誠小学校 音楽室
■おまけトークショーのゲスト
2/9(木) 19:00 石田剛太さん(ヨーロッパ企画)
2/10(金)19:00 松原タニシさん(事故物件住みます芸人)
2/11(土)17:00 今回のゲスト出演者
■日時:2月20日(月)・21日(火) 19:30~
※20日は終演後におまけトークショーを開催。
■会場:駅前劇場
■おまけトークショーのゲスト
2/20(月)19:30 長尾卓也さん(劇団プレステージ)
■団長:池浦さだ夢
■出演:江坂一平、小石直輝、高阪勝之、城之内コゴロー、すみだ、チェン、森本萌黄、ヤマモトエリコ、吉田みるく(以上男肉 du Soleil)
ボブ・マーサム(THE ROB CARLTON)、正木悠太、きののさおり、じょーじ、中野π子(May/パイのミ)
■公演特設サイト:http://oniku-du-soleil.boy.jp/project/omatsuri/