真木よう子が「驚きと衝撃の連続で圧巻!!」 映画『お嬢さん』パク・チャヌク監督は「日本人を起用しなかった理由」を明かす

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2017.2.9
左から、パク・チャヌク監督、真木よう子

左から、パク・チャヌク監督、真木よう子

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2月8日(水)、 都内にて映画『お嬢さん』のジャパン・プレミアが開催され、来日したパク・チャヌク監督と女優・真木よう子が登壇した。 

『お嬢さん』は、宝島社のブック・ランキング『このミステリーがすごい!』で第1位を獲得したサラ・ウォーターズ原作の小説『荊の城』の映画化作品。韓国では成人映画(R19指定)のオープニング記録を更新し、アメリカを中心とした世界中の映画賞で高い評価を受けている。物語は、1939年の日本統治下の朝鮮半島を舞台に詐欺グループに育てられた少女スッキ(キム・テリ)が、藤原伯爵と名乗る詐欺師(ハ・ジョンウ)から日本文化を崇拝する富豪・上月(チョ・ジヌン)の財産を奪う計画を持ちかけられ、メイドとして働き始めるというもの。

 

『お嬢さん』パク・チャヌク監督

『お嬢さん』パク・チャヌク監督

 

来日したパク監督は『オールド・ボーイ』で第57回カンヌ国際映画祭・審査員特別グランプリ、『渇き』で第62回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど、世界中で注目を集める人物。伊藤計劃原作の『虐殺器官』をハリウッドで映画化することも決定している。

満席の会場にパク監督が登場すると、会場からは監督の来日を待ちに待ったわれんばかりの拍手が沸き起こった。パク監督が「今までこの作品を持って色々な国に行きましたが、最後の旅がこの日本になります」とあいさつ。続けて「本作は1930年代の時代背景をもとに、西洋と日本と韓国の融合を覗き観ることができます。私が自分なりに考え、自分なりに解釈した日本文化を、この作品の中で表現しました。韓国の俳優たちが日本語を死ぬ気で覚えて練習して長セリフにも挑戦しました。日本人の皆さんから見たら中途半端に見えるかもしれませんが、韓国の俳優たちが懸命に努力した姿を温かい気持ちで見守ってください」と、日本上映に向けての意気込みを語った。

 

真木よう子

真木よう子

 

いち早く作品を鑑賞した真木は、「韓国の俳優さんが日本語のセリフを話すことに対して、先ほど監督が気にされていましたが、全く問題なかったです!」と感想を述べ、「むしろ作品のスゴさが圧倒的に勝っていた!俳優の力量が必要となってくる映画だと思いますが、すべての俳優さんが素晴らしい。言葉なんて関係ない!」と絶賛。また、見どころのひとつである官能描写についても「日本人が官能作品を撮ろうとしたら、女性が引いてしまうくらいに官能的な部分を掘り下げてしまうのに対し、パク監督の作品は、女性でも抵抗なく見れ、驚きと衝撃の連続です。圧巻でした!」と語った。褒めちぎられたパク監督は「今まで何カ国も(本作のプロモーションで)行きましたが、今日のこの言葉が一番嬉しい!」と笑顔を見せていた。

キャスティングの話になると、真木は「侍女のキム・テリさんは、純粋で澄んだ目をしていて、役にピッタリ。令嬢のキム・ミニさんは、きっと大変な役だったと思いますが、素晴らしい演技で、大好きな女優さんになりました」と2人の女優に言及。パク監督は「どんな映画なのか、どんな役なのかというところでキャスティングはしていきますが、そうはいっても個人の好みは入ってくるもの。私は、ただ従順で大人しい人はあまり好みではなく、賢明で自分の主張や考えをしっかり持っていて、それを躊躇わすに表現できる女性がセクシーだと思っています」と解説。さらに「なので(真木さんは)自分の好みに合った女性です!」と話を振った。すかさず真木は「じゃあもうピッタリですね」と応じていた。

続いて真木は「日本人を起用しなかった理由」について質問。パク監督は「本作は韓国語と日本語の融合が重要で、両方の言語を自由に操る必要がありました。日本の俳優に韓国語を勉強してもらって……ということも考えましたが、今回は韓国語のセリフの分量の方が多かったため、このような形になりました」と秘話を明かしている。真木は「主演のあの役はやってみたい!役者としてやりがいのある役だと思います」と熱く語ると、パク監督は「韓国だけで映画を撮るつもりはないし、いつでもいいストーリーがあれば、日本で撮る事も考えています」と今後の映画製作への抱負を語った。

また、パク監督は、真木が出演した『そして父になる』を観たという。その真木について「強靭さと優しさを兼ね揃えた女性。深みのある美しさと生活感のある姿の両方を見事にみせてくれた。ふつう相反するものの両立は難しいが、それをやってのけた素晴らしい女優」とべた褒めすると、真木は「カムサハムニダ」と笑顔を見せてていた。最後にパク監督は「本作が日本で上映されることは、自分にとって特別で大きなこと。本作を観て、女性の観客の皆さんは、自分の快楽を心から楽しんでもらいたいですし、男性の観客の皆さんは、女性に対して『もっと優しくしなきゃ』『尽くさなきゃ』と思ってもらいたいです」とメッセージを送った。

 

左から、パク・チャヌク監督、真木よう子

左から、パク・チャヌク監督、真木よう子



映画『お嬢さん』は3月3日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー。

作品情報
映画『お嬢さん』​
 

(2016年/韓国/145分/シネマスコープ/5.1ch/R-18)

監督:パク・チャヌク (カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞『オールド・ボーイ』)
キャスト:キム・テリ、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン
配給:ファントム・フィルム
 
【ストーリー】
1939年、日本統治下の朝鮮半島。孤児の少女・スッキ(キム・テリ)は、 “伯爵”を装った詐欺師(ハ・ジョンウ)にスカウトされ、莫大な財産の相続権を持つ美しい令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドとして働くことに。秀子は世間とは隔絶した大きな屋敷で、日本文化を崇拝する支配的な叔父(チョ・ジヌン)とひっそりと暮らしていた。実は詐欺師はスッキとともに秀子を誘惑し、結婚した後、彼女を精神病院に入れて財産を奪うという計画を企てていたのだ。計画は順調に進むが、献身的なスッキに秀子が次第に心を開いていく


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