パリ・オペラ座バレエ団日本公演の出演者が変更、エルヴェ・モローとマチュー・ガニオの参加が不能に
今年(2017年)3月に予定されているパリ・オペラ座バレエ団の日本公演において、出演が予定されていたエルヴェ・モローとマチュー・ガニオの二人が参加不可能となり、配役が変更となることが公演主催者より発表された、
エルヴェ・モローは、最近深刻な腰痛を抱えていた。日本公演出演のためにあらゆる治療と薬をもって早期回復の努力を試みていたが、公演を目前に控えた今、参加を断念せざるを得ないと判断したという。また、マチュー・ガニオは日本公演の「ラ・シルフィード」のリハーサルに熱心に取り組んでいたところ、ふくらはぎに怪我を負い、長期間の休養が必要との医師の診断が下された。
これにともない、パリ・オペラ座バレエ団より、日本公演の配役変更が、公演主催のNBS/公益財団法人日本舞台芸術振興会に対して伝えられた。
「ラ・シルフィード」は、マチュー・ガニオが出演予定だった3月3日と5日を、代わりにユーゴ・マルシャンがジェイムズ役を踊る。マルシャンは、先ごろエトワールに任命されたジェルマン・ルーヴェと同期で、ルーヴェと並んで次期エトワールとしてパリ・オペラ座バレエ団が期待をかけている若手スターであり、振付家のピエール・ラコットと芸術監督のオレリー・デュポンがベストの配役として選んだ。
「ラ・シルフィード」
●3月3日(金)18:30
ジェイムズ:マチュー・ガニオ → ユーゴ・マルシャン
パ・ド・ドゥ:マリーヌ・ガニオ、マルク・モロー → マリーヌ・ガニオ、アルチュ・ラヴォー
●3月4日(土)13:30
パ・ド・ドゥ:ジェニファー・ヴィソッチ、パブロ・レガサ → ジェニファー・ヴィソッチ、マルク・モロー
●3月5日(日)15:00
ジェイムズ:マチュー・ガニオ → ユーゴ・マルシャン
パ・ド・ドゥ:マリーヌ・ガニオ、マルク・モロー → マリーヌ・ガニオ、アルチュ・ラヴォー
また、〈グラン・ガラ〉の「テーマとヴァリエーション」「ダフニスとクロエ」、加えて「アザー・ダンス」は、マチュー・ガニオとエルヴェ・モローの降板に伴い、本人たちの出演日に加えて、他日の公演も以下のように変更となる。
〈グラン・ガラ〉
●3月9日(木)18:30
「テーマとヴァリエーション」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ → ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ
「アザー・ダンス」マチアス・エイマン → ジョシュア・オファルト
●3月10日(金)18:30
「ダフニスとクロエ」ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ → マルク・モロー
●3月11日(土)13:30
「テーマとヴァリエーション」ヴァランティーヌ・コラサント、ジョシュア・オファルト → ヴァランティーヌ・コラサント、フランソワ・アリュー
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ
●3月11日(土)18:30
「テーマとヴァリエーション」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ → ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ ドルコン:マルク・モロー → ジェレミー=ルー・ケール
●3月12日(日)15:00
「ダフニスとクロエ」ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ → マルク・モロー
NBSは、当初の配役がなるべく変わらないようパリ・オペラ座バレエ団に重ねて申し入れ、そのための配役の提案も行なったが、パリ・オペラ座バレエ団からは「リハーサル時間や芸術上の問題によりやむを得ない」との返答があったという。に関する問い合わせは、NBS公式サイトから「問合せ」、もしくは電話 03-3791-8888 迄。
なお、エルヴェ・モローとマチュー・ガニオ本人から日本の観客へのメッセージが次のとおり、届いた。
親愛なる日本の皆様へ
大変心苦しいお知らせを申し上げなければなりません。深刻な腰痛問題のために、パリ・オペラ座バレエ団の3月の日本公演に関し、どうしても参加を断念せざるを得ない状況となりました。このキャンセルについて、お客様、ならびにご関係者の皆様に心よりお詫びを申し上げます。
ご想像頂けるかと思いますが、もう間もなく、東京の皆様にお会いできること、そして再びオレリーと踊れるということを私自身、何よりも楽しみにしていました。ですからこれは私にとり本当に悲しい決断でした……。
3月初旬に日本で「ダフニスとクロエ」を踊るために、あらゆる治療と薬を頼りにけがの早期回復を図ってまいりましたが、残念ながら現時点でも腰の痛みがひどく、静養期間を延ばさざるを得なくなりました。
一刻も早くけがを直し、舞台に戻り、そうしてまたできるだけ早く、日本で皆様のために踊る機会を与えられることを心の底より願っております。
心からの愛をこめて
親愛なる日本の皆様へ
日本の皆様の前で、ふたたび「ラ・シルフィード」を、そして「テーマとヴァリエーション」を踊ることをずっと心待ちにしてきました。
残念ながら、ふくらはぎに重症を負い、長期にわたる休養が必要な状況となりました。そのため、このたび、日本の皆様を訪問することがどうしても叶わなくなってしまいました。
この事故について本当に申し訳なく、残念に思っております。できるだけ早く完治させるつもりです。そうしてできるだけ近い将来に、また皆様にお会いできることを望んでおります。
日本の皆様が、パリ・オペラ座バレエ団の舞台を堪能してくださいますことを祈っております。
ご理解に心から感謝しお礼申し上げます。
ユーゴ・マルシャン(プルミエ・ダンスール)のプロフィール
2007年、ナント国立地方音楽院で首席となったのち、パリ・オペラ座バレエ学校に入学。2011年、18歳でパリ・オペラ座バレエ団に入団。2014年、コリフェに昇進。ヴァルナ国際バレエコンクールで銅賞を獲得。2015年、スジェに昇進。カルポー賞、AROP(パリ・オペラ座振興会)賞を受賞した。2016年、プルミエ・ダンスールに昇進した。バランシン「ヴァイオリン・コンチェルト」、フォーサイス「パ。/パーツ」、キリアン「タールと羽」「詩編交響曲」、マクミラン「マノン」のデ・グリュー、マクレガー「感覚の解剖学」、ミルピエ「夜の終わり」、ヌレエフ版「白鳥の湖」のパ・ド・トロワ、「くるみ割り人形」のドロッセルマイヤー/王子、「ラ・バヤデール」のソロル、「ロミオとジュリエット」のロミオ、ロビンズ「ゴルトベルク変奏曲」などを踊る。オペラ座での初演作品に、ミルピエ「クリア、ラウド、ブライト、フォワード」(2015)、バランシン「デュオ・コンチェルタンテ」(2016)、フォーサイス「ブレイク・ワークスⅠ」(2016)などがある。
■演目・日程:
<グラン・ガラ>2017/3/9(木)~3/12(日)
「ラ・シルフィード」2017/3/2(木)~5(日)
■会場:東京文化会館大ホール
■問合せ:NBS/公益財団法人日本舞台芸術振興会 03-3791-8888
■公式サイト:http://www.nbs.or.jp/stages/2016/parisopera/index.html
「ラ・シルフィード」
●3月3日(金)18:30
ジェイムズ:マチュー・ガニオ → ユーゴ・マルシャン
パ・ド・ドゥ:マリーヌ・ガニオ、マルク・モロー → マリーヌ・ガニオ、アルチュ・ラヴォー
●3月4日(土)13:30
パ・ド・ドゥ:ジェニファー・ヴィソッチ、パブロ・レガサ → ジェニファー・ヴィソッチ、マルク・モロー
●3月5日(日)15:00
ジェイムズ:マチュー・ガニオ → ユーゴ・マルシャン
パ・ド・ドゥ:マリーヌ・ガニオ、マルク・モロー → マリーヌ・ガニオ、アルチュ・ラヴォー
●3月9日(木)18:30
「テーマとヴァリエーション」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ → ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ
「アザー・ダンス」マチアス・エイマン → ジョシュア・オファルト
●3月
「ダフニスとクロエ」ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ → マルク・モロー
●3月11日(土)13:30
「テーマとヴァリエーション」ヴァランティーヌ・コラサント、ジョシュア・オファルト → ヴァランティーヌ・コラサント、フランソワ・アリュー
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ
●3月11日(土)18:30
「テーマとヴァリエーション」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ → ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ ドルコン:マルク・モロー → ジェレミー=ルー・ケール
●3月12日(日)15:00
「ダフニスとクロエ」ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ → マルク・モロー