宮城紘大&山田ジェームス武&中尾拳也が互いを褒めちぎる 舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一」インタビュー

インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム
2017.4.11
(左から)山田ジェームス武、宮城紘大、中尾拳也

(左から)山田ジェームス武、宮城紘大、中尾拳也

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公演まであと3週間に迫った、舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一」。

本作は、恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」の舞台を、幕末から現代の日本に移したスピンオフ作品で、男子生徒ばかりの私立薄桜学園に入学した、たった1人の女子生徒・雪村千鶴を中心に、部活に友情、勉強、恋愛に明け暮れる青春ラブコメディーが繰り広げられる。2015年に実写ドラマ化、舞台化、2016年には映画化もされており、今回は登場人物の1人、斎藤一にスポットを当てた新たなストーリーが展開される。

このたび、斎藤一役の宮城紘大、土方歳三役の山田ジェームス武、沖田総司役の中尾拳也の3名にインタビューする機会を得られた。それぞれが演じるキャラクターの印象から、舞台へのアツイ思いを語ってもらった。


――本番を控えて、今の心境をお聞かせください。

宮城紘大:稽古が始まってからまだ日も浅く、場当たりできていないシーンもたくさんあるんですが……。舞台の公演が4月で、ゲームの「薄桜鬼SSL」も入学式からスタートするので、時期的にもちょうどあっていますよね。演出家さんの「お客様に“また楽しく1年間を送れる!”って感じてほしい」という思いを伺ったので、それにこたえられるように頑張っていきたいと思っています。

中尾拳也:沖田というキャラクターが好きなので、演じていてすごく楽しいですし、それを早くお客様に見てほしいです。これからあと3週間くらいで、このキャスト全員でひとつの作品を完成させるのが楽しみです。

山田ジェームス武:まだ深い所まで作りきれていない部分があるので、それをそれぞれのキャストが取り組んでいる最中です。今回はラブストーリーなので、その部分をお客様にいかに楽しんでもらえるのか……。お客様をキュンキュンさせることよりモヤモヤさせるほうが難しいと僕は思います。全体を通してそれを自然に出せるかっていうのが、僕らの課題でもあるのかなと思ってます。
 

――稽古に入る前と後で、キャラクターに抱くイメージが変わったところはありますか?

中尾:沖田はとても頭が良いんです。僕はひとつ先を見ていて演じていたけど、実はもっと先を見据えていたりして。すごく考えて行動している人なんだなと感じました。策略的ですし、尊敬する部分も少し出てきましたね。あと、沖田はドSでいじわるなので、彼が起こしたアクションに対して千鶴が照れたりする。その反応が沖田にとっては嬉しいんです。演じる前までは違う風に考えていました。

山田:ギャップというより、思った以上に深かったってことだよね。土方歳三は、すごく厳格でまじめで誠実な人間だと思っています。本を読んだりして、優しさが垣間見える瞬間も多々あったんですが、それも打算的にやってるわけではなく、一人一人に対してフェアに愛を持っているから自然と優しさが出てくるのかなって。

大人の包容力というものを感じました。以前は、優しさより、どうしても厳しさが先に出てきてしまう不器用な人間なのかと思っていたんですが、演じていると案外真っ直ぐだな、と。素直に思ったこと、したいことをさらっとできちゃう大人な瞬間が見えることが多いのですが、自分が演じるにあたって、そこがぶつかるところであり難しいところです。その“大人の余裕”をうまく引き出せれば、おもしろいものができるのかなぁと思いつつ稽古をしています。

宮城:斎藤の見た目の印象から大きくズレたりはしなかったんですが、それこそ沖田のように深みや知らなかった面はいっぱいありました。真面目で正義感あふれる人間なのに、恋愛に関しては奥手というかニブいところがあったり……。かっこいいイメージの方が強かったんですが、すごくかわいいなって思うようになりました。例えば、プレゼントを渡すシーンで、すごくモゾモゾするんです。恋愛においては結果にたどり着くまでにすごく遠回りする人間ですね。

山田:斎藤は、恋したときになる“キュン”っていうやつを「この胸の痛みはなんなんだ……!?」って本気で考えそうだよね。病気なんじゃないかって思っちゃいそう。

宮城:そうなんですよ! 土方先生と千鶴の良い空気感の2人を見て、僕にもモヤっとするものが来たんです。僕はそれが嫉妬だとわかるんですが、斎藤は「なんだこれは?」って不思議に思う人間だと思うので、それを無意識にもっていくのがすごく難しいです。
 

――キャラクターと自分を比べてみて、近いなと思う面や全く違うなと思う面を教えてください。

山田:僕は土方の圧倒的な「包容力」ですね。演じているときに、自分ってまだガキなんだなって感じちゃうくらいです。セリフの言い回しや、立ち姿ひとつひとつだったり、そういうところで若い人に安心感をもたらすというか。生徒にも他の先生にも余裕があるように見えてる部分が、僕には持っていないところなのでとてもうらやましいです。逆に自分に近いところは、思ったことを言えたりするところですかね。嘘は言わないと思うので。……あんまり僕も嘘は言わないと思うんだけどな?

中尾:誰に問いかけてるの!?(笑)

山田:何か芯をもっているところはすごく憧れますね。僕も芯をもって生きていきたいなって思ってます。この『薄桜鬼』の世界にいるみんなが、幕末という時代に強い信念を持って生きている……かっこいいですよね。ラブコメディーとはいいつつ、何かしらの“熱いもの”をみんなが持っているので、土方一人に憧れを抱くというよりは、全員にうらやましい部分を感じるところがあります。かっこいい人たちだと思う。

中尾:かっこいいこと言うね!

宮城:以下同文で!

一同:(笑)

山田:ラブコメディーと言いつつ、熱を伝えたいですね。面白いとかキュンキュンするだけじゃなくて、燃え尽きるくらい熱くなる現場、作品にしたいです。

宮城:僕が斎藤一と違うところは数えきれないくらいあります……。例えば学生の頃、僕は制服の着こなし方でも注意されていたので、彼が風紀を守る側だったら、僕は乱す側(笑)。僕はリラックスしてやろうよっていう人間ですが、彼はきっちりやるぞっていうタイプじゃないですか。1秒でも遅れたら「遅刻!」というタイプだし、心が狭い……いや、正しい事ですよね!

でも、恥ずかしがるところは似ているかもしれません。僕も顔がすぐ赤くなったり、恥ずかしがり屋と言われることは多々ありまして。彼もふいに来られたものに関しては免疫ないと思うんです。自分の特定の分野じゃないところから来られるとすごく動揺する。外見的にはそう見えていなくても、内心は……っていうタイプだと思うんですが、そういうところは似ていると思います。

中尾:沖田も僕も、人をからかうのが好きなところが同じかな。それを見てみんなが笑ってくれる空間が好きでした。違うところは…沖田は学校の行事とか積極的に前に出るタイプではないですよね。僕は逆に、小中高の体育祭で応援団の団長をやったりして引っ張っていく、前に立つということが好きな学生でした。
 

――『SSL』はスピンオフで、もともとの原作というものがありますが、そういった面での難しさはありますか? 2つの作品を通してみないとわからない面があるのかなと思うのですが。

宮城:どの作品の『薄桜鬼』を見ても、斎藤一の芯の通り方はブレていないんです。ただ『SSL』の原作と圧倒的に違うところが、恋愛要素がメインってところですよね。

中尾:この作品に出てくる人は良い人で真っ直ぐすぎて、僕(沖田)はすごく悪者に見えちゃうところもあります。小悪魔でいたずらっ子ですよね。発言もストレートだし、王子様っぽいし、すぐに女の子との距離も縮めるし、ちょっと現実離れしてる。でもそういうのが沖田の魅力というか、他の人とは違うところだと思います。「薄桜鬼の沖田」というイメージは壊したくなくて、「声」を大事にしようと役作りに励んでいます。原作を知っている人が「あっ、沖田だ!」ってなってくれるのが一番良いと思っているので、声優さんの声を聞くことはずっとしています。もちろん声帯が違うので、声が全く一緒っていうのは無理なんですが、声の輪郭が似ているようにお芝居したいなと思ってます。

――稽古場での驚いたエピソードはありますか?

山田:稽古場に演出家の菅野臣太朗さんがいらっしゃらない時間は、僕ら自身でどういう稽古をするかを話し合いながら、自主稽古をしています。「みんなで本を読もうよ」とか、「解釈を考えよう」ってやっているんですが、毎回驚きがあります。ひとりひとりセリフの読み方が違うから、「あっ! そういう土方もいるんだ、そういう沖田がいるんだ!」っていう、自分では見つけられないものがどんどん出てきて。そのおかげで、自分の作る役がまた何回りも大きくなっています。みんなで探り合うのってすごく楽しいし、僕は自主稽古って好きだな。

宮城:空いている時間に自分たちで練習することはあるんですが、「ここからこの時間までは自主稽古です」っていう形の自主稽古は、僕は初めてでした。最初は不安だったんですが、みんなの解釈を聞けるのはとても勉強になります。

中尾:それでみんなの距離が一気に近づいた感じはあるよね。

宮城:うん。雪村千鶴役の高橋紗妃ちゃんと話すことも多いんですが、「このシーンはこのニュアンスじゃなくて、女の子的にはこっちの方が嬉しいです」とか、女性目線の意見を聞けるのは本当に発見です。驚くシーンでも、紗妃ちゃん自身は驚いた時にあまり声を出して反応するタイプじゃないらしく、「きゃー!」っていう言葉を言えずに困っているという相談もありました。

中尾:率直に思ったのが、僕が紗妃ちゃんの立場だったら絶対にきついなと。男がこんなにたくさんいる現場に女の子一人って。だからあれだけラフに話せる彼女はすごいなって思うんです。もし女の子の中に自分が一人だったら……。

山田:彼女は飄々としてるよね。堂々としてる。

中尾:みんなと仲も良いし。やりやすいですね。

宮城:わからないところも自分からグイグイ聞きにきてくれるから、こっちも絡みやすい。

山田:僕のところにはあまり来てないなぁ?

宮城:あれ!?

中尾:僕のところにもあんまり来てないけど……?

宮城:僕のところはめっちゃ来てくれてるよ!

中尾:そこは来てないって言えよ! 空気読んで~!(笑)
 

――ここでしか言えない秘密のエピソードなどはありますか?

中尾:ジェーくん(山田)がお酒強いこと?

山田:どこでも言えるわ!
 

――自分だけが知ってるこの人のエピソードとか。

山田:演出家の臣太朗さんが、割とナルシストってことかな。僕は臣太朗さんと組むのが2回目なので、余裕を持って接していられるんですが、自分の言っていることが相手にうまく伝わった時に、口周りがピクピクして、すごく嬉しそうなんですよね。演出指導の後、演出席に戻ろうとするんですけど、「あとそれもな!」って振り向くんです。

中尾:わかります! 僕もこの前ありました。臣太朗さんはサングラスが毎回違ってオシャレなので、話しかけられた時「サングラス今日も違いますね!」って言ったら、「やめろよお前~気にしてるってバレるじゃねーか!」って口元がピクピクしてた!

山田:臣太朗さんは人が好きなんだなってすごく感じますね。

宮城:外見はいかつくて癖のありそうな人だなって思うんですが、すごく面白くて良い人ですね。ダメ出しされて、わかりましたって言うと、5秒くらい見つめ合うことがあるんです。

中尾:あるある! ずっとうなづいてる!

山田:自分の言ってることが的確だって思ってる瞬間だから。「これ以外にいい言葉はない!」って気持ちいい時に、お互い目が合ってうなづく。で、帰ろうとして「あとこれもな!」って追加で言われる。

一同:(笑)

宮城:何かしちゃったのかなって思ってた!

山田:どっちかと言うとプラスの方かな。

宮城:あと「俺はロマンチストだ」って言ってました。

中尾:だからこういう脚本が書けるんだと思います。

宮城:今回の公演でもドキドキポイントが結構あるんですが、そのシーンの稽古をしていた時に、「俺が女の子だったら、お前とのデートは絶対嫌だ。俺の方が女の子を楽しませる自信あるもん」って言われました……。

山田:なにより演劇が好きだから、本当にアツイんです。それがあるからついていきたいと思うし、お客さんを一番大事にしています。よく話すんですが、お客さんが東京の人だとしたら交通費含め1万円くらいで済むかもしれませんが、例えば沖縄から来る人だったら、それだけで4万円近くの舞台になるわけじゃないですか。来てくれたお客さんみんなが見て良かったって思う作品を作りたがる人だから、そういう面ではこの人と一緒にやりたいなって思う演出家ですね。

中尾:最初は(臣太朗さんに対して)壁を作っていたんですが、いざ稽古が始まってみたら速効で壁が取れましたね。めちゃめちゃ楽しそうに沖田を表現してくださるんです。

宮城:しかもすごく的確にね。どの舞台に出てもどの現場に出ても通じる「大事なこと」、お客さんが「何を見たいか」まで教わっています。

中尾:そうだ、秘密のエピソード思い出した! 『SSL』の出演が決まった当時、ジェーくんの名前をいろいろなところで聞いていたんです。だから「またこの人(山田)だよ!」って(宮城)紘大と2人で話してたんだ!

宮城:僕らが好きな舞台にも、ジェーくんの名前があったりして。

中尾:だから、最初から勝手に僕らの中ではジェーくんとの距離は近かった(笑)。だから会うのをめっちゃ楽しみにしてたんだ!

山田:知らないところでいじられてた(笑)。

(左から)山田ジェームス武、宮城紘大、中尾拳也

(左から)山田ジェームス武、宮城紘大、中尾拳也

――宮城さんは中尾さん、中尾さんは山田さん、山田さんは宮城さんの良いところを教えてください。褒め倒してください。

宮城:中尾くんは人をイライラさせないところがすごいですね。普通のひとがやったとしたらイライラしちゃうことでも、中尾くんだとそう思わない。才能ですね。

山田:人間性がいいってことだね。

中尾:(宮城)紘大よりもジェーくんに褒められた気がした!(笑) ジェーくんは人の事をよく観察してますね。最初に会った時は取材だったんですが、すごくフレンドリーで話しやすいなって思いました。誰とも壁を作らないし。でも最近はちょっと冷たいんですよ~ドSなんですね! お芝居熱心で、アドバイスも的確です。芝居の話をしているときは特に有意義な時間を過ごせているなと感じています。そういうところが魅力かな。顔もかっこいいし、あとオシャレだし……。

山田:何の話だよ(笑)。紘大の良いところ……サイドの髪の毛のくりんってしたところがかわいい。

中尾:最近髪型変えたし、そういうところ褒められるとうれしくない?

宮城:全然うれしくない! でも確かに気に入ってるポイントではあります。

山田:彼は若さが出ているので、うらやましいですね。僕らが意識してつくる空気感を無意識につくれているので、すごく良いことだなって思います。稽古場の空気もそうですが、良い空気にしようって意識すると、から回ってしまうこともあるので……。

宮城:何も考えてないです。

山田:だろうね。だから自然と笑顔になるし、和む瞬間を作ってくれるし、現場としてはすごく良い存在ではあるのかな。
 

――最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

宮城:舞台の中で1年の月日が経つ面白い舞台です。僕たちはそれを作り上げて表現しなければいけないという課題もあるのですが、そのキャラクターの成長に注目してほしいです。頑張ります。

中尾:自主稽古のおかげでみんなで話し合うことが多いので、自分の中で厚みのあるお芝居が日々できてきていると思います。それを活かして楽しんでやっています。僕、本当に沖田が大好きです。是非ご来場ください!4月21日から劇場でお待ちしてます!

山田:全員を揺さぶりながら進んでいく1年間を実感してもらえたらなと思っています。ひとりひとりが千鶴に恋していった上で実る恋愛物語を作っていきたいので、それに対して完成度を高めていって、何か感じるものを伝えることができたら嬉しいです。残り3週間ですが、稽古を全力で頑張って素晴らしい作品にするので、楽しみに待っていてください。

(左から)山田ジェームス武、宮城紘大、中尾拳也

(左から)山田ジェームス武、宮城紘大、中尾拳也

取材・文・撮影=松本裕美

VOGUISH (HP:http://www.adonisgreen.jp/
KAKULULU(HP:http://kakululu.com/
(c)2014 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY (c)2014 IF・DF / 2017舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~」製作委員会

公演情報
薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一
■日程:2017年4月21日(金)~30日(日)
■場所:東京都 シアターサンモール

■原作:オトメイト「薄桜鬼 SSL ~sweet school life~」
■脚本・演出:菅野臣太朗

■キャスト
斎藤一:宮城紘大
土方歳三:山田ジェームス武
沖田総司:中尾拳也
藤堂平助:樋口裕太
原田左之助:浜田陽平
風間千景:北村健人
雪村千鶴:高橋紗妃
永倉新八:碕理人
山南敬助:鷲尾修斗
南雲薫:大見拓土
不知火匡:輝海
天霧九寿:近藤洋抉

■チケット
イープラス(http://eplus.jp/hakuoki-ssl-stage2017/(パソコン・携帯)) ほか、各プレイガイドに
て発売中

公式サイト:http://www.hakuoki-ssl-stage.com/top.html
公式Twitter:https://twitter.com/sslstage

 
(C)2014 IF・DF / 2017 舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~」製作委員会

 

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