「早く主人公を殺したい! 早く主役に返り咲きたい!」(谷口) 新ヒーローに早くも 危機が訪れた『仮面ライダーアマゾンズ』シーズン2製作発表会
撮影:小林真之輔
血しぶき散るハードな描写と、重厚なストーリーで話題をさらった『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)のシーズン2が、4月7日(金)よりAmazonプライム・ビデオで配信スタート。その製作発表会が4月6日(木)に東京・品川グランドホールにて行われ、前嶋 曜(千翼役)、白本彩奈(イユ役)、藤田 富(水澤 悠役)、谷口賢志(鷹山 仁役)、武田玲奈(水澤美月役)、東 亜優(泉 七羽役)、東映の白倉伸一郎プロデューサーが登壇した。
シーズン2は、シーズン1の最終話から5年後が舞台。主要キャストが続投しつつも、新たなアマゾンライダーを迎え、続編というより「新章」という趣になる。アマゾンに育てられた少年・千翼(ちひろ)/仮面ライダーアマゾンネオ(演:前嶋 曜)と、生体兵器として戦うイユ/カラスアマゾン(演:白本彩奈)を中心に、新しい物語が紡がれる。
写真左よりアマゾンニューオメガ、カラスアマゾン、アマゾンネオ、アマゾンアルファ 撮影:小林真之輔
製作発表会は、仮面ライダーアマゾンネオ、カラスアマゾン、仮面ライダーアマゾンニューオメガ、仮面ライダーアマゾンアルファが登場したミニヒーローショーからスタート。アマゾンオメガは“アマゾンニューオメガ”となってもS1と同じくダイナミックな戦闘スタイルを、そしてアマゾンアルファも洗練された無駄のない連撃を見せていた。ここではアマゾンネオとカラスアマゾンが苦戦を強いられ、カラスアマゾンが力尽き、アマゾンネオが抱きかかえて嘆く……というメインビジュアルの場面が再現されて幕引きに。悲劇的な展開を予感させるものになっていた。
まず最初に登壇したのは、平成ライダーを今日のヒットまで導き、S1でも指揮をとった東映・白倉伸一郎プロデューサー。昨年、S1での製作発表会では「敵はニチアサにあり」、「牙を抜かれた仮面ライダーに、牙を取り戻す」と発言して大きな話題を巻き起こした白倉だが、今回は「エグゼなんとか」(白倉)を意識するのではなく、『アマゾンズ』S1を敵だと思って作っているとのこと。「S1のダークな世界観はそのままに、スケールアップ、グレードアップしている」と、自信をにじませていた。
白倉伸一郎プロデューサー 撮影:小林真之輔
左より東 亜優、谷口賢志、前嶋曜、白本彩奈、藤田 富、武田玲奈 撮影:小林真之輔
キャスト陣が登壇すると、それぞれが出演に際しての思いなどをコメント。主演はもちろん、映像作品への出演自体が初めてとなる前嶋は、「当たって砕けるつもりでオーディションに臨みました。合格の連絡を受けたのはバイトの休憩中で、『受かったよ』と言われても理解できなかった。仮面ライダーになるのがひとつの夢だったので、うれしかったです」と話していた。
撮影:小林真之輔
またヒロインの白本は、「二次審査を忘れて部活をやっていて、泣きながら電車に乗りました……」、「おいしい役(に決まった)と言われて、『きっとかわいいヒロインなんだ!』と思って台本を読んでみたら、(イユは)死んでました」と、正直な思いを告白。白倉によると、異色の「ゾンビヒロイン」であるイユのオーディションは、「空中を見つめて目の焦点をはずす」「歌を歌う」といったことも含んだ、かなり特殊なものだったようだ。
撮影:小林真之輔
アマゾン化した父に殺され、カラスアマゾンとして蘇り、生体兵器として戦うイユは、「無感情の状態から始まって、千翼と関わるにつれて毎回いろんな変化がある」(白本)。アマゾンに育てられた千翼も、心に闇を抱え、自身が人間なのか、何者なのかを悩む役どころだ。白倉は、「千翼とイユの関係は、すごく大きな柱。悲劇をもたらしかねないほどに純粋な、ふたりの絆を描いていきます。人と人との純粋な思いが世界を揺るがすこともあるんだ、というのが大きなテーマだと思います」と明かしていた。
一方の続投キャスト陣も、劇中で5年が経っただけに、役どころが変化。S1ではひたすら悠を心配していた美月も、銃を取ってアマゾンと戦うようになる。対アマゾン組織・4Cの戦闘服に身をつつんだ武田は、「美月は、すごく成長してると思います。シーズン1では私も戦いたいと思っていたので、うれしいです」と、喜びを噛みしめていた。
仁と七羽に関しては、「予告編や製作発表会に出ること自体がネタバレ」(谷口)と話すにとどめられた。この日に品川駅で職務質問を受け、「職業は仮面ライダーです」と答えて切り抜けたという谷口。しかし千翼/アマゾンネオの話題になると、「早く主人公を殺したい! 早く主役に返り咲きたい!」「ジュノンボーイで仮面ライダーですよ? 殺したいに決まってるじゃないですか!」と、完全に狩りのモードに。パワーアップしたアマゾン(ニュー)オメガについても、「俺だけS1のままで……。そもそも七羽さんからもらったベルト、どこやったんだよ! バイクも返せ! あれ、どう見ても俺用だろう!」と藤田に迫り、会場の笑いを誘っていた。
最後の挨拶で谷口は、「みなさんに、とんでもないものを見せられます。『アマゾンズ』を倒すのは、『アマゾンズ』だけだと、心から思いました」とコメント。白倉も、「続編を作るのはすごく難しいもので、ちゃんと根底から考え直してゼロ構築するくらいの気概や覚悟がないとできません。今回はS1を敵だと思って作りましたが……脚本の小林靖子さんは実際にシーズン1がだんだん憎くなってきたそうです(笑)。関わっている全員が過去の自分を超えた結果、『こんなに面白いものが……』と思えるものになりました」と、改めて完成度に自信をにじませていた。
「仮面ライダーアマゾンズ」シーズン2は、4月7日よりAmazonプライム・ビデオにて配信スタート。全13話で、毎週金曜日に新エピソードが更新される。SPICEでは、水澤美月役・武田玲奈さんのインタビューも後日掲載予定なので、ぜひ注目してほしい。
公式サイト http://www.superhero-year.com/amazons/
©2017「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 ©石ノ森プロ・東映
レポート・文・撮影:小林真之輔
2017年4月7日よりAmazonプライムにて配信開始