ホリエアツシのロックン談義 第2回:go!go!vanillas・牧達弥 & My Hair is Bad・椎木知仁

2017.4.24
インタビュー
音楽

牧達弥(go!go!vanillas)、ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)、椎木知仁(My Hair is Bad) 撮影=西槇太一

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無事、第二回目を迎えます僕・ホリエアツシの対談連載企画『ホリエアツシのロックン談義』。今回のお相手は1月リリースのシングル「おはようカルチャー」に僕がプロデューサーとして関わったgo!go!vanillasからVo,G牧達弥君、縁あって僕・entの「Autumn Nightmare」のMVに出演してもらったMy Hair is BadのVo,G椎木知仁君です。二人とは10年以上歳の差のあるバンド世代。だけどそれぞれ一対一で飲みに行っても自然とアツい話も下世話な話もできてしまう。今回もそんな乗りで、三人で乾杯から始まり、バンドを始めた青春時代のバックボーン的な話から、今音楽に向かう姿勢、詞の書き方に至るまで、お酒の席では敢えてなかなか話す事のない内容になりました。そして6月には対バンツアー『BROKEN SCENE TOUR 2017』に両バンドに出演していただきます。  ――ホリエアツシ

――不定期連載『ホリエアツシのロックン談義』、今回は後輩バンドを招いての第2回になりますね。

ホリエ:2人は25と27(歳)だっけ?

椎木:はい。

:そうですね。今年28になります。

ホリエ:(椎木と)ここで一回り違うからねぇ。未年でしょ?

椎木:未の代で、早生まれなんで申です。

ホリエ:あ、じゃあ一回り以上違うんだ。

椎木:すいません、そんなクソガキにいつも飲みとか付き合ってもらっちゃって。

:ね。

ホリエ:最近もよく飲みは行ってるの?

椎木:そうですね。ポリープ取ってからは結構行ってます。

ホリエ:ポリープ取ってから2回目くらいの飲みが一緒だったんだよね? (椎木に)entのMV(「Autumn Nightmare」)に出てもらったときに一緒に出てたモデルの田中真琴ちゃんの舞台を、2人で観に行って。

:へえー!

椎木:席が2列目くらいでしたよね。

:近っ! それ、知り合いだとまあまあ恥ずかしい奴じゃないっすか。

ホリエ:そうそう。ど真ん中の2列目に男2人で。

椎木:しかもどんでん返しゼロの、ど直球ラブストーリー。みんな幸せになって終わるっていう。

ホリエ:青春だねぇ。

椎木知仁、牧達弥、ホリエアツシ 撮影=西槇太一

 

他のバンドの中に入って一緒にやることで自分にも生かしていける

:そういえばあのMVって、どういう経緯で出ることになったんですか。

ホリエ:それは、監督がマイヘアのMVに携わってる人で、その人から「他の人のMVに出たいって椎木が言ってた」って聞いて。

椎木:(監督に)「芝居とか興味ないの」って聞かれたんで「一度だけ出させてもらったことはあるんですけど、楽しそうですよね」みたいなことをチラッと言ったらそれを拾ってくれたみたいで。まずクリープハイプのMVでボロボロになっていくバンドマンの役をやらせてもらって、それが楽しかったなと思ってたら、まさかのホリエさんから誘っていただいたので「やらせてください!」と。

ホリエ:クリープハイプの役はちょっと3枚目っぽい感じだったじゃん。entのMVではゴリゴリに爽やかな役を演じてもらった(笑)。

:ですよね! 俺も思ったんですよ。

椎木:そのときのホリエさんの仏エピソードが一個あるんですけど……監督からパステルっぽい色の衣装にしてほしいって言われてて、どうしよう?と思ってたら、当日ホリエさんが「ちょっと挨拶行くわ」って朝6時くらいに集合場所まで来てくれて。全身コーディネートした衣装を持ってきてくれたんですよ。

:……マジっすか! ホリエさんが?

ホリエ:(静かに頷く)

椎木:タグ付きの新品みたいなやつと、「これ俺のだけど」とか言いながら履かせてくれて、その衣装で全部録ったんですよ。

ホリエ:いやぁ、不安もあって。監督が女の子っていうのもあったし、(椎木を)どういう風にしてくれるんだろう?みたいなさ(笑)。

:ああ、それは確かにあるかもしれないですね。

ホリエ:アーティストとしてのイメージってものがあるじゃん。それすらもぶっ壊してきたらどうしよう?っていう不安がちょっとあったから。

:監督の中ではどういう設定だったんですかね?

ホリエ:たぶん意外性というか、綺麗な、普段あまり見せないクールな面をみせたかったのかな。

椎木:そう。だから、久しぶりにアイロンとかあてていきましたからね(笑)。……で、僕はホリエさんが(バニラズの)プロデュースに入るってニュースを見たとき、「マジですか!」ってなったんですけど、バニラズとストレイテナーは長いんですか?

:いや、でもちゃんと話したのは……

ホリエ:(柳沢)進太郎が入った頃ぐらいかな。

椎木:ライブで出会ったってことですか?

:うん。最初はイベントとかで対バンしたときに挨拶する程度だったんだけど、俺らはもともと好きだから緊張してて。

椎木:そこからどうやって「次作のプロデューサーはホリエアツシだ」ってなったんですか。

:もともと俺は、プロデューサーを迎える場合、いかにもプロデューサーみたいな人は嫌だと思ってて。きっと仕事感が強すぎちゃうし、自分の曲にもこだわりがあるから避けてたんだけど、自分たちで曲を作っていく中で新しい刺激として誰かとやってみようという話になって。そうなったときにうちの事務所の社長もテナーをすごく好きだから、「ホリエさんはどう?」という話になって。ホリエさん、バンドのプロデュースとかしていないし普通に無理だと思ってたんだけど、聞いたらOKしてくれて。

ホリエ:オファーをもらったのが去年の夏、フェス前くらいで。『ROCK IN JAPAN』で同じ日に出た後、こっちに帰ってきて近所でサシで飲みながら、ちゃんと音楽的なルーツとかの話もしたら意外とハモるっていうか。バニラズって真っ直ぐなロックンロールバンドのイメージだったけど、ちゃんと掘り下げて話すと洋楽の好きなラインとかセンスの部分で通じるところがあった。じゃあもっと洋楽っぽさを出していけたらいいね、とか、俺が関わるからにはシンセを入れようっていう話をして。

:それもずっとやりたかったことだったから。でも俺らはシンセに対する知識がないし、音色も無限にあるじゃないですか。だから本当に楽器を始めたころみたいな感覚で、「すげえいい曲だな、なんの音なんだろう」くらいにしか思えなかったんです。ギターだったら「これはファズでフェイザーかけてるな」とか分かるけど、シンセはまったく分からないから手を出してなかった。そこを、音楽的な部分、音の選び方とかも、ホリエさんはすごく俺の好きなことをテナーでやってたから、これならピタッとハマりそうだなと思ってやってもらったらもう、まさに!っていう感じ。

ホリエ:シンセポップとかHIP-HOPなんかも好きだって言ってたし、普段聴く音楽は打ち込みも多いって聞いたから、打ち込みまで視野に入れてレコーディングエンジニアを斡旋したんだけど、そこまでやっちゃうと(ジェット)セイヤがね……?

椎木:あ、ですね。

:もう、ジェットセイヤがただのセイヤになっちゃうから(笑)。でも、あれから本当変わりましたよ、レコーディングが。自分でやる楽曲のウワモノ系なんかも結構こだわるようになって。

ホリエ:こちらからしても、他のバンドの中に入って一緒にやることで、そのあと自分にも生かしていけるんだよね。

ホリエアツシ 撮影=西槇太一

 

牧の擬音はよく分かんない

椎木ストレイテナーはプロデューサーを入れた経験はあるんですか?

ホリエ:それが一回も無くて。自分たちがそうだから、バンドって個性もあって関係性もあるし、それを部外者がまとめてプロデュースするのって大変だろうな、すごく気を使うだろうなと思ってたし、自分にできるかな?とも思ったんだけど……まあ、なんというかフワッと居るだけでいいかなと(笑)。

椎木:「フワッと居るだけでいいかな」(笑)。

:そこも仏だった。絶妙な存在感の出し方をしてくれたから。もし「ウイィ!!」って感じで来たらこっちも「ウッス!」ってなるけど、スタジオでも「フッ」と出てくる時と、それ以外は「スッ」と下がる感じの……

ホリエ:牧の擬音はよく分かんないんだよ、いつも(笑)。

――きっと文章にしたら全然わからないですね、これ。

:あはははは(笑)。すいません、本当。……レコーディング中もさ、めっちゃ擬音が多いわけよ、俺。

椎木:「もうちょっとそこをキュッとして」みたいな?

:そうそう、まさに。

ホリエ:あれ何だっけ? ベットリだっけ?

:そう。レコーディング中に「なんかボーカルがベットリしてるんですよねぇ」っつって。自分の声が。で、ホリエさんの紹介で初めてのエンジニアさんなのにいつもの感じで言っちゃったから「う~~~ん……その擬音、もうちょっと教えてもらっていい?」みたいな(笑)。

ホリエ:菅井(正剛)くんっていう、entのプロデューサーみたいな存在のエンジニアで、結構ポーカーフェイスっていうか、無愛想で寡黙で。デカくて、坊主で無精ヒゲとか生えてる人なんだけど。

椎木:そこに牧さん、「ベットリしてるんすよねぇ」って?(笑)

ホリエ:そう。「んー……。……ベットリってどういうことですかね、ホリエさん?」って俺が聞かれる(笑)。

椎木:でもなんか、言いたいことは分かる気がしますよ。擬音で言いたくなっちゃう感覚というか。

:帯域とかわからないし数値で言えないじゃん。感覚で伝えるしかないからさ。

椎木:俺もモニターの音をもらう時とか、「もうちょっとパコッとした音で」とか言っちゃいますね。

:分かる! パキッとかね。

ホリエ:パキッは分かるけどパコッは分かんない(笑)。

椎木:そういえば(「おはようカルチャー」の)3曲目、カバーをしてたじゃないですか。あれはどういう……和田アキ子でしたっけ?(※編集部注・加藤和彦/北山修「あの素晴しい愛をもう一度」のカバー収録)

:……和田アキ子?

ホリエ:……?

椎木:……?

:……いやいや、アッコさんは「あの鐘」だろ!(一同笑)

ホリエ:「あの」しか合ってない(笑)。

椎木:すいません(笑)。あれはなんでだったんですか?

:俺、フォークとかすごく好きだから、シングルでは毎回カバーをやっててその一環なんだけど。

ホリエ:バニラズはカバー力があるよね。とりあえずやってみた感じとは全然違う。俺はカバーをやるっていうのは先に聞いてたから、「え、あんなコテコテに昭和な曲を?」って思ったんだけど。合唱コンクールとかで聞いたような曲というかさ。

:そうそう。みんな小学校の時に歌ってたような曲ですよね。(椎木に)歌ってた?

椎木:いや、僕は歌ってなかったですね。知ってはいましたけど。

:マジで? 教科書とかに載ってなかった? ……あ。学校行ってなかったのか。

椎木:いやいや(笑)、ちゃんと推薦とかで高校行ってましたよ。大学も一応推薦をいただいて。

ホリエ&牧:へえ~~!

牧達弥 撮影=西槇太一

 

爺ちゃんの血を継いでればきっと大丈夫だ

椎木:でも、行かなかったんですよ、大学は。入学金だけ払っておいて行かなかった。

ホリエ:それはなぜ?

椎木:「もし大学を卒業したら、そのときはバンドやるとか絶対に言うなよ」って母親に言われたんですよ。「もし本当にバンドやりたいんだったら、大学行くのとか辞めれば」と。

:おおー。逆にそうやって言うってすごいっすね。

ホリエ:俺は逆パターン。「大学に行くんじゃなければ東京には行かせない」。

:あ、そうそう。俺も一緒です。

ホリエ:九州の親はそうなるのかな(笑)。ただ、地元でいうと椎木の場合、複雑だからね。

椎木:2人目の父親が転勤族だったので、色々なところに行ってて。

:ずっと新潟ではないんだ?

椎木:新潟は小6のときに初めて住んで、中1が茨城で、中2でまた戻って。それまでは基本ずっと東京にいたんですけど、青森とかにも住んでたみたいで。あまり記憶にはないんですけど。

ホリエ:ぶん回されてたんだ。

椎木:そう、ぶん回されてて(笑)。そういえばこの間、バンドやってたおかげで久しぶりに実の父親に会って知ったんですけど、青森の父方の爺ちゃんが小説家になりたかった人らしくて、めちゃめちゃ原稿が溜まってて。そのエピソードに必ず孫が出てくるんですけど、それが全部僕の名前だったんですよ。

:え、やば。

椎木:それにすごくグッときて。だから爺ちゃんの血を継いでればきっと大丈夫だと思いました。僕も文章とか書くの好きだし、嬉しかったですね。

:本とか出してる人ってこと?

椎木:地元の新聞に毎回送ってて、それが2回くらい載ったことがあって、みたいな。でも、独特なんですよ。題名が『馬糞』とか(一同笑)。なんかね、僕を動物園に連れて行くんですけど、「見てー、馬のうんちだよ」みたいに僕が言うと、その匂いによって主人公の爺ちゃんが子供の頃を全て思い出すっていう、それを描写していくストーリー。

:すごい。

ホリエ:これは書くしかないね。馬糞の曲を。

:シングルでいこう。それが出た瞬間、俺も椎木の爺ちゃん思い出すから。

椎木:(笑)。……って、大丈夫なんですか、こんな話で。

椎木知仁 撮影=西槇太一

 

すっげえ地味だったから、対バンとの関わりとかも全然なかった

――大丈夫なんですけど半分くらい書けない話だったので(笑)、一回戻しましょうか。

ホリエ:そうそう。聞きたかったのが、2人がバンドを始めたきっかけ。

:はじまりは……中学校のときの友達が高校入る前にバンドを始めてて、ライブしてたんですよ。それを観にいって「めっちゃ楽しそうだな」と思ってたから、高校2年くらいのときに僕とプリティと、共通の知り合いだったドラムのやつと3人で、コピバンを始めたんです。ただ自分たちが好きなアーティスト、それこそストロークスとかやってて。

ホリエ:へえー!

:でもまわりはみんなハイスタとかハワイアン、B-DASHとかをカバーしてる感じだったから、みんなストロークスとかを全然知らなくて。大分で田舎だしヤンキーが多いから、やっぱそういうパンク系をやるんですけど、どっちかっていうと俺らは初期パンクの方が好きで……ラモーンズとかそっちに行って。はじまりはそこですね。

ホリエ:「バンドやりたい」っていうやつが先に始めてたんだけど、ガチの音楽好きの牧たちが始めたら、方向性が地味だったんだ(笑)。

:地味でしたねぇ、本当。すっげえ地味だったから、対バンとの関わりとかも全然なかった。

椎木:え、牧さんが悪かったから怖がられてたとかじゃないんですか?

:違うわ(笑)。健全よ、すごい健全だった。ちゃんとノルマとか払ってたし!

椎木:いや、全然説得力ないですよ。最強だったっていう話しか聞いたことないですもん(笑)。

:何もない!(笑)

ホリエ:そのバンド始めたときの方向性が地味っていうのは、一緒だよ。まずいきなりオリジナルから始めたから。“バンドやろう集団”じゃなくて、最初からプロを目指してる拗らせたやつら(笑)。そこからはじまってティーンズのコンテストとかに出て、見つけてくれる人は見つけてくれて……なんか、演歌をめちゃめちゃハードロックにしてやってる人たちがいて、「与作」とかを。パフォーマンスも怒髪天みたいな感じで、超絶上手くてかっこよかったの。その人たちから「いいね!」って言ってもらえたりとかはあったけど、縦のつながり方とかよく分からなかったし、すでに東京に行くっていうのも決めてたから。

:それって何歳くらいのときですか?

ホリエ:高校時代。

椎木ストレイテナーの結成はいつなんですか?

ホリエ:結成したのは東京に出てからなんだけど、(ナカヤマ)シンペイとは高校時代から一緒で、2人だけ東京に出てきて。

:でもすごいっすよね、最初が2人スタートっていうのは。

ホリエ:2人スタートは本当、苦肉の策で。とりあえずライブやらないと仲間も集まんないし、自分たちの音楽性に共感してもらえない限り、最初から「こういうのやりたいです」ってメンバー募集してもそんなに高望みできないなぁと思ったから。まずやりはじめようと思って。

椎木:でも、2人の頃から(バンドの)調子よかったんですよね?

ホリエ:いや、最初はもう全然。SHELTERのオーディション落ちて「なんでっすか」って盾突いたりとか(笑)。屋根裏とかでノルマを払いながら、カセットテープ売ったりして2年ぐらいは地道にやったけど客は増えなくて、初めてCDを出せたのが大体2年ぐらいやった頃で。CDさえ出せば状況変わると思ってたけど……インディーズブームだったから同世代のパンク勢はもう5万10万とか売り上げてた頃だから、俺たちもパンク寄りなギターロックをやってて、出したら全然で、1000枚も売れなくてっていうスタート。

椎木:でも1000枚も売れないっていっても、それって売れてますよね。

:だってまだ大学のときですよね?

ホリエ:そうだね。ギリ大学のとき。で、卒業して音楽を続けますってなったとき、インディーズでCD出してたことで、なんとか親も説得できたみたいな感じになった。

椎木:2人のとき観てみたかったですね。

:ね! その当時、めっちゃ斬新だったんじゃないんですか? 2人でって。

ホリエ:二人でブルースガレージみたいなことやる人たちはいたけどね。俺達はそうじゃなかったから、ハタから見たら「どうしたの?」っていう(笑)。ライブではギターにオクターバーで低音出して、ひたすらコードを弾いて歌ってて、レコーディングはベースに代わる鍵盤を入れたりとかしてたんだけど。

:ロイヤル・ブラッドみたいな感じですね。あれはベースだけど。

ホリエ:あ、ロイヤル・ブラッドはそうだね。あとはジャッパンドロイズっていうバンドとか。

:途中で(メンバーを)入れようってならなかったんですか?

ホリエ:もう開き直ってたから高望みが半端なくて。人間的にも癖あるし、頑固だし。

:そう。僕も出会ってからこうやって話すようになったのは最近じゃないですか。だから、“この”ホリエさんしか知らなかったんですけど、この間のシングルでもインタビューとか受けると、ライターさんから「あのテナーじゃん」とか「よく受けてくれたよね」みたいな、結構怖いっていうイメージが……

ホリエ:ある?

:あるらしくて(笑)。だから「レコーディングのときとかヒリついたりしないの?」とか周りに聞かれて。いや、全然!って。でも聞くと、若いときには中指突き立ててる感じだったっていうから。

椎木知仁、牧達弥、ホリエアツシ 撮影=西槇太一

 

想像の世界の言葉を使ってリアルを伝えてる

ホリエ:中指は立ててないけど(笑)。自分ではあんまりわからないんだけど、インディーズでも縦の流れをあんまり経験してないし。八王子がぬくぬくしちゃってたから。

椎木:へえ! その頃とかもう、鉄拳制裁的なイメージが。

ホリエ:それがちょうど終わったぐらいの世代なんじゃないかな。八王子は一個のライブハウスにすごい色んなジャンルのバンドが集まってて、普通は上下関係ができるとしたらジャンルごとで分かれるじゃん。パンクとかビジュアル系とか。でもパンクバンドもメタルバンドもギターポップも、世代を越えて全部が一緒のところでやってたから、みんな仲良くなっちゃって。……椎木はどうだったの? バンド始めたのは。

椎木:僕は野球をずっとやってたんですけど、中学に上がるタイミングで、もう坊主にするのが嫌で。ORANGE RANGEが流行ってる頃で、みんなギターとか興味を持ち出してたからそのタイミングでギターを始めて。で、中学までは野球も続けてたんですけど、高校入るときに「もう俺は坊主にするわけにはいかない」と思って、何か野球をやめる理由を考えなきゃっていうときに、「バンドだったらいいんじゃないか、モテそうだし」って中3から始めたんです(笑)。ちょうどその頃、それこそテナーとかエルレとかの存在に気づいて、「あ、バンドってこういうことなんだ!」と。そこから高1でライブハウスで初ライブしてっていう感じですね。

:早いね!

椎木:コピーバンドでしたけどね。ストレイテナーとかELLEGARDEN。

ホリエ:その頃からベースは一緒なんだっけ。

椎木:はい。高1から別のバンドで一緒で、高3の最後にMy Hair is Badが3人で初ライブして。そのときストレイテナーの「REMINDER」のコピーをやってたっていう……それがこの奇跡。やばくないですか。

:すごいよなぁ。

ホリエ:なんか恥ずかしいけどね。

椎木:いやもう、嬉しいし信じられない話じゃないですか。いまは完全に優しさに甘えちゃってますけど(笑)。

ホリエ:でもあの歌詞を書くやつが俺の歌詞を歌ってたと思うと、それもすごくない?(笑)

椎木:いやいやいや、ちゃんと<堕天使>言ってましたよ!(一同笑) 「<瓦礫の下のピアノ>かぁ、イケてんな」って(笑)。

ホリエ:やめろぉ! (ストレイテナーは)ファンタジーだもんね。マイヘアはファンタジーとは真逆だからさ。

椎木:そうですね。今はこうなっちゃいましたね。

ホリエ:牧はちょっとファンタジー寄りだけどね。

:うん、ちょっと妄想というか。入ってますね。

椎木:バニラズって詞もいいですよね。

:……あざす! 俺は結構混ぜてますね、リアルと妄想と。生の言葉を操るって結構ムズくて、そこをマイヘアはすごいじゃないですか。

ホリエ:誰が見ても分かる言葉でね。

:そう。それを正面からするのは、俺は自分のやり方とは違うなと思ってて。一人っ子っていうのもあってか妄想しがちだし、曲を作るときにもまずストーリーを全部作るんですよ。だから大体がメルヘンというか(笑)、想像の世界の言葉を使ってリアルを伝えてるかもしれない。僕は絶対曲を先に作るので、先にメロディを作っちゃってそこにどんどん言葉をあてていきます。

ホリエ:曲から意味付けしていく感じだよね。一緒だな。

椎木:語尾の合わせ方とかも、キレイだけどちょっと独特ですよね。なるほどなって思うことはあって、バニラズっぽさというか。そんな気はします。

ホリエ:そうだね。俺とか牧とかは現実逃避型だと思うんだけど。(椎木は)現実直視型の歌詞を書いてるよね。音楽によって違う人間になろうとしてないっていうか。

椎木:なるほど。確かにそうかもしれないですね。……なんでこうなったのかがよくわからないんですけどね。結局はそれが合ってたんだろうな。

:パンクスだよね。

椎木:そう言われるほどかっこよくないとは思うんですけど(笑)。

:音楽をツールにして自分の思いとかを叫ぶっていうさ。

ホリエ:フォークとかブルースにも通じるよね。

:そうそうそう。

椎木:なんか、音楽だけでは無理なんじゃないかって思う瞬間が結構あって。だから言葉の力も使って、なんとかせにゃならんなっていう気持ちが強いかもしれないです。

:なんとかせなっていうのは?

椎木:(聴き手を)納得させたいというか。ライブの本数も多かったから……音楽だけじゃ足りない、こんなにライブやって酒も飲んで声も出ないのに、どうしよう?みたいに思ってたんです。違う何かでアピールしないとって思ってから、こういうライブのスタイルになりましたね。

:それはいつから?

椎木:インディーズデビューしてツアーを回り出してからですかね。1枚目なんかはもっと形のわかる歌詞になってたと思うから、その後ライブのスタイルもすっごく変わったし。

ホリエアツシ 撮影=西槇太一

 

なんだよ、メジャーの奴らはすぐアンプとか買いやがって

ホリエ:マイヘアの、ライブで語りから曲に入っていく流れあるじゃん。あれを最初に観たときは衝撃で。

:あれ……噛まないの?

ホリエ:噛まないよねぇ。噛んだとしてもなんかワザとみたいに見せるっていうか。

椎木:そうそう(笑)。なんか、「今日これ言おう」とか考えてると噛むんですよね。そういうときでも「だから何?」って感じで開き直っていくんですけど。

ホリエ:いや、すごかったんだよ。去年の『百万石音楽祭』で初めて観たんだけど、まだ今ほど認知度もなくて、期待してる人たちは前の方にいるけど「なんとなく名前聞いたことあるな」くらいで傍観してる人たちもいる中で、「フロムナウオン」の前に他のバンドの名前をバーっと挙げていって「今は、俺たちだ」みたいな語りをして。

:噛み付いたんすか!

ホリエ:そう。そのときに一回客がドン引いて、ステージからすごい引いていく風が目に見える感じになって(笑)。どうするのかな?って思ってたら、「……あれ?」って言ったんだよ(一同笑)。「決まった!」っていうかっこいい瞬間だったのに、サーっと引いていって、「あれ?」って。そのときにめっちゃ良いなと思った。

椎木:いやぁ恥ずかしいっすねぇ……(苦笑)。そのときもホリエさん、「移動で観れないかもしれないな」とか言ってたのに観てくれて、インスタに上げてくれてて。「……仏!」ってなりました。

ホリエ:そのサーっと引いた後、なんとか挽回したときの写真だね(笑)。

椎木:あ。「風が通り過ぎていくようだった」って書いてくれたの、そういう意味だったのか!(一同笑)

:いいなあ、それ。俺はたしかグッドモーニングアメリカの企画で大阪のBIGCATに呼ばれたときに、マイヘアを初めて観たと思うんですけど、全然知らなかったし「どういうライブするんだろう」って観てたら、ガムシャラな伝えたい気持ちみたいなものが一方的にガーッて出てるなって感じたんですよ。でもその後、オーラルの対バンで一緒だったときには対話ができるようになってて。それを見たときに「あ、これはもう何をやっても大丈夫な空気を作ったな」って思いましたね。

ホリエ:へえー! それはすごいな。

椎木:実は前にもバニラズとは何度か一緒になってて、確か一度、新潟のLOTSでも一緒だったことあって。……そのときアンプ買ってなかったですか?

:買った買った! ircleとか出てた時でしょ?

椎木:はい。そのときは俺もツンケンしてる頃だったから、牧さんが「なんかさ、今ハードオフでアンプ買っちゃったんだよ~」みたいな感じでircleとかとしゃべってるのを見て、「チッ、なんだよ。メジャーの奴らはすぐアンプとか買いやがって」みたいな……

ホリエ:はっはっはっは!(爆笑)

:いやいや、あのアンプ使ってるから! 今でもめちゃめちゃ使ってる。……いやあ、見られてたぁー(笑)。でも、すごい安かったんですよ。ランプだけ切れてたんですけど、それを言ったらめっちゃ安くしてくれて、さらに「このアンプで武道館でライブやるんで、お願いします」って言ったらスッと値段を書き変えてくれて。

ホリエ:マジで!?

椎木:え、ハードオフで値切ったってことですか? 半端ねえ(笑)。っていうか、ハードオフって値切れるんですね。

:値切れたんだよ。店長に言ったら。

ホリエ:それは逸話だなぁ。“ハードオフ値切り”(笑)。

:しかもレシートに「これでいい音鳴らしてください by店長」みたいに書いてくれて。

椎木:えー!! 粋!

:あれから行けてないんですけどね……。

ホリエ:そのうち企画組もうよ、恩返しツアー。

:ですね! ぜひ。

牧達弥 撮影=西槇太一

 

一つのことをずっと続けて更新し続けている人を見るとやっぱりかっこいい

――ツアーといえば、ストレイテナーのツアーで対バンが実現しますけども。その前に、せっかくの機会なんでホリエさんに聞いておきたいこととかあります?

椎木:本当は、載せられないようなことばっか聞きたいんですけどね(笑)。

:ね。……でも、いま何を考えてるのかは聞いてみたいですね、次作の構想とか。僕らもいまちょうど制作時期なんで。僕らもマイヘアもまだアルバムが2枚とか3枚だから曲数も少ないじゃないですか。でもホリエさんたちの世代って、もう何枚もアルバム出していて。そこで何を表現するかとか、自分の好奇心みたいな部分を保ち続けるにはどうしてるのかなって。

ホリエ:葛藤はあるけどね。ガラッと変えたい気持ちもあるし。でも今はメロディ作りの調子がいいから、ちゃんと歌もので勝負できるというか、もっと書きたいっていう気持ちもあって。

椎木:小まめに周りのバンドも聴くんですか。

ホリエ:そうだね、気になったら。……でも、結果的に4人でアレンジしていくとやっぱりバンドの音になっていくから、すごい歌ものの曲を作ったつもりでもオルタナティヴなアレンジになっていく。そのへんが助かるというか、自分の大事にしたい部分だけ伝えておけば、あとはバンドらしい方が面白いかなと思ってる。

:ホリエさん、洋楽好きじゃないですか。洋楽のいいところを自分の音楽に落とし込んで表現したいっていう考えがあると思うんですけど、そこと日本らしさみたいな要素のバランスって、長くやってると崩れないのかな?って思うんですよ。自分の目線と世間の目線ともいえると思うんですけど。

ホリエ:4枚目の『LINEAR』っていうアルバムのときにピアノとかシンセでエレクトロの要素を取り入れて、あれで結構崩れて。自分たちの中では当時それが旬で、取り入れずにはいられなくて、かといって誰かそのジャンルの人の力を借りるでもなくて――自力でロックと融合させようとしたら、アルバムのイメージとしてはどっちつかずになっちゃって、ロックのファンが引いちゃう、みたいな。それまで3ピースでストレートなギターロックをやってきて、ガムシャラなライブをしてた奴らが、急に打ち込みの音入れてきたぞって。「こんなの思ってたのと違う」みたいなリアクションもあったりしたよ。

椎木:あれはあえて崩したわけではなかったんですね。

ホリエ:うん、そのときはやりたいことをやってるから、遥か頭上にあるものを掴もうとする感覚だったんだと思う。でも、チャレンジしたことは良かったと思ってて、結果としてファンは少し離れちゃったかもしれないけど、経験値としては良かったなって。

椎木:バンドマン側からしたらかっこよかったですけどねぇ。

:でも、不思議じゃない? それが「らしくない」って言われるって。そもそもバンドはギターとベースとドラムじゃなきゃいけない、みたいな空気がさ。

椎木:僕はそこは結構、頭が固い側というか、どちらかといえばずっと何かを続けてる方がかっこいいなって思う性質でもあるんです。その「なんで変わっちゃったんだ」って思う瞬間は僕にもあるし、そっちの気持ちもわかる気はしますね。そう考えるとやっぱりバランスの取り方ってどういう風にしていったらいいんだろう?とは思う。興味が湧くこともいっぱいあるし。

:変わらないことってある意味、成長してないっていう可能性もあるわけじゃん。

ホリエ:考え方だよね。自分の中の世界を表現し続けることでどんどん研ぎ澄まされていくっていうこともあるし。俺は、自分の影響を受けてきたバンドがレディオヘッドみたいな作品ごとにどんどん変化して行くような、そういうバンドだったから、変わって当たり前っていう意識があったんだけど、それって当たり前じゃないっていうことに後から気づいたんだよね。だから一つのことをずっと続けて更新し続けている人を見るとやっぱりかっこいいし、そういう人の方がもしかしたら本当に実力者かもしれないっていう考え方もあるよね。

:確かにそうですね。でも、変わっていくことで先を見せてくれるというか……新作が出たときに、こっちが楽しみにしてる要素もあるけど、何か違った要素もしっかり出せてるバンドって強いなって思うんですよ。

ホリエ:こっちの耳を引っ張ってくれるというかね。

:はい。落ち着かせるだけじゃなくてちょっとハラハラするんだけど、ずっと聴いてたらそれがすごく良いって思えるっていうか。長く続けていくとそこが減っていっちゃうんじゃないかって、不安なんですよね。

椎木知仁 撮影=西槇太一

 

「この人だったら何やってもかっこいい」そういう人になりたい

椎木:バンドとして変わっていく瞬間に大事なことって、人……「この人だったら何やってもかっこいい」って思える瞬間ってあるじゃないですか。そういう人になりたいなっていうのは強く思いますね。だから僕、エレファントカシマシとかすごくかっこいいと思うんですよ。

ホリエ:確かに。エレカシってすごく長い歴史の中で見たら一つのことをやっているようにも見えるんだけど、時期とか曲によっては全然違うもんね。

椎木:新曲とか、「え!」って思う瞬間がありますよね。こういうのもやるんだって驚かされる。

――曲ごとや作品ごとの色が違っても、長いスパンで見ると一つの流れに見えるっていう意味では、ストレイテナーもそうだなと思います。

椎木:確かに。どの時期の曲もテナーの音だなって感じますもんね。

ホリエ:うん。ただその中でも「あの曲やりたくない」みたいな時期ってくるんだよね……(2人に)もうあるでしょ?

:……あります(小声)。

ホリエ:(笑)。

:結構、昔の曲はやりたくなくなる派ですね。

ホリエ:それが10年とか経つと、また大事になるんだよね。やっぱり10年ファンでいてくれる人がいると、ファンの人も俺たちと一緒でどこかで飽きてるタイミングがあると思う。だけど、そこからまた戻ってくるというか、大事な曲として、さらに新しいファンにも伝えていかなきゃいけない要素として、やるようになるんだよ。嫌じゃなくなる。

椎木:今の、「俺たちと一緒で飽きてる」っていう言い回し、すごい腑に落ちました。

ホリエ:イベントとかで律儀に毎回「Melodic Storm」をやることに対して、中には「もういいよ、「Melodic Storm」はやらなくて」とか書く人もいるんだよ(笑)。それで一回、俺たちもフェスとかでやらなくなってたんだけど、結局またやるようになったからね。

:いないと寂しいんですよね、いるのが当たり前になっちゃうけど。

――では最後に、『BROKEN SCENE TOUR 2017』に向けて一言頂いて締めましょうか。

ホリエ:本当はみんなで一緒にできる日があったら良かったんだけどね。それぞれ、楽しみにしてることとかある?

:バニラズは青森からなので、椎木のお祖父さんに……『馬糞』に想いを馳せながら――

椎木:(笑)。

:とにかく楽しみです。

ホリエ:青森ではライブしたことあるんだっけ?

:めっちゃ昔に一回だけあります。乗用車のレンタカー借りて4人で、ノーマルタイヤで2月の青森に。

椎木:2月でノーマルはマズくないですか。

:もう、高速の降りるところでアイスバーンになってて、マリオカート状態だよ。そのときの車内のBGMがボブ・マーリィっていうね(笑)。

ホリエ:『クール・ランニング』っていう映画を思い出すね。

:マジでそんな感じでした。その思い出があるんで、事故だけは無いように……。

ホリエ:6月はもうあったかいから、そこは大丈夫(笑)。マイヘアは3箇所だよね。

椎木:大阪、岡山、熊本ですね。……客観視したら、ストレイテナーと対バンができるって、なにかある種の達成した感があって。My Hair Is Badとしてみても、初めてコピーしたバンドのツアーに出れることはすごく光栄なことだと思うので、とにかくいいライブがしたいですね。……うん。本当に、しょうもないことはしたくないです。

ホリエ:しょうもないこと? またサーっと引いてく風を起こすとか?

椎木:いやいやいや(笑)、でもドキドキしますねぇ。

:イベントとかじゃなくて2マンていうのが嬉しくない?

椎木:ね、そうですよね。だから、3公演とも毎回勉強させてもらって……夜も。

:そう、夜もね(笑)。


取材・文=風間大洋 撮影=西槇太一

牧達弥、ホリエアツシ、椎木知仁 撮影=西槇太一

ライブ情報
ストレイテナー BROKEN SCENE TOUR 2017
6月9日(金)青森 Quarter open 18:30 / start 19:00
with go!go!vanillas
6月13日(火)愛知 名古屋 CLUB QUATTRO open 18:00 / start 19:00
with きのこ帝国
一般発売日:4月29日(土) 
6月15日(木)東京 渋谷 CLUB QUATTRO open 18:00 / start 19:00
with きのこ帝国
一般発売日:5月13日(土) 
6月18日(日)神奈川 横浜 BAY HALL open 17:00 / start 18:00
with go!go!vanillas
一般発売日:5月13日(土)
6月26日(月)大阪 梅田 CLUB QUATTRO open 18:00 / start 19:00
with My Hair is Bad
6月28日(水)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM open 18:00 / start 19:00
with My Hair is Bad 
6月30日(金)熊本 B.9 V1 open 18:30 / start 19:00
with My Hair is Bad
一般発売日:5月13日(土)

 *全公演 4,500円(税込・D代別)
*18歳以下当日身分証提示で500円キャッシュバック
 

go!go!vanillas presents READY STEADY go!go! vol.04
5月5日(金・祝) 赤坂BLITZ 
open 17:00 / start 18:00
◆出演者:go!go!vanillas / ストレイテナー
今年で4回目となるgo!go!vanillasの自主企画ライブイベント!
1F立見¥3,500(ドリンク別)/2F指定¥3,500(ドリンク別)
 

My Hair is Bad ハイパーホームランツアー
※終了分は割愛
5/ 4(木・祝) 日比谷野外大音楽堂 
5/11(木) 金沢van van V4 
5/13(土) 名古屋DIAMOND HALL 
5/20(土) 沖縄桜坂セントラル
5/25(木) 広島QUATTRO 
5/27(土) 福岡BEAT STATION 
5/29(月) 高松DIME 
6/ 1(木) 長野松本ALECX 
6/ 3(土) 仙台JUNK BOX 
6/ 6(火) 横浜F.A.D 
6/10(土) 宮崎FLOOR 
6/11(日) 小倉FUSE 
6/18(日) 新潟LOTS