セラミュー新作公演に新キャスト登場! セーラームーン/月野うさぎ役の野本ほたる&セーラーサターン/土萠ほたる役の未来 初の独占“Wほたる対談”
(左から)セーラーサターン/土萠ほたる:未来、セーラームーン/月野うさぎ:野本ほたる
2013年より毎年大好評を博しているミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、愛称セラミュー。昨年秋に上演された『ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」 -Amour Eternal-』では新生5戦士が誕生したが、今年も初々しい新戦士が発表された。セーラーサターン/土萠ほたる役の未来だ。セーラームーン/月野うさぎ役の野本ほたるをはじめとする他の9戦士は前回同様、タキシード仮面役にも5度目の出演となる元宝塚歌劇団宙組トップスター・大和悠河が登場する。
最新作のタイトルである「-Le Mouvement Final-(ル ムヴマン フィナール)」はフランス語で“最終楽章”という意味。秋の新作公演では、原作の第5期に準拠して最終章の戦いが描かれる。「もしかして愛と戦闘のFinal(フィナール)!?」と、囁かれるいま、意外や意外な“Wほたる”対談が実現した。お気づきだろうか? セーラームーンを演じるのは野本“ほたる”、未来演じるセーラーサターンは土萠“ほたる”。珍しい“Wほたる”だということを!
実はこの取材日が初対面という2人。ツーショット撮影で緊張いっぱいの未来を、「初めましての距離が出ちゃってる? もっとくっつこう」とやさしくハツラツと導く野本。すっかりセラミューの先輩になった野本だが、「昨年のわたしがまさにいまの未来ちゃん。だから、緊張の気持ちがすっごいわかるんです」と、セーラームーンらしい仲間思いの一面をのぞかせた。
未来×野本ほたる Wほたる対談
――野本さん、続投が決まった時はどうでしたか?
野本:純粋にすごくうれしかったです。昨年は初めてだったので、公演が終わってから、「あのとき、もっとできたんじゃないか」という反省がたくさんありました。本当に細かいことなんですけど……演技も、踊り方一つにも、もっとうさぎちゃんぽく、セーラームーンらしくできたんじゃないかと。だから、そこにもう一回チャレンジできることが本当にうれしい。今年に入って北海道公演がありましたが、昨年秋からすこし時間を置いたせいか、ちょっと落ち着けて、役に対しても作品全体にも客観的になれたし、新しい発見もありました。その新発見も今回の新作につなげられると思うとワクワクで、みんなでまたいい作品にしよう!という意気込みが湧いています。
セーラームーン/月野うさぎ:野本ほたる
――未来さんは初出演になりますが、いまの気持ちは?
未来:まだ現実味がなくて、いまでも信じられないです。すごくうれしいんですが、本当に自分にできるのかどうかと……。経験が浅いし、ミュージカルは初めてだしで、うれしさより不安が大きいです。オーディションに受かったと聞いてから、「どうしよう」と毎日不安で、毎日緊張しています。4月から学校生活が始まりましたが、勉強がなかなか頭に入ってこなくて。長いセリフが覚えられるかな、ダンスを間違えずにできるかな、歌が上手に歌えるかな……っていろいろ考えちゃいます。
セーラーサターン/土萠ほたる:未来
――お2人は今日が初めましてなんですよね。
野本:そうなんです。まだ初対面の距離感があるので(笑)、グイグイ近づいていこうかなと思います!
――未来さん、実際に野本さんに会ってどうですか?
未来:もう緊張! とにかく(野本さんが)細くてびっくりしました。
野本:でも、エネルギーはあるから!(笑)
Wほたる対談
――未来さんは2002年生まれですが、『セーラームーン』は知っていましたか?
野本:2002年!? ……どよめき!
未来:世代ではないので、最初は知らなかったんです。でも、周りの人にセラミューのことを聞いて、歴史ある作品なんだなあと知ることができました。そんなセラミューに出たいと思っていたけど、本当に出られるとなると緊張と不安でいっぱい……。いまは昨年のDVDを時間のある限り毎日見ています! どうしても自分の演じる役(セーラーサターン)に目が行っちゃって、(髙橋)果鈴サターンばかり見てしまって、演技も歌もすごく上手で焦ってしまって。でも、そこからたくさん勉強して、自分のいいところも出しつつ、“未来サターン”を自分のできる最大限でがんばりたいと思います!
――野本さんは、2度目の役作りはどんな意気込みですか?
野本:さらにもう一段階、いや、何段階も、うさぎちゃんに近づけるよう、もう一度ちゃんと向き合って作っていきたいと思います。初演は、目の前に必死すぎて余裕がなかった。2年目で多少余裕も……まだないとは思いますが(苦笑)、余裕がない中でもすこしは周りが見えるようになるかなと思うので、新しいキャストもいるし、カンパニー全体で素敵な作品にしたいです。
――改めて、野本さんの思ううさぎちゃん、そしてセーラームーンは、どんな役ですか?
野本:うさぎちゃんは、原作の漫画のままに、“泣く!笑う!怒る!”感情がすごく極端な子。さっきまで泣いてたのに、なんでもう笑ってるの?と、わけわかんないのに、セーラームーンになると強い。なにより仲間思いなんですよ。敵のことすら思いやって、前作では、敵を“倒す”のではなく“浄化する”って考える。その愛は本当に偉大。
うさぎちゃんの時は感情の振れ幅が激しすぎて、もしも私生活にいたらうるさいよ!と思うだろうけど(笑)、自分の中にさまざまな思いがたくさんあり、エネルギッシュなうさぎちゃんは、誰よりもみんなのことを愛している。みんながうさぎちゃんを思う以上に、うさぎちゃんはみんなを思っている。それが、一番芯にある強い力の源だと思います。
誰かを愛するって、わたしたちだって大変じゃないですか? すごく難しいことだと思うけど、うさぎちゃんもセーラームーンも、人間どころか、地球全体を愛しちゃう子ですから!(笑) 星を愛するって、わたしたちの感覚じゃ思いつかないですよね。そこまでの宇宙規模の愛が抱ける、やっぱり偉大な女の子だと思います。
セーラームーン/月野うさぎ:野本ほたる
――今日のネックレスも月ですね。
野本:今年、アメリカのヒューストンで開催された「Anime Matsuri2017」にセラミューとして出演したんですけど、それで行っている時に見つけて「月だ!」と買っちゃいました。セーラームーンに関わるようになってから、月とか、星とかのグッズが、どんどん増えてます。ぜんぜん違うものを探しに行ったのに、気づいたら月や星を買ってる(笑)。染まっていますね~。
未来:わたしも染まれるようになるといいな……!
セーラーサターン/土萠ほたる:未来
――未来さんのサターンの役作りはいかがですか?
野本:サターンは土星。破滅と誕生の戦士だね。
未来:はい。わたしがいま思っているサターンは、本当に力強く、クールな女の子。普段の自分とは正反対とまで言わないけど、違う性格で。普段のわたしはよく笑ってうるさかったりするけど、サターンを演じるとなったからには、日々の生活からもうすこし静かにしようと、学校でも役作りの気持ちで、「もうちょっと控えよう」、「勉強しよう」ってやっています。
野本:でも、頭に入ってこない(笑)。
未来:そうなんです! 不安が勝っちゃって(苦笑)。あと、毎日柔軟しています。最近、長座体前屈でつま先に手がつくようになりました! 初めはぜんぜん手がつかないコの字状態で、本当に身体が硬かったんですけど「これはヤバイ!」と思って始めて、腹筋も毎日50回で鍛えています。
(C)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2017
――セラミューの魅力にはコスチュームもありますね。
未来:ほんっとうにかわいくて、ビジュアル撮影で初めて着た時は理性を失いました! 一番ときめいたのはリボン。第一印象で、「おっきなリボン!」って浮かれちゃって……セーラー戦士といえばリボン! 女の子ならみんな憧れますよね。
野本:リボン大きいよね! 「-Amour Eternal-」の時から登場しているエターナルセーラームーンは、他の戦士と衣裳の作りが違うところもあるので、キラッキラした衣裳の素敵な部分を、もっと素敵に見せる角度とかも考えますね。
未来:この羽、どうやって付いているんだろう? すごい……!
野本:もうね、わたしから生えているの。付いているんじゃなく、生えてくる仕組みになってるんで!
未来:わたしも付けてみたい(笑)。
野本:セラミューの衣裳は、戦士服だけでなく全体的にどれもかわいいんです。衣裳合わせでは自分だけじゃなく、みんなを見ているだけでもワクワクする。「今回はどんな服が着られるんだろう?」、「あ、あのキャラがあの衣裳で出てきた!」と、ファンの方にも楽しんでもらえると思います。ただね、自分の体ではない部分がたくさんあるので動きは難しい。ムーンは髪も長いから、初めは勢いよく首を回すと髪が手首に巻き付いて絡まっていました。真面目なセリフを言いながら、反対側でめっちゃ手を回してほどいたりして(笑)。衣裳さばきも研究ポイントですね。
キービジュアルの衣裳を見てはしゃぐ未来
――大和悠河さん演じるタキシード仮面(地場衛)、愛称“まもちゃん”の魅力も聞かせてください。
野本:まもちゃんは、男性を超えた男性。もし、現実に自分の近くにまもちゃんみたいな人がいたら、「キザすぎるなあ」、「ちょっとやりすぎだよ」って思うけど、舞台ではすごく自然でカッコよくてときめいてしまう。もう、(大和)悠河さんの魅力にまんまとやられている感じです。
でもね、まもちゃんって王子様かと思いきや、わりと弱いんですよ……、ズバッと言っちゃった!(笑) 前作でも最初にやられたのはまもちゃんで……、なのに色気がある。そこがたまらない! もしかして、それって女性の母性本能をくすぐるというか、女性の願望なんじゃないかとも思うんです。女性の本当の理想の男性って、実はあんまり強すぎず、わたしがなんとかしなきゃって思えるほうがいいって、あると思いません? その魅力ですよね。理想の男性のその理想以上を叶えてくださっているのが悠河さんです。
未来:素敵……、ムーンが羨ましいです。
野本:悠河さんは見せ方も美しいんです。「ここの角度もうちょっとこうしたら?」と、アドバイスもよくくださる。悠河さんを見ているだけでたくさん勉強になります。女性としても素敵な方。
野本ほたる
――今回は“Wほたる”対談です。お互いにいまの気持ちを……。
未来:お稽古に入る時の最初が肝心だと思っていて、仲良くなれるかなと……。
野本:大丈夫、大丈夫!
未来:キャストが変わったのはわたしだけなので、まず自分を知っていただくところからがんばって、お稽古場でみなさんの演技を見て勉強し、いいところを奪っていけるようにしたいです。
野本:1年しか変わらないんだから。わたしたち5戦士も、昨年はまさにいまの未来ちゃんだった。気持ちわかるよ、不安だよね。だからこそ、「一緒にがんばろう!」って心から思える。セラミューのカンパニーは本当にやさしくて、どんなことがあっても受け入れてくださるみなさんだから、安心して。
未来:……いまので安心できました。わたし、DVDを見て最初に感じたのが「本当に仲がよさそうだな」ということだったんです。みんなで撮った写真がツイッターに出ていたりして、本当にみんなが力を合わせて作っている舞台なんだなと。なじめるようにがんばります。
Wほたる対談
――最後に、読者にメッセージを!
野本:今回は「-Le Mouvement Final-(ル ムヴマン フィナール)」ということで、すごい戦いが繰り広げられると思います。カンパニー全員で乗り越え、最終章をステキな舞台にしてお客様に愛をお届けできるよう、がんばります!
未来:歴史ある作品への出演は本当にうれしく誇りに思っています。サターンのバトンをしっかり受け止める責任感を持って、最後の最後まで“未来サターン”として演じたいと思います。
セーラーサターン/土萠ほたる:未来、セーラームーン/月野うさぎ:野本ほたる
ヘアメイク=伊熊美砂
インタビュー・文=丸古玲子 撮影=中田智章
-Le Mouvement Final-(ル ムヴマン フィナール)
【東京公演】
2017年9月8日(金)〜18日(月・祝)
AiiA 2.5 Theater Tokyo
【愛知公演】
2017年9月23日(土・祝)〜24日(日)
アイプラザ豊橋
【大阪公演】
2017年9月29日(金)〜10月1日(日)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【出演】
セーラームーン/月野うさぎ:野本ほたる
セーラーマーキュリー/水野亜美:竹内 夢
セーラーマーズ/火野レイ:小林かれん
セーラージュピター/木野まこと:楓
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:長谷川里桃
セーラーウラヌス/天王はるか:汐月しゅう
セーラーネプチューン/海王みちる:藤岡沙也香
セーラープルート/冥王せつな:石井美絵子
セーラーサターン/土萠ほたる:未来
セーラーちびムーン/ちびうさ:神田愛莉
セーラースターファイター/星野 光:春川芽生
セーラースターメイカー/大気 光:立道梨緒奈
セーラースターヒーラー/夜天 光:松田彩希
火球皇女:岡村麻未
セーラーアイアンマウス:青木志穏
セーラーティンにゃんこ:橋垣美佑
セーラーアルーミナムセイレーン:小林由佳
セーラーレッドクロウ:悠斗イリヤ
シャドウ・ギャラクティカ:
椎原夕加里 肥田野好美 匂坂あゆ美 長澤綾乃
ちびちび(Wキャスト):新津ちせ
セーラーコスモス:大久保聡美
タキシード仮面/地場 衛:大和悠河
■ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」公式サイト
http://sailormoon-official.com/musical/
■期間限定「美少女戦士セーラームーン」25 周年特設サイト
http://www.sailormoon-official.com/25th/
■「美少女戦士セーラームーン」25 周年プロジェクトオフィシャルサイト
http://sailormoon-official.com/