ナチュラル・スイーツ・パティシエール 坂本ミチコ|こんな日本アーティストがパリで活躍中 【第17回】

インタビュー
アート
2017.5.11
坂本ミチコ

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ナチュラル・スイーツ・パティシエール 坂本ミチコ

ここ最近パリでは健康志向が広く浸透しはじめ、ナチュラルな商品や食材を扱うBIOショップなどが人気を集めています。こうしたナチュラル志向のひとつに「ロー・フード」(Raw Food)なるものがあります。これは「自然の食材を生のまま摂取する」という食のスタイルで、生で摂取することで生きたビタミン、ミネラル、食物酵素を体内に取り入れることができるのだとか。

今回、この「ロー・フード」のお菓子である、「ロー・スイーツ」を専門にするパティシエールの方にお話を伺ってきました。

坂本さんの作品

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――パリに来られたキッカケを教えてください。

日本にいた際は フランス菓子を作るパティシエとして、ケーキ屋や原宿のカフェで働いていました。フランスに住んでみたいなと興味を持ったのは、20代の時に体験したフランスのお菓子研修で、3ヶ月滞在したことがキッカケです。

その研修の後、いつかフランスに住みたいと思いながらも、具体的な方法が見つからないまま30代になり、そろそろ自分の店を出そうと本格的に資金を貯めて働くようになりました。

ただ、自分が店を出したら旅行も行けなくなる程忙しくなるのが分かっていたので、ならばその前にもう一度フランスに行っておきたいな、という気軽な気持ちで一年間滞在をすることになりました。

坂本さんの作品

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――ロー・スイーツとの出会いを教えてください。

パリに住んでみたらお菓子づくりに没頭するというよりも、フランス語の学校に通いながら、ゆっくりと生活を楽しむようになりました。それまで憧れていたフランス菓子の有名店やリュックスなものに夢中になるのではなく、もっと普段着のフランスの生活をいっぱい経験したいと思うようになっていたのです。

そして、パリで大衆食堂的なレストランに興味を持って働いたり、サロン・ド・テや、日本食レストラン、ワイン・バーなどを点々としながら、自分の本当にやりたいことを探す長い期間がありました。その間ずっとフランス菓子に関わりながらも、卵や乳製品、グルテンのアレルギーを持っているお客様の存在などを知ったのです。そして、アレルギーを持った人でも美味しいお菓子を提供出来たら、という思いが段々と強くなってきました。また、私自身の慢性的な体の不調もあり、お菓子だけではなく日常的にナチュラルなものを好むきっかけにもなりました。

坂本さんの作品

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ある時、BIOショップで総菜やお菓子を作るという仕事をするチャンスが巡ってきたことで、それまで興味があった「動物性食材を使わないヴィーガン」や、「グルテンフリー」のお菓子を作るようになりました。そこではじめて自分の作りたいものを作り、喜んでもらえる人たちに出会えたことで、ようやく「やりたいことがやれた!」と思えたのです。これをキッカケに「ローフード」を本格的に学ぶようになりました。

これからの活動予定を教えてください。

去年から独立してフリーになり、「ロー・スイーツ」の教室を主に日本人の方向けに開催しています。つい先月からは、ロー・フードに関しての『ゆるゆる勉強会』を始めたばかりです。これは、私自身が学んで感動した色々な 「ロー・フードのちょっと為になる話」を堅苦しくなく伝えたいと思ってはじめました。

さらに、去年から今年にかけては、食とは違うジャンルとのコラボ活動もはじめています。例えば、美容の専門家とロー・スイーツの「若返り」をテーマにしたコラボや、ヨガワークショップや、瞑想ワークなどとのコラボです。近いうちに、このコラボ活動の様子が、フランスのあるファッション雑誌の撮影の予定されています。

今後も引き続き、ずっと身体に良いものを作り続けて行きたいということ、そして、ロー・フードをもっと知ってもえるように活動を続けて行きたいと思っています。

坂本さんの作品

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あとがき

今回、筆者自身も初めて伺った「ロー・フード」なるものは、とても深い世界だなと感じました。ミチコさん自身、ロー・フードを食べるようになってから、子供の頃から悩みだった便秘も数日で改善したという驚きの実感があったそうです。ロー・フードやロー・スイーツに興味をもたれた方は、詳しい情報をミチコさんのHP等でぜひチェックしてみてください。

プロフィール情報
坂本ミチコ

1972年生まれ、和歌山県出身。高校卒業後、京都の老舗洋菓子店で修業をスタート。短期のフランス研修を経験後、東京のフランス菓子店、ショコラトリー、フレンチレストラン、カフェ勤務。これまで25年お菓子づくりにたずさわる。2006年よりパリ在住。以後、サロン・ド・テ、パティスリー、レストラン、ワイン・バー、オーガニック・ショップなどでフランス菓子に携わるかたわら、食物アレルギーを持つ人の多さを目の当たりにし、植物性やグルテン・フリーのお菓子の開発に目覚め、独自に研究を重ねる。近年は「ローフード」を本格的に学び、その食事法に基づいたスイーツの分野を日々研究。現在パリにて、ロースイーツを中心とした、ヘルシーでナチュラルなスイーツのレッスンを行っている。
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