『戦後ドイツの映画ポスター』展が京都国立近代美術館で開催中 東西ドイツの映画文化をふりかえる
『三銃士』(1974 年/フランス/アンドレ・ユヌベル監督) ポスター:クリストフ・エーベッツ(1977 年) サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
『戦後ドイツの映画ポスター』展が、2017年6月11日(日)まで京都国立近代美術館 コレクションギャラリーにて開催されている。
第二次世界大戦の終結後、政治対立により東西二つに分断されたドイツは、1990 年に統一されるまでの間、映画界も別々の道を歩むこととなった。西ドイツではアメリカや西欧の映画が盛んに輸入され、東ドイツでは国営会社 DEFAによって独自の社会主義的な映画文化が育まれた。
『ミュリエル』(1963 年/フランス/アラン・レネ監督) ポスター:ハンス・ヒルマン(1963 年) サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
『昨日からの別れ』(1966 年/西ドイツ/アレクサンダー・クルーゲ監督) ポスター:フェリー・アーレ(1966 年) ドイツ映画研究所所蔵
『M』(1931 年/ドイツ/フリッツ・ラング監督) ポスター:ヴォルフガンク・シュミット(1966 年) ドイツ映画研究所所蔵
『メフィスト』(1981 年/ハンガリー/サボー・イシュトヴァーン監督) ポスター:ホルスト・ヴェスラー(1981 年) フィルムセンター所蔵
本展では、そうした映画文化を反映した東西ドイツの映画のポスターを振り返るもの。1950 年代後半から 1990 年までに制作された 85 点(西ドイツ 45 点+東ドイツ 40 点)の映画ポスターを通じて、“鉄のカーテン”の両脇で花開いた二つのグラフィズムを紹介する。
西ドイツでは、アート・フィルムを配給する会社が新世代のグラフィック・デザイナーを積極的に起用し、大胆なタイポグラフィに訴えた鮮烈なポスターが制作された。一方で東ドイツでは、DEFAの采配のもと、エアハルト・グリュットナーやオットー・クンメルトらが、内省的でありながら宣伝美術の枠に囚われない表現を生み出した。ぜひ本展を通じて、東西ドイツの映画文化の差異や魅力を体感してみてはいかがだろうか。
『ジプシーは空にきえる』(1976 年/ソビエト/エミーリ・ロチャヌー監督) ポスター:ヘルムート・ブラーデ(1977 年) サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
『七年目の浮気』(1955 年/アメリカ/ビリー・ワイルダー監督) ポスター:フィッシャー=ノスビッシュ(1966 年) サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
『七人の侍』(1954 年/日本/黒澤明監督) ポスター:ハンス・ヒルマン(1962 年) ドイツ映画研究所所蔵
『ジャンヌ・モローの思春期』(1979 年/フランス=西ドイツ/ジャンヌ・モロー監督) ポスター:エアハルト・グリュットナー(1981 年) フィルムセンター所蔵
『さよなら子供たち』(1987 年/フランス=西ドイツ/ルイ・マル監督) ポスター:オットー・クンメルト(1989 年) サントリーポスターコレクション(大阪新美術館建設準備室寄託)
会期:2017年4月19日(水)~6月11日(日)
会場:京都国立近代美術館 4 館コレクション・ギャラリー
休館日:毎週月曜日
開館時間:午前9時30分~午後5時、金曜日・土曜日は午後8時まで開館(入室は閉館の30分前まで)
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2017/419.html