風煉ダンスが問題作『まつろわぬ民』2017を再演、白崎映美、伊藤ヨタロウら出演で東京&東北巡演
『まつろわぬ民』初演舞台より (写真:山下恭弘)
風煉ダンスが来たる5月26日(金)より『まつろわぬ民』2017(作・演出:林周一)を、東京の座・高円寺1で上演する(6月4日まで)。出演は、白崎映美、伊藤ヨタロウら総勢24名。この公演はさらに、6月に東北の福島県いわき市、山形県山形市を巡回する。
『まつろわぬ民』は、主演の歌姫・白崎映美(「上々颱風」「白崎映美&東北6県ろ~るショー!!」)の歌「まづろわぬ民」から想を得て2014年に初演され、好評を得た。「まつろわぬ民」とは、大和朝廷から“蝦夷(えみし)”と呼ばれ、朝廷に従うことをよしとせず抗った人々--権力にあらがい迎合しない民のこと。
風煉ダンスは、一軒のゴミ屋敷をめぐるゴミ撤去の行政代執行の中に、古代と現代を大胆に往還する壮大なスペクタクル・ファンタジーを召喚する。屋敷に住む老婆に誘われて繰り出されるゴミたちの百鬼夜行。果たして老婆は何者なのか?
忘れ去られる者、虐げられながらも闘い続けている者に思いを寄せながら、圧倒的な美術・空間表現と、血肉沸き踊る熱狂的な音楽とダンスで、唯一無二の風煉ワールドが繰り広げられる。初演に引き続き今回も主演の老婆を白崎映美が演じるほか、新たなキャストとして伊藤ヨタロウを迎え、「初演をしのぐ音楽劇を新演出の再演で見せたい」と劇団主宰の林周一は意気込む。もちろん林ならではの昭和的なギャグがふんだんに詰め込まれることも大いに期待してよいだろう。
【風煉ダンス主宰 林周一(作・演出)コメント】
「まつろわぬ民」――権力にあらがい迎合しない民――大和朝廷から“蝦夷”と呼ばれ、その権力を拡大しようとする朝廷に従うことをよしとせず抗った人たち。しかしそれは権力側から見た呼称であって、人々は単に自分達の家族や生活を守り、豊かに暮らすことを願い、それを奪おうとする者に対して、その手に“抵抗”という松明の火を掲げ抗っただけではないか。
ならばわたしたちの誰しもが、いつ「まつろわぬ民」と呼ばれる日がきても不思議はないし現にその人々は数多いる。ひとりひとりの中に、あの松明が、その種火が残されている。もし消されてしまった人がいるならば、この火で再び灯しにいこう。人のこころにいつまでも火よ灯れ。暗闇に沈んだ町に再び灯よ灯れ。
ひとつ、ふたつ、三つ四つ、十百千万、人の営みの数だけ、まつろわぬ火よ灯れ。
【物語】
町で噂のゴミ屋敷。近隣住民の訴えを町が聞き入れ、条例にのっとりゴミ撤去の行政代執行が今まさに行われようとしていた。「この屋敷のものはひとつたりともゴミじゃねえ!」必死に抗う屋敷の老女・胆沢スエであったが撤去作業員の若者、山路タツヤを見つけるや、まるで恋人に再会したような眼差しを彼に投げかけ屋敷奥に姿をくらました。
スエの後を追い屋敷に踏み込んだタツヤ達。やがて地の底から湧きあがる呻き声が聞こえはじめる。「うかうか死んでいらりょうか!おめおめ敗けてなるものか!」
死者も生者ももろともに、まつろわぬ者の百鬼夜行! それはタツヤたちを驚愕の地獄巡りに誘うほんの始まりにすぎなかった。(2014年公演チラシより)
【演劇集団 風煉ダンス】
座長の笠原真志と現主宰で座付き作者の林周一によって 1990年に結成。圧倒的な舞台美術と祝祭性の強い空間 表現を特徴とする演劇集団。叙情性とバカバカしさがほとばしる荒唐無稽なストーリーの背後には、現代社会への静 かな問いかけがある。近年は、東日本大震災と福島第一 原発事故に想を得て「レーニン伯父さん」(2013)、「まつ ろわぬ民」(2014) 、野外劇「泥リア」(2015)、野外劇「スカラベ」(2016)を発表。野外でのパフォーマンスや、現 代美術家・ミュージシャンとのコラボレーションも盛んに 行っている。現在は、たちかわ創造舎(東京都立川市)を 拠点に活動中。
風煉ダンス『まつろわぬ民』2017
<東京公演>
■会場:座・高円寺1
■日程:5月26日(金)~6月4日(日)
5月
26日(金)19:00
27日(土)14:00★/19:00
28日(日)14:00
29日(月)14:00
30日 休演
31日(水)19:00
6月
1日(木)14:00★/19:00
2日(金)19:00
3日(土)14:00★/19:00
4日(日)14:00
(各30分前開場)
★=託児サービスあり
■問合せ:風煉ダンス TEL080-3939-2020 furendance@gmail.com
<福島いわき公演>
■会場:いわきアリオス 小劇場
■日程:6月10日(土)18:00、11日(日)13:00(各30分前開場)
■問合せ:アリオス センター 0246-22-5800 10時~20時(火休)
<山形公演>
■会場:シベールアリーナ
■日程:6月16日(金)14:00、19:00 (各30分前開場)
■問合せ: シベールアリーナ TEL:023-689-1166
■出演:
白崎映美 伊藤ヨタロウ 反町鬼郎 リアルマッスル泉 春田奨 吉田佳世 吉成淳一 河内哲二郎
飯塚勝之 御所園幸枝 笹木潤子 堀井政宏 山内一生 柿澤あゆみ 園田シンジ 塚田次実
横山展子 内田晴子 外波山流太 サモ★ハン 林周一
■音楽・演奏:辰巳光英 関根真理 ファン・テイル
■作・演出:林周一
■美術:笠原真志、深川信也、後藤淳一、南波瑞樹
■衣装:仲村祐妃子
■振付:坂東冨起子 殺陣:都築星耶
■照明:辻井太郎 照明操作:前田さやか
■音響:島猛 音響操作:
■舞台監督:後藤恭徳
■演出部:佐々木潤子、外波山流太
■チラシ絵:青山健一 チラシデザイン:片山中藏
■写真:村田善一(表面) 山下恭弘(舞台) 添田康平(顔写真)
■映像記録:矢ヶ部哲 HP・広報:御所園翔太
■制作:斎藤朋(マルメロ)櫻井拓見 豊田結