後世に残したい名作ゲーム第7回 音波砲で敵を無力化させる独特なアクションが魅力の「スーパーワギャンランド」

コラム
アニメ/ゲーム
2015.9.13
 ©1987 1991 NAMUKO BANDAI Games

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FCからSFCになって正統進化を遂げたワギャンシリーズ

 今回紹介するゲームは1991年にナムコ(現在のバンダイナムコゲームス)から発売されたSFC用ソフト「スーパーワギャンランド」です。本作はFC用ソフト「ワギャンランド」シリーズの続編で、シリーズ初のSFC用ソフトで、主人公のワギャンを操作してDrデビルに支配されたワギャンランドで仲間を助け出す2D横スクロールアクションゲームとなっています。ワギャンシリーズは敵を攻撃するときに倒すのではなく、口から出す音波砲で敵を一定時間無力化させたり足場にすることや、ボス戦がミニゲームになっているなど、独特なシステムを採用しているシリーズです。本作もそんなシリーズの基本を踏襲しつつ、進化したグラフィック、BGMを音源の進化によって重厚かつより魅力的にパワーアップさせるなど、FC版を正当進化させたような作りとなっています。また、ワギャンを始めとしたキャラクターの可愛さや、優しい雰囲気もシリーズの特徴ですが、SFCになったことでキャラクターも表情豊かになり、さらに魅力的になりました。今回はそんな「スーパーワギャンランド」を紹介します。

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たくさんのステージに多彩なステージ構成

 本作はステージ数が40以上あり、中にはステージ中から隠しステージにいけることもあります。また、後述する難易度設定でステージの難易度が大幅に変わり、同じステージでも違うプレイ感になるためかなりのボリュームがあります。また、ステージパターンも基本的な横スクロールマップの他に、色々なパターンがあり、例えばボタン連打のみで波に流されるイカダをコントロールし、障害物をよけながら進むイカダステージや、ひたすら上昇する足場にのって先に進むステージなどさまざまです。

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 そんな多彩なステージパターンの中でも私が特に面白いと感じるステージは、滑り台ステージと氷ステージです。滑り台ステージはとても大きい滑り台を速いスピードでくねくね上下しつつ先に進むステージで、そのスピード感と雄大な空の景色がとても気持ちいいステージです。ですが、楽しい反面、そのスピードが仇となって途中に配置されている敵にぶつかることが多いです。あらかじめいることが分かっていれば回避できるので、難易度が特別高いわけではありませんが、初見殺しで死にやすいステージでもあるので注意が必要です。このステージで無敵になり、敵を吹き飛ばしつつ加速してつき進むのはこのゲーム中屈指の気持ちよさを誇ります。

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 氷ステージは本作から追加されたステージタイプで、音波を凍らせて足場にしつつ先に進むことが可能です。これによってルートを自分で作って先にすすむ事ができる点が探索アクションっぽくて面白いです。また、ステージ構成も普通の2Dアクションが基本になっている本作としては珍しい、上下左右にスクロールする広めのマップになっていることも特徴です。ただし、音波法で敵を無力化することができなくなっているので、普段は音波であっさり無力化できるザコ敵達に苦戦することになります。特に、狭い足場を陣取っている敵は、ぶつかると即落下させられる位置に陣取って攻撃してくるロックマンの敵を思わせる強敵に進化しています。なので、氷ステージはとても難易度が高いですが、そういった部分も含めてやりがいのあるステージです。

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ワギャンシリーズの華 ボスミニゲーム

 ワギャンシリーズはステージの最後に到達するとミニゲームによるボス戦が始まります。このミニゲームで相手にポイントを与えない、もしくはこちらがパーフェクトを取ると残機を一気に7も増やしてくれます。ゲーム後半はステージもミニゲームも手ごわくなってくるので、ゲーム序盤で稼いでおきたいところですね。

 ミニゲームの種類はイラストが描かれたパネルを選んで言葉を決めるしりとり、たくさんある数字パネルから指定された数字を選ぶ数字探し、裏側になっているパネルから同じものを見つける神経衰弱と、今作より追加のモザイク当ての4種類です。ミニゲームはパネルをつかうものが多めですが、本作より追加されたモザイクあてだけ少々趣が異なります。

 モザイク当ては、本作品に登場するキャラクターやステージにモザイクをかけ、どのキャラクダーか、またはどのキャラクターが何をしているシーンかを選択肢の中から時間以内に選ぶミニゲームです。段々と姿形が見えていき、その中で選択肢を選ぶというものは前作までにもあった他のミニゲームとは少し雰囲気が違い、FCまでではできなかったSFCの機能をうまく使ったミニゲームとなっています。ただし、このミニゲームはゲームを始めたばかりの頃は、まだ行っていない場所や出てきていないキャラクターが平気で出てくるため、知らないキャラクターを推理しながらやらなければならないのが難点です。小さい水色の生き物っぽいモザイクを見てキノコだと推理しろというのは少し理不尽に感じることもありますが、キャラクターが動いているさまは面白く、また、ライオンが恋の邪魔をしているなど、少し変なシチュエーションも存在するなど、答えを探すのが楽しいミニゲームとなっています。

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 その他のシリーズおなじみのミニゲームも、面白いミニゲームが揃っています。数字探しの面白いところは、ほかのゲームに比べて特にテンポがよく、またボスと同じタイミングで動き、先に見つけたほうのポイントになるためか、ボスと戦っている感が強いところです。特に、ゲーム後半のボスはAIがよく、かなり白熱した戦いが楽しめます。

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 神経衰弱はパネルにパターンがあるので、それを見つける作業になってしまい、作業感が強くなってしまっているのが難点です。ですが、その分7UPを特に狙いやすい点はゲーム的にはうれしいポイントです。ただし、順番は常に相手が先なので、相手が最初から当ててしまい、いきなり7UPの権利を失うことになるのが悲しいです。

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 最後にしりとりですが、このゲームの醍醐味といえば裏読みの存在があります。裏読みとは、通常のパネルを解釈を変えて選択することです。例えば、ミサイルのイラストをパトリオット、スズメをスパローと言い換えることで、別の単語として使用することができるのです。中には灯台を海のみちしるべや、イルカを海のおともだちといった、そんなのありかと思わせるものも存在します、特に、うみのみちしるべは、本作にべから始まる単語が存在しないため、使用すると確実に勝利できますので、覚えておくと役に立ちます。このように、裏読みを推理してパネルを探すのが楽しいです。ただし、裏読みを使用すると高確率でパネルを全て使用できなくなり、パーフェクトゲームができなくなることと、下手するとそのせいで自分がパネルを使用できなくなり詰んでしまうこともあるので、確実に勝ちたいときや、7UP狙いの時は裏読みは正規の答えが見つからないときのみに使いましょう。また、裏読みはCPUも使用してくるので、唐突に変な単語が出てくるのも面白いところですね。

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プレイヤーはお子様から神様まで

 本作にはOKOSAMA・HITONAMI・KAMISAMAという3つの難易度が選択でき、それら難易度はステージ構成、ボス戦の難易度双方に影響します。OKOSAMAはアクションゲームが苦手な人でもクリアできる難易度で、HITONAMIは序盤こそ難しくありませんが、後半は結構難易度が高めで、アクションゲームが好き、もしくは得意な人向けの難易度となっています。また、HITONAMIからはステージ中に隠しステージがあり、それらを全て見つけないと全ての仲間を助け出せないようになっており、やりこみ要素が上がります。今作はステージセレクトができるので、見つからなかった分はのちに戻って探すこともできます。しかし、この隠しステージはHITONAMIでも難易度がすごく高めになっているので、クリアできなさそうなときは無視して先に進むのもありだと思います。

 そして最後のKAMISAMAモードですが、このモードはゲーム好きの間では鬼畜難易度として有名です。ステージだけでなく、ミニゲームのノルマも跳ね上がるため、生半可な腕ではクリアできません。ミニゲームが難しすぎるせいで7UPも狙いにくいのも厳しいポイントです。ちなみに私はこの記事を書くにあたって久しぶりにこのゲームHITONAMIをクリアし、その上でKAMISAMAモードもクリアしようと意気込んでプレイしましたが、ゲーム中盤くらいでクリアを諦めました。このモードはまさにワギャン界の神様にならなければクリアできないほどのモードと言えます。

 このように、本作は難易度選択によって手軽に楽しみたいライトユーザーから、超絶難易度を味わいたいヘビィユーザーまで、幅広いユーザー層が楽しめるゲームです。初見でのモザイク当ての不親切さや、神経衰弱の単調さなど、多少の問題点はありますが、誰もが歯ごたえを感じつつクリオできる骨太アクションゲームといえます。本作は現在WiiUで配信されているので、入手しやすいのもうれしいです。かつてプレイしたことのある方が再び子供の頃の思い出に触れるもよし、KAMISAMAを目指して茨の道を目指すもよし、また、今までプレイしたことない方でも楽しめる作品ですので、これを機に一度はプレイしてみてほしい作品です。

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