片寄涼太インタビュー チャレンジした俳優業に手ごたえ「自分の表現の幅を広げてくれるような仕事」
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片寄涼太 撮影=岩間辰徳
映画『兄に愛されすぎて困ってます』は一度聞いたら耳から離れない、とてもキャッチーなタイトルだ。人気同名コミックをもとに、日本テレビ系ほかにてドラマ化の後、6月30日(金)より満を持しての劇場版が公開となる。片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)演じる血のつながらない兄・橘はるかが、妹・せとか(土屋太鳳)を愛しすぎるがあまりに、妹に想いを寄せる幼馴染の研究医・芹川高嶺(千葉雄大)や、他校のモテ男・美丘千秋(超特急・草川拓弥)から妹を守るというラブストーリー。本格的なスクリーンデビューを初めて飾ることになった片寄は、役作りで10キロも体重を落とし、見た目も中身も完璧な‟ツンデレお兄”へと三次元の進化を果たした。挑戦した俳優業について、普段アーティストとして歌う自分の「表現の幅を広げてくれる」と語った、片寄の真意とは?
もしかしたら、はるかを通して考え方が変わったのかもしれないです
片寄涼太 撮影=岩間辰徳
――はるか役のオファーをもらったときの感想から、教えていただけますか?
お芝居の経験もほとんどない中で、このような大役をいただいて、「自分でいいのかな?務まるのかな?」というのが正直な気持ちとしてありました。原作が漫画だったので、原作を愛されている方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういう方々や、お芝居を本業とされている俳優さんにも失礼のないように、頑張らないといけないなと引き締まる気持ちでした。
――役づくりのために8キロもの減量をされたと聞いています。
3カ月半くらいかけて、食事と運動で落としました。身体を絞ったのは、結構大きなことでしたね。たぶん、一番落ちていたときは10キロぐらい落ちていました。はるかが裸でリフティングしているシーンが、あるじゃないですか? あそこをピークに持っていきたかったんです。
――内面で言うと、はるかと片寄さんで共通点はありますか?
うーん。あのー……僕ははるかのように、あまり人を殴ったりとかはしないです。
――(笑)
はるかは、妹に対して不器用な表現をするじゃないですか。あまりストレートに言わないけど、態度では見えている、顔に出ている、みたいな。そこに関しては、自分もそういうところがあるなあって思います。
――気持ちは表情に出ちゃうタイプなんですね?
結構出ます。何でもバレちゃいますね、思っていること。
――隠し事とかも苦手ですか?
苦手ですねえ。嘘はつけないですし、嘘をつかれても気づかない。あと、はるかのようにツンデレな一面は、僕もあると思います。昔は結構気を遣ってばかりだったんです。ただ、「なんか、もういいかな」と思い始めて、ツンが生まれました。
――どれぐらい前からですか?
1年前ぐらいからです。優しくばかりいるのも、違うかなあと思ったんです。それは、ファンの方に対しても一緒で、ずっとニコニコしているのも作っているようだし、もしかしたら、はるかを通して考え方が変わったのかもしれないです。
――土屋さんと兄妹役をやられるにあたって、何を大事に演じられていましたか?
僕、ひとりっ子なんです。だから、兄妹という感覚がまずなかったので、どういうものなのかなと想像していました。『兄こま』は恋愛のお話ではありますけど、僕はまず妹を兄妹として愛するので。その愛を自分のものにしないといけないことは、すごく意識しました。
――端的な表現をすれば「兄妹間の恋模様」で、ともすればいやらしくもなりそうな内容を、爽やかに仕上げていることに驚きました。
タイトルだけを聞くと、確かにそういうふうに思われがちなんですけど、僕は比較的、先入観なく入れたかもしれません。僕は、まっすぐなものだけしか考えていなかったです。逆に、あまりそこに対してプレッシャーとかは、なかったかもしれないです。ドラマの撮影から始まって、ずっと「兄妹愛」というものをやってきた状態から、「これって、本当は兄妹の愛じゃないのかな?」とつながっていく感じだったので、僕にはすごく自然な流れでした。
片寄涼太 撮影=岩間辰徳
――いわゆる女性の妄想や憧れを形にする上で、気を配ったところはありますか?
形にできているかどうかは自分では自信はないので、何とも言いづらいんですけど……「あり得ないだろう」ということを、いかに自分が「あり得る」と思って、ど真ん中で真面目に真っ直ぐやるか、と。それが一番伝わるのかなと思いました。あり得ないとは思いながらも、はるかに僕自身も憧れますし、普通に格好いいなと思ったんです。たぶん、そこが少女漫画を好きな方のツボなんだと思っていて。『兄こま』は脚本も本当に素敵なので、自分がどれだけ真摯に受け止めて、そのままやるかということに尽きました。そこに迷いとかは、一切持つべきじゃないなと思っていました。
――具体的に、土屋さんともお話されて作っていったんですか?
そうですね。最初、現場に入ったときから、「憧れられるような兄妹にしたいよね」っていう話はしていました。「憧れられる」というのが、すごく自分の中でもテーマでした。劇場版では、すごくかわいいシーンが多いじゃないですか? 特にふたりでスイカを食べたりするところとかは、素の部分が垣間見えるようなのが出ればいいなと思いながらやったんです。スイカの場面は、撮影もだいぶ進んできた終盤だったので、すごくふたりの息が合った雰囲気を感じてもらえるんじゃないかなと思っています。自分でも、すごくお気に入りのシーンになっているんですよ。
――土屋さんとは、撮影の合間にお話もされました?
太鳳ちゃんとは、撮影しているときは、ずっといろいろな話をしていました。くだらないことも話しましたけど、すごく大事なシーンになればなるほど、自分のパーソナルなこと……結構赤裸々に悩んできたこととかの話をしていました。真面目な話もしていたんですよね。
――ちなみに、一番演じるときに緊張したシーンと言えば、どこになりますか?
緊張ですか! ああ、お風呂場で後ろからせとかに抱きつくシーンです! 一番苦労しました。結構何度もやらせてもらったんです。河合勇人監督も、すごくこだわられていて。やっぱり、はるかが妹への愛としてではなく、せとかへの思いがあふれるシーンだったので、うーん……すごく難しかったです。
――どのように、そういう気持ちに持っていったんですか?
お風呂場のシーンも、ある程度、撮影が進んでいった中で撮ったんです。ドラマのことも含めて、これまでの思いや出来事とか、自分の中でいろいろふくらませました。何か、守ってあげたいという気持ちを大事にしました。
――お風呂場でのハグは、自分もやってみたいですか?
いやあ、相手がいればぜひ(笑)。
――はるかは、せとかにシャンプーもされていましたよね。うれしかったですか?
なかなか経験できないですよね(笑)。美容室で髪を洗われることとは、また違うじゃないですか。土屋太鳳ちゃんのファンの方々には本当に申し訳ないですけど、お詫びを申し上げつつ、「皆さんを代表してシャンプーをしていただきました」と僕は言いたいです。
片寄涼太 撮影=岩間辰徳
――もしも自分に妹がいたら、どんなお兄ちゃんになると思います?
妹を好きになったやつをぶっ飛ばしに行くほどではないと思うんですけど、「本当、お前、(妹を悲しませたら)痛い目見るぞ」とは言うと思います。え、言わないですかね!?どうなんですか?気になりません?妹の好きな人、見定めませんか?
――彼を連れてきたりとかして、会っているのを見たらどうします?
彼氏と「めちゃくちゃ仲良くなろう!」っていうふうにして、どういう奴かを探ります(笑)。探って、「ちょっとこいつ、やばいぞ!」っていうところを見つけたら、妹に「最近どうなの?」と聞きます。不安要素を相談されたら、そこを広げて、さらにもうちょっと不安にさせる。
――自分で気づかせる手法ですね。
そうです、自分で気づかせる!指導者タイプです。僕が「あいつはやめたほうがいいよ」と、直接的には言わないです。人の悪口はダメですからね。だから、におわす(笑)。
――実際に片寄さんご本人から見て、せとかちゃんみたいなタイプは魅力的に映りますか?
魅力はあるなと思います。すごく真っ直ぐで、ピュアで明るかったり、落ち込んだり、表に感情が見えるところが魅力的ですよね。ただ、もし自分がお付き合いをするなら、もうちょっと大人でいてほしいかなあ。
――一連の話で、割と策略家なのかなと思っています(笑)。
ばれました(笑)?わざとではないにしても、しっかりしていないところも見せられたらいいと思うんです。だって、人間は誰しもが完璧ではないですし、例えば、ずっと一緒にいたい人だったら、どう考えても絶対に弱さって見えますよね。であれば、最初から出したほうがいいと思っていて。弱さも受け止めてくれる人じゃないと、つらいじゃないですか。
――格好つけない、ということですよね。
そうです。そういう美学はあります。気取らないほうが格好いいんじゃないのかな、と思います。はるかは、そういうところが格好いいなと思うんですよね。
俳優業は「すごく自分の表現の幅を広げてくれるようなお仕事」
片寄涼太 撮影=岩間辰徳
――『兄こま』では、千葉さんとのシーンも多くありますよね。お話はされましたか?
僕にとって、千葉さんはすごく優しいお兄ちゃんです。撮影が終わって深夜の2時とか3時でも、「こういう話を監督としましたけど、どう思いますか?」というのをLINEで相談したりもして、「何か思ったこととか気づいたことがあったら、絶対に言っていいと思うよ」って声をかけてくれたりしました。千葉さんがいなかったら、たぶんできなかっただろうなということがたくさんありました。千葉さんの懐が深くて、どんな僕がきても受け止めてくれたから、僕も甘えてぶつかっていけたのかなって思っているんです。
――千葉さんから引き出されたようなところもあるんですね。
引き出されたっていうところも、もしかしたらあるかもしれないですけど。それよりも、僕はお芝居の経験もあまりないので、千葉さんからすると僕がどんなふうにくるかっていうのは、おそらく想像できなかったと思うんです。だから、その分大きく構えて受け止めてくれたんだな、というのを作品を観て特に思いました。縁の下の力持ちが千葉さんでした。
――千葉さん以外にも、草川さん、杉野(遥亮)さんなど、同世代の男性陣がたくさん出演されていますよね。
拓弥くんと杉野くんとは、撮影に入る前にちょこちょこリハーサルをさせてもらって、何度か顔を合わせていました。撮影の合間とかも、普通に楽しく話していました。楽しく話しているんだけど、真面目に取り組むときの切り替えがお互いにできていたので、すごくいい距離感で接することができたんじゃないかなと思います。拓弥くんはシャイなタイプなんですよ。シャイな中にもすごく優しさがあって、僕はそういうところがすごく好きです。杉野くんとは、役じゃないときも「お前さ~」みたいな感じです(笑)。実は僕、後輩とかにそういうふうにいけないタイプなんですけど、なぜか杉野くんだけは別で。楽しく反応してくれるんで、現場でもそういう会話が多かったです。
――撮影が終わった今でも、いい関係は続いていますか?
本当に仲良いですね。終わってからも、みんなでご飯に行ったりとかもしていますし。千葉さんが一番一緒に行きますかね。仲良くしていただいて、ありがたいです。
――お話をしていて、『兄こま』を通して一回り大きくなった片寄さんという印象も受けました。普段の世界とは違う俳優業は、どのような位置づけですか?
すごく勉強になる場所だと思いました。アーティストとして歌を届ける自分にも、すごく活かされる仕事です。いろいろな役を経て、いろいろな感情を学ぶことができたりしましたし、‟自分の感情があるからその言葉を発する”という当たり前のことですけど、そういう訓練にもなりました。すごく自分の表現の幅を広げてくれるようなお仕事なのかなと感じています。
――具体的に、意識の変化はあったんでしょうか?
意識は、より高まりました。自分ひとりで違う畑の新しい現場に踏み込んでいくことは、自分だけのものじゃなくて、やっぱりグループを背負っていたりすると思うんです。EXILE TRIBEというものの中から来ているひとりとして、先輩方の名前に傷をつけるわけにはいかないですし。そういう意味では、いろいろなものを背負っている自分という意識も、すごく強くなったかもしれません。
片寄涼太 撮影=岩間辰徳
――今後も俳優業を続けていくつもりは、ありますか?
機会をいただければ、ぜひチャレンジしたい気持ちは大きいです。今回は、すごく素敵な作品に出会えましたし、いろいろな形で自分を表現していける場が増えればいいと思っています。例えば、自分の見た目やイメージとギャップのある役をやりたいです。面白い役もいいかもしれないですし、悪い役とかもやってみたいです。
――ちなみに、GENERATIONSのメンバーは作品を御覧になりました?
はい!「すごい面白かった」と言ってくれました。小森隼は、「高嶺さんの大ファンになった!高嶺さんがカッコよすぎる」って言っていました。ほかのメンバーは、やっぱり恥ずかしがっていましたね(笑)。僕は『ひるなかの流星』(※メンバーの白濱亜嵐が出演)を観たとき、ほかのメンバーは笑ったりしていたんですけど、僕は全然恥ずかしいと思わなかったんですよ。僕、麻痺してるのかなあ?
――中でも、心に残った言葉はあります?
満場一致で言ってくれたのは、「この役は涼太くんしかできなかったね」、「これはお前がやる仕事だったな」と。それはすごく印象的だったし、言われてホッとしました。グループはひとりひとりの役割があって成り立つものなので、自分のひとつの役割を形にできたと思ってもらえたこと、メンバーが尊重してくれることがうれしかったです。
片寄涼太 撮影=岩間辰徳
映画『兄に愛されすぎて困ってます』は6月30日(金)より、全国公開。
インタビュー・文=赤山恭子 撮影=岩間辰徳
撮影=岩間辰徳
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監督:河合勇人( 「黒崎くんの言いなりになんてならない」「俺物語!!」)
脚本:松田裕子(「黒崎くんの言いなりになんてならない」「花咲舞が黙ってない」)
原作:夜神里奈「兄に愛されすぎて困ってます」(小学館「Sho-Comi」連載中)
出演:土屋太鳳、片寄涼太 (GENERATIONS from EXILE TRIBE)、千葉雄大
草川拓弥(超特急)、杉野遥亮 ほか
告白12連敗中で全くモテない女子高生・橘せとか(土屋太鳳)は、恋に恋するちょっと恋愛体質な女の子。
そんなせとかをずっと見守ってきたのは、ヤンキー系でクールだけど実は誰より妹想いなイケメン兄・橘はるか(片寄涼太)。2人は血がつながっていない兄妹だけど、その事実を知っているのは兄のはるかだけ。
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