【SPICE独占インタビュー】水樹奈々 初ミュージカルに挑む気持ちを告白 「ミュージカルには歌の魔法がある」
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水樹奈々
声優・歌手として常に最前線を走り続ける水樹奈々。彼女が声優デビュー20周年を迎える今年新たに挑戦するのがミュージカルだ。シンガーソングライター、キャロル・キングを水樹が演じるということで話題になっている本作。初舞台が日本初上演の大ヒットミュージカル、それも主演ということだが、この大役に挑む彼女の話を聞きたくてインタビューを敢行した。SPICE初登場の水樹は何を語ってくれたのか?
――まず、初めてこのお話聞いた時はいかがでしたか?
本当に私でいいんでしょうか!?というのが最初の反応です(笑)。
――すぐやろう!というわけではなく、葛藤があったわけですか。
ありました。チャレンジしたい!と最初にぱっと浮かんだんですけど、あのビューティフルを……! 私がニューヨークで見て感動したあのビューティフルを私が……!? 私があの感動をお伝えできるんだろうか……と思いました。素晴らしいミュージカルだからこそ、初舞台の人間が表現しきれるかと本当に悩みました。チャレンジしたい気持ちはあるけれど……。マネージャーさんや、キングレコードの三嶋プロデューサーなど、私の本当に身近な方々に相談に乗ってもらいました。でも今回はいろんなタイミングが重なったんですよ。
――デビュー20周年でもありますもんね。
そうです、それに今年は2017年、奈々の年なんです。その“7”月からの公演。作品もニューヨークでプレビュー公演も見ている。これは神様からの、大きなチャレンジをしなさい! という啓示だと思って、大きな一歩を踏み出すことにしました。
――下手すれば受けなかった可能性もあるんですね。
はい、そうかもしれません。
――でも奈々さんは色々切り開いてきた人だと思うんです。ドームでのコンサート、紅白出場など。その時時に葛藤はあると思うんですが、何か自分を前にすすめる原動力みたいなものはあるんですかね?
直感ですね。それを信じることにしてます。このお話も頂いた時にまず挑戦してみたい!と。だから最終的にはその直感を信じようと思いました。いつもそうなんです。例えば、東京ドームで初めてのライブが決まりそうになった時も、「お奈々、スケジュール取れそうだけど、どうする?」というプロデューサーさんの一言に、不安より先にまずやりたい! って気持ちが生まれたんです。あの夢舞台で歌いたい! ……でも、私で大丈夫かな……? って後から不安が湧いてきて(笑)。だからいつも最初に浮かんだ直感を信じることにしています。
――なるほど。
曲作りもそうなんです。アルバム制作のときは300曲位デモを聞くんですけど、コレを歌いたい! って直感で思ったものを選びます。作家さんの名前を全部伏せて番号だけで選ぶんですよ。不思議なのですが、私が歌いたい! と思う曲って、チーム水樹のみんなも選んでいて、だいたい揃うんです(笑)。
――今回は奈々さんはアウェイというか、ミュージカル畑に勝負を挑んでいる部分もあると思いますが。
勝負だなんて!(笑)とにかく恥ずかしくないパフォーマンスをしなければという自分との戦いですね。帝国劇場という歴史ある場所で、日本初演の作品をやらせていただくので、どんなものなんだろう?というミュージカルファンの方もたくさんいらっしゃると思うんです。みなさんに「水樹奈々キャスティングした意味がわかるね」と言っていただきたいですし、兎に角ドキドキです。
もうお稽古も始まっていると思うんですが、共演者の方たちとはいかがですか?
みなさん初めてあった感じがしないんですよね。それはみなさんの心がオープンだからだと思うんです。私は凄く人見知りで、心の襖が大奥みたいにたくさんあって(笑)、普段はそれを探りながら一枚ずつ開けていく感じなんですよ。でも今回は不思議で、その襖が最初から結構開いたんです。きっとみなさんが同じ目線で、同じゴールを目指していこう!と、短い期間にどれだけ家族のような絆を繋げられるか考えてくださっているからだと思うんです。だからお稽古が凄く楽しいです。皆さん個性的な方が多いので、自由な空気を感じます(笑)。
――今作は日本初上演。奈々さんはニューヨークでご覧になられたそうですが、演じられるのが今も活躍されるシンガーソングライターのキャロル・キングさんです。
そうなんですよ!
――歴史上の人物を演じるという事はあると思いますが、今も活躍される方を演じるというのはいかがですか?
リアルに彼女の生きた時代を感じられるものでなければならない……。それはとても難しいと思います。
――演じられるキャロルという役に共感したり、驚いたりする部分はありますか?
16歳で母親になる決断をする勇気を私は持てないだろうなって(笑)。 本当に凄い! 肝が座っていて、かっこいい! って思います。共感する部分としてはどんな時も諦めない精神力ですね。私も彼女と同じように、音楽の力でみなさんを勇気づけたいと思っていて、それはキャロルと共通している部分だと思うんです。私とキャロルの違う部分としてはその夢に両親が賛成してくれたこと。彼女は反対されていたので、そこでもきっと気持ちのバランスは違うと思います。でも私もキャロルも、デビューが決まってもなかなか軌道に乗らず、アルバイトしながら音楽という夢を追いかけていたので、少なからず似ているところはあると思います。何があっても夢を諦めない、そこに対する折れない心は共感するところですね。
――ミュージカルをやると言うので驚かれた人も多いと思います。
みんなに凄く驚かれました!
――勿論声優水樹奈々のファンの方も、この作品はかなり注目していると思います。その中で帝国劇場でミュージカルを見るということはハードルの高さを感じている方もいらっしゃるかもしれません。そういう方にお芝居の見どころとか、劇場へのアドバイスなどあれば。
私のラジオ番組にもたくさんメールを頂きます。何を着ていこうかな?とか、初めてミュージカルを見ます!というメッセージも凄く多くて。私が思うミュージカルの魅力は、キャラクターの本音、心の内を歌に乗せて爆発するところです。私も歌詞を書くのですが、改めて完成したものを見ると「きみを守りたい」とか「ずっと傍にいるから…」とか絶対日常では恥ずかしくて言えない言葉も書けちゃうし、歌に乗せると気持ちを込めて歌えるんです。照れくさい事も素直に言葉にできる、それが歌の魔法だと思っていて、まさにそれがミュージカルなんじゃないかなと思うんです。気持ちを凝縮したものを音に乗せて伝える、そうするとセットの向こう側に広がる空間がブワッと広がるんですよね。
――セットの向こう側ですか。
舞台の限られたスペースが、この作品で言うならまるでニューヨークになってしまうような魔法が音楽でかかる気がします。勿論お芝居があってこそなんですけど、音楽の力が合わさってそれが360度に広がるというか……そういうイメージがあるんです。
――なんかお話を聞いていると、緊張しすぎず気楽に見に来てもらいたいですね。
ぜひ!!緊張って伝染するので、私も緊張しちゃうから!(笑) リラックスして見に来ていただければ嬉しいです。ぜひ私のチャレンジを見届けてください!!
――そして勿論お芝居のパートもあります、以前座長公演と言う形で舞台には立たれていますが。
いやー本当に難しいです!! まず言葉と動きの連動を頭で考えちゃうんですよ。ニューヨークからいらっしゃった演出家さんがつけてくださった動きがあって、そこに気持ちをつなげるにはどうしたら良いか逆算しているのですが、考えすぎちゃう所があって、それが駄目だなぁと思います。アニメのアフレコだとキャラクターの動きや表情から気持ちを膨らませ、そこにどれだけ乗っていけるかと言うのが勝負なんですけど、今回は自分の体一つなので、頭の先からつま先までキャロルになっていないといけない。でもそれが出来ているのか悩んで、行ったり来たりしてますね。自然に、頭で考えずにキャロルになれるよう頑張っています。
――座長公演とはやはり違いますか。
あの公演では“水樹奈々が演じている坂本龍馬”とか“水樹奈々が演じている水戸黄門”を楽しんでもらうもの。今回は水樹奈々が見えてはいけないので、歌のクセや動きのクセが出ないように指導してもらっています。
――改めて、お芝居楽しいですか?
楽しいです!やらなきゃいけないことが山盛りで頭はパンパンなんですけどね(笑)。でも色々な扉が開き始めているので、そこに思い切って飛び込んでいきたいと思います。
――逆に水樹奈々を余り知らないミュージカルファンの方も沢山見に来ると思います、そういう方にどういうものをアピールしたいですか?
見に来て頂けるだけで幸せです!(笑) 兎に角皆さんに楽しんで頂けるステージを作りたいという思いだけです。私がキャロル・キングとしてそこに存在できたら、きっと楽しんでいただけけると信じています。歌はもちろんですが、そこに至るまでのお芝居が物凄く大事で。歌だけの稽古をしていた時には見つけられなかった表現に今たくさん出会っています。更にこれから稽古を続けてもんでいくと新たな発見がどんどん出てきそうなのでそれも楽しみです。
――この作品を超えた先にまた新たな水樹奈々が生まれるかもしれませんね。
かもしれません。でも、まずは超えていかないとですね(笑)。
――では、コレを見ているファンの方にコメントを頂ければ。
兎に角全力投球で挑む私の初ミュージカルを是非見届けていただければ幸せです!新しい私を感じていただけると思っていますし、ここでしか見られない役者・歌手水樹奈々があると思うので!私はみなさんからいつも凄いパワーをいただいています。先輩から、舞台というのはお客様も含めて完成するものなんだよと言われて、ライブと同じなんだ! と思いました。是非劇場で一緒にビューティフルを作って頂ければ嬉しいです!
――最後の質問です、キャロル・キングに何か伝えるとしたら、なんて言いますか?
えー!?大好きです!って一言です!(笑) でも制作発表の動画を見てくださったみたいで、キャロルご本人がTwitterで「アナタは優秀です」って書いてくださったんですよ! まさか見て頂けたなんて感激でした。この気持ちを舞台に乗せていきたいです!
インタビュー・文:加東岳史
■会場:帝国劇場
■日程:2017年7月26日(水)~8月26日(土)
水樹奈々/平原綾香(Wキャスト)
中川晃教 伊礼彼方 ソニン 武田真治 剣幸
伊藤広祥 神田恭兵 長谷川開 山田元 山野靖博
エリアンナ 菅谷真理恵 高城奈月子 MARIA-E ラリソン彩華 綿引さやか
■音楽・歌詞:ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング バリー・マン&シンシア・ワイル
■演出:マーク・ブルーニ
■振付:ジョシュ・プリンス
■オリジナルセットデザイン:デレク:マクレーン
■オリジナル衣裳デザイン:アレホ・ヴィエッティ
■オリジナル照明デザイン:ピーター・カックゾロースキー
■オーケストレーション・ヴォーカル&音楽アレンジ:スティーヴ・シドウェル
■演出リステージ:シェリー・バトラー
■振付リステージ:ジョイス・チッティツク
■音楽スーパーヴァイザー:ジェイソン・ハウランド
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