『石内 都 肌理と写真』が横浜美術館で開催 被爆者の遺品をとらえた写真作品「ひろしま」も

2017.8.21
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アート

《Bayside Courts #67》1988-89年、ゼラチン・シルバー・プリント (c)Ishiuchi Miyako

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『石内 都 肌理と写真』が、2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)にかけて横浜美術館にて開催される。

石内都は、1947年生まれの写真家。2014年に日本人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、国際的に最も高く評価される写真家のひとりだ。 近年では、被爆者の遺品を被写体とする「ひろしま」やメキシコの画家フリーダ・カーロの遺品を撮影したシリーズで、その活動は広く知られている。

《ひろしま #112 Donor: Omoto, T.》2016年、発色現像方式印画 (c)Ishiuchi Miyako

《ひろしま #71》2007年、発色現像方式印画 (c)Ishiuchi Miyako

《Frida by Ishiuchi #107》2012年、発色現像方式印画 (c)Ishiuchi Miyako

2017年は、石内が個展「絶唱、横須賀ストーリー」で実質的なデビューを果たしてから40年を迎える年にあたる。本展は、この節目の年に、石内自らが「肌理(きめ)」というキーワードを掲げ、初期から未発表作にいたる約200点を展示する内容となる。住人のいなくなったアパート、身体の傷跡、大正・昭和の女性たちが愛用した絹織物、亡き母や被爆者らの遺品の写真を通して、存在と不在、人間の記憶と時間の痕跡を一貫して表現し続ける石内の世界を凝縮して紹介する。

《絹の夢 #50 併用絣銘仙 桐生》2011年、発色現像方式印画、アーツ前橋蔵 (c)Ishiuchi Miyako

《絹の夢 #51 半併用絣銘仙 桐生》2011年、発色現像方式印画 (c)Ishiuchi Miyako

 

横浜の地に暗室を設けて早くも40年の歳月が過ぎた。暗室から生まれた写真はヴィンテージプリントとなり、時間と空気をたっぷり吸って粒子の粒を際だたせる。横須賀からスタートした写真の行方は、固有の気風をのせて歴史と身体と遺されたもの達が一体となり、肌理(きめ)を整え、未来へ向けて発信する。

石内 都

 

イベント情報
石内 都 肌理と写真

会期:2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)
会場:横浜美術館
開館時間: 10時~18時
*2018年3月1日(木)は16時まで 
*2018年3月3日(土)は20時30分まで
(入館は閉館の30分前まで) 
休館日:木曜日(ただし、2018年3月1日を除く)、年末年始(2017年12月28日[木]-2018年1月4日[木])http://yokohama.art.museum/special/2017/ishiuchimiyako/