村上虹郎『二度めの夏、二度と会えない君』インタビュー「お芝居にも“F”はあるから難しい」
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村上虹郎 撮影=鈴木久美子
「好き」という気持ちを伝えるためにタイムリープする物語は胸が高鳴るものだが、「好きと言わないため」に過去をやり直すことは、こんなにも切なく、もどかしい気持ちになるものかと、映画『二度めの夏、二度と会えない君』で痛感する。主人公の篠原智を演じた村上虹郎に、その心中を尋ねれば、「観ているぶんにはいいですけど……、歯がゆいのは、嫌ですよね」と、やはり苦々しく答えた。
難病を患うヒロインの森山燐(吉田円佳)と過ごした最後の夏を、なぜかやり直すことができる奇跡を手にした智は、ふたりの関係性を台無しにした自分の告白をしないようにと、“二度め”の運命を辿る。劇中で燐や同級生とバンドを組み、実際に演奏まで披露した村上は、ギターの難関“F”コードの押さえ方にもじり、「お芝居にもFはある」と語った。さて、本作で感じた村上の“F”とは――単独インタビューで聞いた。
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
――生き生きと智を演じられていて、いろいろな表情の村上さんを堪能できる映画でした。
僕は智を結構シンプルな男だなと思っていたんです。すごく純朴な面があるし、あまり無駄なものは必要ないから、演じる上では削いでいく作業をしていました。僕が持っているいろいろなものは「とりあえず置いておいて」という感じで。もちろん複雑な環境で、複雑な条件で、複雑な感情を抱いて、彼は彼の世界を生きていると思うのですが、難しいやつではないという印象です。
――舞台が高校ということもあり、ご自分の学生時代を思い出しましたか?
「学生ってどういう感じだったかな?」とは思いました。僕、日本で学生だったことはあるのですが、日本の高校には行ったことがないので分からないんです。こうして話をしていると、当時のことは思い出します。ただ、撮影中はこの世界に生きていたから、あまり意識していませんでした。
――中学時代から村上さんもギターをやっていらしたそうですね。劇中で披露するのは、どのような感覚になるんでしょうか?
智もどれくらい練習したのかは不明ですけど、すごくうまい印象ではないかな、と思ったんです。
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
――ああ、「天才的なギタリスト」とかではない、と。
そうなんです。制服も着ているし、別にミュージシャンばりの、本当のバンドマンのように「様になっている感」とはまた違うと思って。
――そうですね。実際にバンドで音を合わせた感想は、いかがでしたか?
実際バンドの中で演奏してみると、すごく新鮮でした。しっかりエレキで、こうしたバンドものの音を最後まで弾くことを、あまりしたことがなかったので楽しかったです。(吉田)円佳さんも、僕らに指示したりはしないし、「下手くそ!」と言われたこともなかったので(笑)。
――(笑)。もし言われたら、怖いですね。
怖いですね。言われたら言われたで「そんなに面白い人だったんですか!?」ってなります(笑)。実は、円佳さんは初のお芝居・初の映画だったから意外に緊張されていたようなんです。僕はそうは見えなかったのですが。
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
――変態ベーシスト石田六郎役・山田裕貴さんとの息の合い方も絶妙でした。
山ちゃんは、やっぱり達者な方です。(山田さんは)27歳だから、僕とは一世代くらい違うんですよね。聞いているバンドも絶対違うだろうし、カラオケもたぶん違うだろうな。それと、ウケるときもあるけど、スベり倒すプロなんです。
――えっ。どういうことですか?
スベることを恥じないし、物怖じしないんです。本人がよく言いますが、「怖がらない男だ、俺は!」ということで、やっている。それがとても面白いんです。プライスレス!
――物怖じしない面で言ったら、村上さんも同じ印象があります。
滑るのは怖いですけれどね!僕も意外とスベり屋なんです(笑)。あまり人の共感を得ずに滑るタイプなんです、僕。
――現場では村上さん&山田さんの男性チーム、そして女性チームを合わせた5人での場面が多かったと思います。どのような雰囲気だったんですか?
雰囲気は明るかったです。僕以外の4人は、たんこぶちん、AKB48、D-BOYS、モデルという編成。「みんな、肩書きがあっていいなあ」と思っていました。基本的に女性が多かった現場だったので、僕はあまりそこに介入せずに、ギターを練習したりしていました。
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
――演奏は吹き替えなしですもんね?
吹き替えは、ないはず!あの手の寄り、あの毛穴、あの毛の生え方は僕だと思う!
――(笑)。ドラム担当・花京院姫子役の金城茉奈さん、山田さんは楽器が初だったそうですし、吹き替えなしと知って驚きました。
そうです、2人は3カ月ぐらい練習したらしいです。楽器を初めてするって、結構なことだと思うので相当頑張ったんだろうなと。僕も、“F”とかは最初、結構苦戦しましたし。
――ギターコードの押さえ方ですね。
「F、難しくない!?」と(笑)。でも、お芝居にもFはあるから難しい、ということは絶対にありますよね。
――すごく的確な言葉ですね。本作でのFはどこでしたか?
『二度めの夏、二度と会えない君』では、どうですかね……。後悔はしないようにしていますから、そのときにやることは全部やったと思っています。そのときのベストが出ていれば、そのときのベストを撮ってもらえていたら、引き出してもらえたら、という思いでしていました。
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
――自分で「よかった」と思える場面はどこでしたか?
演奏は特に頑張りました。この作品は、僕の10代最後の制服の映画という認識もあって、「若かったな」という感じも受けています。
――現在20歳なので、10代~20代で変わってきた感覚があるんですね。
あります。今年もいくつか作品に関わらせていただきましたが、今年は1回も制服を着ていないですね。そのようなこともあり、20代になってやらせていただく役の幅が変わってきた印象はあります。
――最後に。智は「二度め」の夏で、燐に想いを伝えないように必死ですよね。言葉には出さないけど伝わる想いというものを映画から感じましたが、村上さんは言葉にしないでいることについて、どう考えていますか?
いいなと思う部分はありますが、歯がゆいのは嫌です。智は「一度め」は、やっぱり自分が後悔したくないから、燐に「好き」と伝えた。決して燐のために言ったわけではないと思うんです。燐のリアクションが「あ、あまり喜んでくれないんだ」という感じだったので、「二度め」で違う行動を取る。そういう形もあるだろうけど、それを「カッコイイな」と思うシチュエーションって、なかなかないといいますか。普通に生きていたら、「いや、そのまま想いを告げて」と思いますし、僕は基本的に(恋は)実ったほうがいいと思っているので。でも、そこは上手くいかないものですからね。観ているぶんにはいいですけど……、歯がゆいのは、嫌ですよね(笑)。
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
映画『二度めの夏、二度と会えない君』は9月1日(金)より、全国公開。
インタビュー・文=赤山恭子 撮影=鈴木久美子
村上虹郎サイン入り『二度めの夏、二度と会えない君』プレスを1名様に
村上虹郎 撮影=鈴木久美子
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映画『二度めの夏、二度と会えない君』
原作:赤城大空「二度めの夏、二度と会えない君」(小学館「ガガガ文庫」刊/ガガガ文庫10周年企画)
脚本:長谷川康夫
監督:中西健二
「蝉時雨ライダーズ」(YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS)
配給:キノフィルムズ/木下グループ