新納慎也「北翔海莉さんがものすごいスピードで女性になっていく!」ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』公開稽古レポート
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北翔海莉(中央)
2017年8月30日(水)、都内にてミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』の公開稽古と囲み取材が行われ、出演の北翔海莉と新納慎也、演出のトム・サザーランド、振付のニック・ウィンストンが登壇した。
本作は、リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に、7セント半の賃上げを望むパジャマ工場の労働者と雇用者の戦いを、若き工場長シドと組合員ベイブの恋を交えて描くミュージカル・コメディ。1954年に初演された本作は、ボブ・フォッシーが初めて振付を行った作品としても知られており、後にトニー賞最優秀作品賞を受賞している。
今回演出を務めるのは、ミュージカル『タイタニック』やミュージカル『グランドホテル』で高い評価を受けたイギリスの演出家 トム・サザーランド。振付はロンドンのミュージカル界でトップ10に入る振付家ニック・ウィンストン。
出演は、本作が宝塚歌劇退団後初の舞台出演となる北翔海莉、NHK大河ドラマ『真田丸』で豊臣秀次役を好演、ミュージカルや音楽制作など多方面で活躍する新納慎也、さらに大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄ら。いずれも人気実力を兼ねそろえたキャストだ。
公開稽古では、オープニングシーンと「時計と競争」の場面が続けて披露される。1950年代アイオワ州の田舎町にあるパジャマ工場で営まれる労働者の日常と、そこに工場長として赴任したシド(新納)が仕事に野心を燃やす姿があり、セットチェンジを挟み、2幕はじめの楽曲「ブルータウン」が披露されると、組合の仕事に情熱を注ぐベイブ(北翔)がフォッシースタイルでハツラツと踊りこなしていた。
『パジャマゲーム』
新納慎也
『パジャマゲーム』
北翔海莉
公開稽古の後、囲み取材が行われた。現在の心境を尋ねられた北翔は「オープニングからワクワクする演出を付けていただきまして、毎日遊園地に行くような気分で稽古場に行っています」と朗らかに応え、「退団して初めての舞台で緊張と不安があったのですが、ベイブは実に芯のしっかりした女性なので着飾らないで本来の自分のまま入り込める役。気張らずに演じることができています」と語った。
ニック・ウィンストン、新納慎也、北翔海莉、トム・サザーランド
一方、新納は「パジャマ工場をどう表現するんだろうって思ってたんですけど……うまくいってたでしょ!?」と公開稽古を振り返り、「稽古初日から勝算を得ています。明るく楽しく何も考えないで観ることができる作品。絶対に楽しんでいただけるはず!」と自信を露わにした。また、共演の北翔については「北翔さんがものすごいスピードで女性になっていく姿を、いつもものすごく近くから見ています(笑)」と冗談交じりで語ると、北翔は照れながら「新納さんと一緒に踊る場面があるのですが、女役の方はこんなに大変な想いで踊っていたのだと今更ながら気づきました」と笑顔。
新納慎也、北翔海莉
今作で初の“2枚目キャラ”に挑戦する新納は、その心境について尋ねられ「正直言うと気持ちよくなってきています。台本の中で『今度の工場長かっこいいよね』なんて台詞があると、台詞とは分かっているとはいえ……嬉しいですよね(笑)」と語り、自身の役を気負いなく楽しんでいる様子を見せた。
新納慎也
また、北翔と新納の印象について尋ねられた演出のトムは「二人ともやる気満々で実力もあるし、とても有名な役なのに怖じ気つかない(笑)。安心して新しいことにトライできるので、とても嬉しいです」と絶賛。振付のニックも「二人ともスポンジのような吸収力でどんな要求にも答えてくれる。だから、もっともっとアイデアを投げたくなってしまう(笑)」とクリエイティブな稽古場になっていることを印象付けた。
トム・サザーランド
囲み取材では最後に北翔が「『パジャマゲーム』はミュージカルの楽しさが再確認できる作品。演出、振付、舞台美術と面白い要素がつまった舞台になっています。なので、舞台を通して人生の良いきっかけになるような、そしてパワーを与えられるステージにできたら嬉しいなと思っています」と意気込み、新納は「個人的なことですが、こんなにイケメンな役は後にも先にもないと思います。これが最後になると思いますので、それをぜひ観に来ていただきたいです(笑)」とPR、「ブロードウェイやウェストエンド的な華やかさのある“That’s ミュージカル!”と言える作品。ミュージカルの純粋な楽しさを感じていただければ」と報道陣に呼びかけた。
取材・文・撮影=大宮ガスト
■日時・会場:
【東京公演】2017年9月25日(月)~10月15日(日)日本青年館ホール
【大阪公演】2017年10月19日(木)~10月29日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
■原作:リチャード・ビッセル
■脚本:ジョージ・アボット/リチャード・ビッセル
■作詞・作曲:リチャード・アドラー/ジュリー・ロス
■翻訳・訳詞:高橋知伽江
■演出:トム・サザーランド
■振付:ニック・ウィンストン
■音楽監督:島健
■美術:松井るみ
北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、広瀬友祐、上口耕平、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄 ほか