ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』5人のビリー少年が明かす初日から約一ヶ月半を経た今の心境
-
ポスト -
シェア - 送る
(上段左から)吉田鋼太郎、益岡徹、柚希礼音、島田歌穂 (下段左から)加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力
2017年7月から日本で開幕したミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』。現在上演中のTBS赤坂ACTシアターに続き、10月からは大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演、全体で延べ17万人を動員する大規模な公演だ。主人公・ビリー役を演じる少年は5人。応募総数1346名の中から長期のオーディションを経て選ばれた彼らは、吉田鋼太郎・益岡徹・柚希礼音・島田歌穂ほか錚々たる大人キャストらを相手に圧倒的な演技を繰りひろげ、連日大喝采を浴びている。そんな中、SPICEは5人のビリーに、書面によるインタビューをおこなった。公演初日から約一ヶ月半が経過した今、彼らの心のうちはどうなっているのか? 11月の大千穐楽までさらなる進化を続ける彼らの言葉をぜひ注目してほしい。
ビリー・エリオット役
加藤航世 (かとう・こうせい)東京出身 13歳
木村咲哉 (きむら・さくや)東京出身 11歳
前田晴翔 (まえだ・はると)東京出身 12歳
未来和樹 (みらい・かずき)熊本出身 15歳
山城力 (やましろ・りき)東京出身 11歳(開幕後まずはトールボーイ役として出演し、8/20よりビリー役として出演)
――まずは、舞台にデビューしてから、今までの気持ちをお聞かせください。
加藤 初めも完璧な状態で舞台に上がったつもりでしたが、やっぱり何回もやっているうちに上手になってきたと思います。同じ役を27回もやるなんて、飽きるかと思ったけど、飽きるどころか、ますます面白くなっています。このまま最後まで頑張りたいです。
木村 デビューの頃は不安がいっぱいあったのですが、今はお客さんの拍手を貰えるたびに勇気を貰えてとても充実しています。
前田 毎日出たいくらい楽しくて、一公演が終わるごとに「あ~もうあと何回しかない」と思ってしまいます。
未来 デビューしてから今までは、ひたすら1回1回の公演を全力で演じ続けてきただけなので、まだ始まったばかりのような気分です。振り返ってみると、もう折り返し地点に来ているということが信じられません。あと残り少なくなってきた公演ですが、毎回、前回の自分を超えてもっとたくさんのお客様に感動やパワーをお届けしたいです。そして、最後に僕のビリーとしてのゴールテープを胸を張って切れるようにこれからも頑張っていきたいと思います。
山城 ビリー役としてデビューしたとき、最初はとても緊張したのですが、徐々に肩の力も抜けて楽しくなってきました。2、3回出演させていただくうちに僕の身体にどんどんビリーが降りてきて、今は自然にビリーとして舞台に立てるようになりました。舞台上で初めて分かったことは、観客の方々の拍手がとても嬉しいということ。心のこもったたくさんの拍手を頂くと、嬉しくて嬉しくてパワーが倍増します。
加藤航世(かとう・こうせい)東京出身 13歳
――もし、お客さんひとりひとりとお話が出来るなら、どんなことを訊きたい/言いたいですか?
加藤 いつもブラボーや拍手をありがとうございます。舞台からもお客さんたちの表情がよく見えて、とても励みになっています。
木村 今日のぼくのビリーは何点でしたか? 100点目指して頑張りますので、これからもどうか見守ってください。
前田 僕はヒップホップ系ダンスと思われていますが、バレエもこの一年頑張ってきたので、僕のバレエについての感想を聞きたいです。
未来 お客様の応援や、たくさんの拍手にいつも支えられているので、その感謝の気持ちを伝えたいです。
山城 ビリーはとても才能に溢れていてスペシャルな男の子ですが、その反面、どこにでもいる普通の男の子なんです。時代や国や立場を越えて、みんな誰でもビリーになり得ると思います。ウィルキンソン先生が、ビリーのお母さんからの手紙を読んだあと、「きっと特別なお母さんなのね」と聞いて、ビリーが「ううん、ただの俺の母ちゃん」と答えます。僕もみなさんにとって、とても身近な「ただのビリー」と感じてもらえると嬉しいです。
――舞台は思わぬアクシデントもあるかと思います。本番中に驚いたこと、面白かったことはありますか?
加藤 足にテーピングをしていて靴がパンパンになっていたので、アングリーダンスの時にシューズカバーがなかなか脱げなくなり焦りました。また、合格発表の手紙を立てる時、調味料入れが倒れたので、直したらもう1つも倒れるというコントみたいな状況になりました。それから、お父さんに飛びつく時、勢いよく行きすぎておでこをゴツンとぶつけてしまいました。
木村 1幕の最初でビリーが2階で寝ていて、本当はボクシング・グローブを持って下に降りていくところで、グローブがありませんでした。焦って何気なく探しながらお芝居していたら、ジョージに「とっとと着替えろ!」とカバンを渡されました。すると、その中にグローブがあったのでホッとしました。
前田 マイクが外れてしまったことです。踊るたびに顔にバシバシ当たりました。
未来 合格通知のシーンで、ジョージが変なダンスをしているとき、キッチンの置物が落ちてきてパリーンと割れました。絶妙なタイミングだったので、思わず笑ってしまいました。
山城 フライングが終わった後に、ワイヤーが上がらないことがありました。一瞬ビックリしたのですが、オールダービリーの栗山さんが心の合図を送って下さったおかげで落ち着いてワイヤーを避けながら踊り切ることが出来ました。感謝しています。
木村咲哉(きむら・さくや)東京出身 11歳
――「Dream Ballet」では14年後のビリーと踊っていますが、14年後の自分は何をしていると思いますか?
加藤 バレエです。
木村 僕の将来の夢は、芸能界でダンスやお芝居をやっていくことなので、その夢が叶っていたらいいなと思います。あと、14年後にもし再演していたらオールダー・ビリーをやりたいです。
前田 14年後、26歳。少し前は大学の研究室で生物の研究とかしてたいと思っていたけど、今は俳優になっていたらいいなと思います。
未来 今はビリーのことだけで精一杯なので分かりません。
山城 今はビリーのことで頭がいっぱいなのですが、今後の夢としては、もっと踊りや歌や演技を努力しながら様々な役にチャレンジして深みのある役者になりたいです。
――ほかの役を演じるなら、誰を演じてみたいですか?
加藤 スモールボーイ(笑)。本当はオールダー・ビリーです。
木村 オールダー・ビリーです。理由は今までたくさんバレエを教えてもらってバレエが前より大好きになったので、もっともっと上達してからオールダー・ビリーをやってみたいです。
前田 ウィルキンソン先生
未来 おばあちゃん
山城 マイケルです! 僕は、ユーモアがあって一緒にいると楽しくなってとっても前向きなマイケルが大好きです(笑)。
前田晴翔(まえだ・はると)東京出身 12歳
――本番中、ビリーの休憩はごく僅かですが、その間どんな風に過ごしていますか?
加藤 トイレに行ったり、のど飴舐めたり、二幕に備えてます。
木村 「エレクトリシティ」の後ろから前に来て回る技を先生に見て貰って練習したり、「アングリーダンス」のすぐあとで髪が汗で濡れてしまっているのでスタッフさんに乾かして貰っています。
前田 休むヒマないです。
未来 お母さんに作ってもらったおにぎりを食べて、エネルギーチャージをしています。
山城 僕は瞑想をしています。瞑想をすると気持ちが落ち着いて、力が抜けるので、良い具合に緊張がほぐれたりします。
未来和樹(みらい・かずき)熊本出身 15歳
――リピーターのお客さんも多くいらっしゃいます。ビリーだけが知っている「こんなところを観てほしい」という部分はありますか?
加藤 「シャイン」のバレエガールは細かいところまでこだわって演技しています。スーザン・パークスが一回ドアにぶつかってからはけるところとか、すごく笑えます! あと、デビーはビリーが好き、マイケルもビリーが好き、ビリーは複雑な関係の中にいます(笑)。
木村 ビリーだけというわけではないのですが、大人キャストさんが色々な違う役を演じていてすごいのでぜひ注目して見てください。
前田 バレエガールズ!! 僕自身もバレエガールズのキャラ設定にハマりました。
山城 大好きな「エレクトリシティ」の中に出てくる”電気”という言葉。とっても意味が深いんです。ビリーは踊っているときの気持ちを、自分の中に”電気”が生まれて、それがスパークする感じだと表現しています。そして「僕は自由だ」と気が付くんです。この”電気”は”石炭”と対なんだと聞きました。ビリーが持つ輝きは、石炭が輝かせている電気のようなもので、あの炭鉱の町で育ったからこそ今のビリーがいる。だけどビリーがもっと輝くためには別のエネルギー源が必要で、だからここで出て行かないといけないんだという……。この”電気”という言葉には、過去と未来も表現されているんです。
山城力(やましろ・りき)東京出身 11歳(開幕後まずはトールボーイ役として出演し、8/20(日)よりビリー役として出演)
――この舞台に出演して得たものは何ですか?
加藤 バレエ以外の色々なダンスの経験。全幕踊り通す体力。かけがえのない友達。
木村 前までは、ちょっとしたことですぐ泣いてしまったりしたのですが、この舞台に出演させていただいてからはちょっとしたことで泣かなくなりました。なので、この舞台で得たものは「強さ」かなぁと思います。
前田 達成感と、将来の夢。
未来 「諦めずに努力し続ければ夢は叶う」ということです。
山城 「夢を諦めない気持ち」です。僕はこのオーディションを受けるために家族を説得して、住んでいたシンガポールから一人で帰国してきました。そして頑張って長期オーディションに臨んだのですが、最終審査で落ちてしまって。でもチャンスを頂き、ビリー役のレッスンを継続させてもらって、開幕の約2か月前にようやくビリー役として認めていただくことが出来ました。決して順調とは言えない日々でしたが、どんなときも一生懸命に練習して夢を諦めなかったから今があるんだと思います。
全体を通して、「個性的であること」の尊さも描かれている本作。このインタビューからも分かるように、5人それぞれのビリーにも日毎に個性が色濃く現れており、全パターンを制覇すべくリピーターも増加中だ。東京公演は、10月1日(日)まで絶賛上演中。大阪公演は10月15日(日)~11月4日(土)梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。現在、イープラスにて通常よりもお得な
※マイケル4人のインタビューはこちらからお読みください。
お一人あたり最大4,500円もお得なペア
S席【2枚1組】:18,000円(お一人あたり4,500円もおトク!)
A席【2枚1組】:13,000円(お一人あたり3,000円もおトク!)
☆受付期間=受付中~9/14(木)18:00まで
<大阪公演>ファミリー
25歳以下のお客様と一緒ならおトク!
☆受付中~10/6(金)18:00
<大阪公演>サンドイッチ&スコーン付き
☆9/12(火)10:00~10/6(金)18:00まで
■公演期間:2017年7月19日(水)~7月23日(日)
■会場:TBS赤坂ACTシアター
■料金(全席指定、消費税込):S席12,500円、A席8,500円
<東京公演>
■公演期間:2017年7月25日(火)~10月1日(日) 全100回(プレビュー公演含む)
■■会場:TBS赤坂ACTシアター
料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円
<大阪公演>
■公演期間:2017年10月15日(日)~11月4日(土) 全26回
■会場:梅田芸術劇場 メインホール
■料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円、B席5,500円
<
ホリプロ
<キャスト>
加藤航世 木村咲哉 前田晴翔 未来和樹 山城 力/吉田鋼太郎 益岡徹/柚希礼音 島田歌穂
久野綾希子 根岸季衣/藤岡正明 中河内雅貴/小林正寛/栗山廉(Kバレエ カンパニー) 大貫勇輔
森山大輔 家塚敦子 大塚たかし 加賀谷真聡 北村 毅 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 橋本好弘 羽鳥翔太 原慎一郎 丸山泰右 横沢健司 木村晶子 小島亜莉沙 竹内晶美 三木麻衣子 秋山綾香 井上花菜 出口稚子
古賀 瑠 城野立樹 持田唯颯 山口れん 香好 佐々木琴花 夏川あさひ
遠藤美緒 大久保妃織 小野梓 久保井まい子 佐々木佳音 高畠美野 近貞月乃 並木月渚 新里藍那 堀越友里愛 小溝 凪 笹川幹太 岡野凜音 菊井凜人 桜井 宙
<ロンドンオリジナルスタッフ>
■脚本・歌詞:リー・ホール
■演出:スティーヴン・ダルドリー
■音楽:エルトン・ジョン
■振付:ピーター・ダーリング
■美術:イアン・マックニール
■演出助手:ジュリアン・ウェバー
■衣裳:ニッキー・ジリブランド
■照明:リック・フィッシャー
■音響:ポール・アルディッティ
■オーケストレーション:マーティン・コック
<日本公演スタッフ>
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩一
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:前田節子
擬闘:栗原直樹
演出助手:西祐子、伴・眞里子、坪井彰宏
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎
<コーチ協力>
バレエコーチ:K-BALLET SCHOOL
タップコーチ:Higuchi Dance Studio
アクロバットコーチ:コナミスポーツクラブ
■主催:TBS / ホリプロ/ 梅田芸術劇場 /WOWOW/MBS(大阪公演のみ)
■Billy Elliot the Musical worldwide is produced worldwide by Universal Stage Productions, Working Title Films and Old Vic Productions and is based on the Universal Pictures/Studio Canal film.
■特別協賛:大和ハウス工業株式会社
■協賛:Obagiイープラス 極東証券 こだま印刷 ジェイワールドトラベル