CKB、晴天のィヨコハマで攻めの20周年「ルーキーに戻ってチンピラかまします」
クレイジーケンバンド「CRAZY KEN BAND 20TH ATTACK! CKB[攻]」の様子。 撮影:小河俊哉 / 岩屋光俊 / 岡田友貴
クレイジーケンバンドが9月2日、神奈川・横浜赤レンガ野外特設ステージにてバンド結成20周年ライブ「CRAZY KEN BAND 20TH ATTACK! CKB[攻]」を開催した。
クールスRC、ダックテイルズ、ZAZOUなどのバンドで活動しながら職業作曲家としても活躍していた“東洋一のサウンドマシーン”横山剣(Vo)が、地元横浜を拠点に1997年に結成したクレイジーケンバンド。さまざまなジャンルを独自のフィルターを通してポップに表現した楽曲は、幅広い支持を集めている。結成20周年を記念して行われた今回のライブには老若男女が集い、横浜の海に面した開放的な野外特設会場はピースフルな空気に満ちあふれていた。台風接近による悪天候も懸念されたが、当日は見事な晴れ模様。会場後方の芝生エリアにはレジャーシートを敷き、親子でくつろぎながらライブを楽しむ家族連れも多く見られた。
開演時刻になると、DJで会場を盛り上げていたMIGHTY CROWNがCKBのメンバーを呼び込む。すると突然、会場後方からバイクのエンジンをふかす音が響き、メンバーがバイクやスクーター、人力車に乗って続々と登場。強烈なエンジン音と共に最後に姿を現した横山は、猛スピードでステージへと向かい、豪快な銅鑼の合図でライブをスタートさせた。1曲目に歌われたのは、結成当初からのレパートリー「スージー・ウォンの世界」だ。場内に設置された3つのスクリーンでは、1997年のCKB結成当時の貴重なライブ映像が、ステージで演奏する現在のCKBの姿と交互に映し出された。
序盤は「GT」や「太陽のプレイメイト」といった軽快なナンバーで観客も体を揺らして盛り上がったが、「Loco Loco Sunset Cruise」や「せぷてんばぁ」では中西圭一の演奏するフルートがさわやかな空の下に響き、客席はリラックスムードに。ひたすら「中華街」を連呼する「中華街」、イベント会場への出店もあった業務用食品卸会社・西原商会の社歌もメロウなボッサアレンジで歌われ、さらに「本牧ビーチ・フィールド」「本牧仕様のサーファーガール」といったご当地ナンバーが夕暮れ前の最高のシチュエーションで披露された。続く「けむり」からは一転、「タイに行きたい」「路面電車」「シンガプーラ」などCKBならではのディープなゾーンに突入。ステージ上に置かれたマーライオンの目が赤や青に怪しく光り、陽が落ち行く場内のムードと相まって異様な光景を作り上げた。
「タオル」のアウトロから「音楽力」につながるメドレーでは、ゲストのFull Of HarmonyとISO(I.S.O.P.)が合流し、美しいハーモニーを響かせた。小野瀬雅生(G)をフィーチャーしたインストの“小野瀬雅生ショウ”を挟んで登場した2組目のゲスト・RHYMESTERは、2002年発表の「肉体関係 part 2 逆featuring クレイジーケンバンド」で生コラボ。「お邪魔いたします」と小走りでステージに現れたRHYMESTERの3人は、1曲で場内のボルテージをマックスまで引き上げた。「BOMB! CUTE! BOMB!」「HONOLULU BBQ」は洞口信也(B)がハンドマイクでユーモラスに歌い上げ、「BRAND NEW HONDA」からライブは終盤戦へ。MOON DOGSへの提供曲でCKB初期からのレパートリーとなっていた「LADY MUSTANG」には、MOON DOGSのボーカルだったIKURAがゲストで登場。その後ファンキーなジェームス・ブラウンメドレーで観客を熱狂させたCKBは、「流星ドライブ」で爽快に本編を締めくくり、横山は「またアンコールでお会いしましょう!」と再びバイクにまたがりステージを去った。
アンコールを受けて再びメンバーと共にステージに上がった横山は、20周年という節目について「これからまたルーキーに戻った気分でチンピラかましますんで、これからもよろしくお願いします。あと4、5、6、7、80年ぐらいは演りますんでね。長生きしてね。OK」とコメント。すっかり夜の帳が下りた会場を見渡すと、「冷えてきたから温めよう」と「不良倶楽部」を熱唱した。その後の「タイガー&ドラゴン」では場内がさらに熱く盛り上がったが、横山はサビの途中で「貸した金の……ウイー!!」と曲をストップさせてしまう。再びスタートした演奏は軽快なスカアレンジに一変し、ステージには彼らが尊敬する横浜の先輩・CHIBOW(SKA-9)の姿が。CHIBOWは「タイガー&ドラゴン」スカバージョンを横山と共に歌い、「20周年おめでとうございます」とエールを送った。アンコールにはFIRE BALLも登場し、「UNDER THE BLUE LIGHT ~ハマのテーマ~」で大盛り上がり。FIRE BALLはさらにもう1曲、横山と共に「Wonderful Days」を歌い、場内をハッピーなムードで包み込んだ。
最後に「生きる。」を熱唱し、横山がスクーターに乗って退場した頃にはすでに開演から3時間を過ぎていたが、CKBはダブルアンコールに応えて三たびステージへ。初期のレパートリーから「発光!深夜族」「愛の世界」の2曲が披露され、横山が「ありがとうございました」と挨拶すると、横浜の海に浮かぶ船からタイミングよく汽笛が鳴る。横山は「ほら、もう船の汽笛も終わりにしろって」と名残惜しそうにつぶやき、時間の都合であと1曲のみのところを、ステージ袖のスタッフと相談して急遽2曲歌うことに。横山は「葉山ツイスト」で観客を躍らせ、ラストはロッカバラード「ガールフレンド」でフィニッシュ。ゲストもステージに集合する中、横山が「そんなわけで、今夜のショウは、終ーわーりー!」と叫ぶと、ステージ上には何発もの花火が打ち上がり、横浜の夜空を鮮やかに彩った。
このライブの模様は、11月にWOWOWで独占放送される。
クレイジーケンバンド「CRAZY KEN BAND 20TH ATTACK! CKB[攻]」
2017年9月2日 横浜赤レンガ野外特設ステージ セットリスト
01. スージー・ウォンの世界
02. GT
03. ☆☆☆☆☆
04. 欧陽菲菲
05. 太陽のプレイメイト
06. Loco Loco Suset Cruise~Free Bossa
07. せぷてんばぁ
08. 中華街大作戦~Bossa西原商会~本牧ビーチ・フィールド~本牧仕様のサーファーガール
09. けむり~ざくろ~右手のあいつ
10. タイに行きたい~路面電車
11. シンガプーラ
12. ランタン~ランタンPart2~ランタンPart3
13. タオル~音楽力 with Full Of Harmony×ISO
14. Midnight Cruiser~波音~ボックスフィッシュ・パラダイス~マカロニ・イタリアン~サマー・アンセム~肉体関係part2 feat RHYMESTER
15. 37°C
16. MPC~BOMB! CUTE! BOMB!~HONOLULU BBQ
17. BRAND NEW HONDA
18. 逆輸入ツイスト
19. LADY MUSTUNG with IKURA~ポップコーン~JBメドレー
20. 流星ドライブ
<アンコール>
21. 不良倶楽部
22. Let's Go CKB~タイガー&ドラゴン(通常ver)~タイガー&ドラゴン(ska ver)with CHIBOW
23. SOUL!SOUL!SOUL!~赤い靴~マリンタワーゴーゴー~タツノオトシゴ~よこはま・たそがれ~UNDER THE BLUE LIGHT ~ハマのテーマ~ ~Wonderful Days with FIRE BALL
24. 生きる。
<ダブルアンコール>
25. 発光!深夜族
26. 愛の世界
27. 葉山ツイスト
28. ガールフレンド
撮影:小河俊哉 / 岩屋光俊 / 岡田友貴