A9×BAROQUE 熱い絆で結ばれた2組にしか作れない絶景、長年の夢叶ったツーマン『Singularity』レポート

レポート
音楽
2017.9.26
A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

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A9×BAROQUE 『Singularity』
2017.9.8(FRI)Zepp DiverCity Tokyo

活動休止に再始動、バンド名を変えたり、メンバーがいなくなったり、普通じゃないバンド人生を歩みながらヴィジュアル系に新しい革命を起こしてきた2バンド、A9BAROQUE。彼らが、お互いの長年の夢でもあったツーマンライブを『Singularity』と銘打ち、9月8日(金)に東京・Zepp DiverCity TOKYOにてついに開催。A9BAROQUE、メンバーもお互いを応援してきた、ファンも涙と感動で胸いっぱいになった歴史的な夜をレポート。

A9 撮影=Miki Fujiwara

A9 撮影=Miki Fujiwara

「この2バンドが今日、同じステージに立てたのは九組(A9のファンの呼称)とバロッカー(BAROQUEのファンの呼称)のお陰です。このツーマンで“親戚”から“家族”になったと思うんで、この2バンドが中心になって、ロック、バンドで日本を盛り上げていきましょう!」(A9 ヒロト/Gt)。

これまで、近い親戚みたいな距離感にいながらもバンド内、さらにはバンドを取り巻く環境、いろいろな物事が重なってなかなか実現にまで至らなかったツーマン公演。当日は両者のツーマンにかけるパッションがステージから溢れだし、彼らがこれまで育んできた熱い友情や絆が、この2バンドでしか作ることができない二つの色が美しく混ざり合った感動的な絶景を生み出した。

A9/将(Vo) 撮影=Miki Fujiwara

A9/将(Vo) 撮影=Miki Fujiwara

A9/ヒロト(Gt) 撮影=Miki Fujiwara

A9/ヒロト(Gt) 撮影=Miki Fujiwara

先手はA9だ。「Cradle to [Alpha]」が鳴り響くなか、照明で真っ赤に発光するステージに、全身真っ赤な衣装に身を包んだメンバーが登場。5人揃うと、A9ならではのプリンス感漂うキラキラとしたエレガントな存在感を放ちだす。これはこの13年間、改名しながらもメンバーがいまも変わらずイケメン揃いであり続け、ステージ上の5人が現在もこのバンドに夢を抱き続けているからこそ生み出せる煌めきだ。そして、登場するや否や、まずは初っ端から「MEMENTO」を炸裂させ、「今日は俺たちにとって大切な日。『Singularity』というのは“特異点”という意味なので、意味のある1日にして欲しいです」と将(Vo)が礼儀正しく挨拶。続けて、Nao(Dr)の元気ハツラツなカウントボイスからAlice Nine名義初のシングル「華」、アリス九號.時代からは将と沙我(Ba)のボーカルの掛け合いが印象的な「Q.」、さらに現A9の最新シングル「Re:Born」まで、メロディアスな印象は共通してありながらも、彼らが次々と音楽性を拡張させてきたことが分かるナンバーをプレイ。

A9/虎(Gt) 撮影=Miki Fujiwara

A9/虎(Gt) 撮影=Miki Fujiwara

A9/沙我(Ba) 撮影=Miki Fujiwara

A9/沙我(Ba) 撮影=Miki Fujiwara

A9/Nao(Dr) 撮影=Miki Fujiwara

A9/Nao(Dr) 撮影=Miki Fujiwara

A9BAROQUEが親密度を高める、そのキーパーソンとなったヒロトが「いろいろ思い出すと泣きそう」といって目を少し潤ませながら「よくBAROQUEの圭(Gt)ちゃんが“A9は親戚みたい”って表現してくれるんだけど。バロッカーと九組も親戚ですよね? 今日は親戚を通り越してみんなで“家族”になりたいと思います」と宣言。そうしてA9は、彼ららしいキラキラのキャッチーなポップチューンで距離を縮めるのではなく、本気で家族になるために、またBAROQUEを相手にするということもあってか、他のイベントでは絶対にやらない(だろう)アクトをここで仕掛ける。先日行なった自身の13周年のアニバーサリーライブで久々に披露した10分以上からなる大作「GEMINI」3部作から「GEMINI-II-the luv」、続けて周年ライブでも披露しなかった「birth in the death」を畳み掛けるとファンは驚きのあまり絶句。どこまでも緊迫した音の中、バンドサウンドが緩急をつけながら拍子、曲調をコロコロと変化させていくドラマチックな楽曲たち。そのなかで、将のダイナミックなボーカルが闇の果てからだんだんと光を求めていき、「Daybreak」のサビで光をつかんでいくアクトは圧巻! 深い暗闇から抜け出し、夜明けに向かってA9が飛び出していく物語を見たような達成感があった。

A9 撮影=Miki Fujiwara

A9 撮影=Miki Fujiwara

このあとは、沙我(Ba)が14〜15年前、高田馬場AREAで当時、将と虎(Gt)が組んでいたバンド・ギブスのステージにBAROQUEが飛び入りしたエピソードを伝えると、虎が「あれ、俺のギター弾いてたんだよ」と続けた。当時すでに他のヴィジュアル系とは一線を画していて売れっこだったBAROQUEについて、沙我は「ヴィジュアル系に革命を起こしたバンドなんだよ」と讃え、将は「俺も怜(Vo)君になりたかったよ。でもちょっとだけ身長がデカくなっちゃったからな(笑)」といってファンの笑いを誘った。そしてNaoが「そんなA9BAROQUEで革命を起こそー!」と叫んで始まった「RAINBOWS」の“Aジャンプ”で盛り上がったところに「UNDEAD PARTY」を投下。途中、Naoが“ジャスティスサングラス”をかけ、フロントまで出てきてフロアを煽るパフォーマンスで一体感ある高揚を作り出し、最後はサンシャインな「PRISMATIC」でフロアに笑顔の光を降らせ、見事に出番を締めくくった。

BAROQUE 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE 撮影=Miki Fujiwara

続いては、BAROQUEのターンである。SEが流れる中、サポートメンバーのKENZO(Dr)、夏のツアーに続いてTHE NOVEMVERSの高松浩史(Ba)が先に現われ、その後から圭、怜が黒い衣装をまとって登場。「みんな楽しい? A9スゴかったなー。よろしくね!」と怜が会場全体に友達のような口調で話しかける。ドリーミンなシンセが浮遊しながらレイヤードして、フロアいっぱいに広がる「DREAMSCAPE」でライブは幕開け。オープニング1曲で、眩しい光とともに怜のボーカルがフロアに向かって無限大に広がり、圭の伸びやかなギターがZepp DiverCityを天空まで広げていったと思えば、次のアッパーなロックチューン「凛然アイデンティティ」では怜がラップのようなリズミカルな歌いまわしを披露。オーディエンスがタオルを回すなか、圭は積極的に左右のお立ち台に立ってフロアを煽る。ゆったりとメロディを響かせるミドルテンポの「何千何万何億の君への想い」を経て、次は2人体制になって初のアルバム『PLANETARY SECRET』から2曲を続けてアクト。暗闇をさくように、静寂と喧騒を繰り返してく「SWALLOW THE NIGHT」では、圭の速弾きソロが炸裂。そこからさらにバンドサウンドが大きな緩急をつけながら、生命の誕生を歌った「MEMENTO」をパフォーマンスしだすと、場内は神秘的かつ壮厳な空気感に。そのなかで、怜が圧倒的な存在感を誇る歌で、観客たち一人ひとりに生命の息吹を示していった。

BAROQUE/怜(Vo) 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE/怜(Vo) 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE/圭(Gt) 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE/圭(Gt) 撮影=Miki Fujiwara

このあと怜がメンバー紹介をしたあと、圭が「さっきの将君、元気だったよね(笑)」といい、自分たちはそれに比べると「大人しい感じじゃん? ここからは俺らの“元気っぷり”を見てもらわないとね」と話すと、怜が「暴れんの好きですかー」と叫び、すぐさま「ガリロン」を投下。この日キレキレだったKENZOのドラムはアツさを増し、怜は観客に“もっとー”という代わりに珍しく体を折りたたむ。「もう1曲、思いきり揺らしてー!」といって、怜のタイトルコールから「我伐道」でさらに熱く攻め立て、フロアのテンションを上げていく。いつの間にかシャツのフロントボタンを3つほど開けていた圭は、チラチラと胸元を見せながら足をバタつかせて観客を挑発。オーディエンスがジャンプでどんどん一つになっていくと、怜の口からは最後「VERY GOOD!」という言葉が自然と飛び出した。

BAROQUE/Support:高松浩史(THE NOVEMBERS) 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE/Support:高松浩史(THE NOVEMBERS) 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE/Support:KENZO 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE/Support:KENZO 撮影=Miki Fujiwara

そうして、その空間に天使が舞い降りてくるような美メロチューン「YOU」(未発売曲)が流れ出すと、直前までの激しい肉体的な高揚感がふわふわとした温かい幸せに包まれていくような陶酔感へとスライドしていく。体が光に向かって引きあげられていくような感覚に陥ったところで、「PLANETARY LIGHT」へ。すると、圭のギターが視界いっぱいに満天の星空を描きだし、高松の弾く流麗なカウンターメロディーが、その空間にさらにゴージャスなきらめきを与えていった。このあとは怜と圭がそれぞれA9について語り出した。

BAROQUE 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE 撮影=Miki Fujiwara

BAROQUE 撮影=Miki Fujiwara

怜は、オンラインゲームなどを通して将と親交を深めていったことを伝え、圭は「俺たちが大変なとき、ヒロトにはずっと話を聞いてもらったし。A9のみんながいなかったら、いまこういう音楽やってないと思う」と告白。そして「そんなA9をこれまでずっと支えてきたみんなにBAROQUEを見てもらえたのも嬉しいし、BAROQUEを支えてきてくれたみんなにA9を見てもらえたのも嬉しいし。これからもこの2バンドをよろしくお願いします」と伝えて、ラストは「G I R L」。オーディエンスの鳴らすクラップと、色彩豊かな明るい空間に、涙が出そうなほどの多幸感が広がり、圭はネックにさしていた花を目の前のフロア最前にいたメンズに。怜は最後、手に持っていたピンクのブーケをフロアに投げ、来ていた人全員に音楽で至福のときを降らせてBAROQUEのライブは幸せなまま終了した。

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

アンコールのステージでは、A9の5人とBAROQUEの2人がこの日限りの7人編成のバンドを結成。それぞれが気ままに話し出すなか、虎がお酒を飲むと寝るという話題になり「(お立ち台を指して)このぐらいのスペースあればどこでも寝られるよ。ペットボトルを枕に」と自慢げに語ると、怜が興味津々。「超仲良しになりたいんだけど(笑)」といってセンターを離れて虎に接近。すると将が「寂しい……」と拗ね、「だって、デカくなっちゃったんだもん」と怜。そんなイチャイチャトークに続き、「怜君、いつでもかけてね」とNaoがジャスティスサングラスをバスドラの上にセットした後は、A9からリクエストされたBAROQUEの「Nutty a hermit.」を7人でパフォーマンス。

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

怜と交互にボーカルをとる将の頬に圭が不意にキスをすると、両手で頬を隠して将は照れまくる。歌い終えた後に将は「感無量です。鳥肌立っちゃう!」と大興奮。最初から興奮気味だったヒロトは「ウチらもBAROQUEも普通じゃない道のりを歩んできた」と前置きした後「圭ちゃんは復活した後、メンバーが2人になったときにバロッカーのことを一番心配してたんだよ。本人が一番辛いはずなのに。そんなのをずっと間近で見てきたから、今日はグッときてしょうがないんだよ」と涙を流した。そんな熱いヒロトの友情に対し、圭は「ヒロぽん、俺らがもし改名しなきゃいけなくなったら“B9”にするよ」と約束。そうして最後はBAROQUEのリクエストでA9の「the beautiful name」を歌い、<またここで、きみに会いたい>と『SINGULARITY』の2回目の開催に思いを馳せつつ、この2バンドでしか作れない絶景に幕が下された。

こんな幸せな、熱い絆で結ばれたツーマンはそうそう観られるものではない。今後、さらにお互いが進化して交わる瞬間がやってきたときは、『Singularity 2』の開催を願う。


取材・文=東條祥恵 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

A9×BAROQUE 『Singularity』 撮影=Miki Fujiwara

 

セットリスト
A9×BAROQUE 『Singularity』
2017.9.8(FRI)Zepp DiverCity Tokyo

■A9
Cradle to[Alpha]
01. MEMENTO
02. 華
03. Q.
04. Re:Born
05. GEMINI-II-the luv
06. birth in the death
07. Daybreak
08. RAINBOWS
09. UNDEAD PARTY
10. PRISMATIC

■BAROQUE
01. DREAMSCAPE
02. 凛然アイデンティティ
03. 何千何万何億の君への想い
04. SWALLOW THE NIGHT
05. MEMENTO
06. ガリロン
07. 我伐道
08. YOU
09. PLANETARY LIGHT
10. G I R L

■ENCORE/SESSION
01. Nutty a hermit.(BAROQUE)
02. the beautiful name(A9)
 

 

A9情報
シングル「Re:Born」
2017年8月2日発売

シングル「PENDULUM」
2017年9月20日発売

A9 2017-2018 LIVE TOUR「13/13 -Thirteen&Thirteen」
2017/12/8(金) 松坂M'AXA
2017/12/10(日) 和歌山SHELTER
2017/12/11(月) 徳島club GRINDHOUSE
2017/12/14(木) 米子AZTiC laughs
2017/12/16(土) 福岡 DRUM Be-1
2017/12/17(日) 佐賀GEILS
2018/1/11(木) 水戸LIGHT HOUSE
2018/1/14(日) 高崎club FLEEZ
2018/1/19(金) 宇都宮HEAVEN'S ROCK VJ-2
2018/1/21(日) 秋田Club SWINDLE
2018/1/27(土) 甲府CONVICTION
 

Christmas & New Year Special Live「BIRTH AND DEATH」
2017/12/24(日) ディファ有明(Tokyo)
2018/1/6(土) 松下IMPホール(Osaka)
 

 

BAROQUE情報
BAROQUE×MERRY「現代あなくろ仮装宴」
2017/10/16(月)赤坂BLITZ

BAROQUE TOUR
ALL OF THE LOVE, ALL OF THE DREAM

2017/12/13(水) 仙台darwin
2017
/12/15(金) 梅田BananaHall
2017
/12/16(土) 名古屋ReNY limited
2017
/12/25(月) ディファ有明

【LIVE MEMBERS】
BAROQUE Vocal 怜 / Guitar 圭
Support Members Bass 高松浩史(THE NOVEMBERS) / Drums KENZO
 

 

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