平田満が、穂の国とよはし芸術劇場 PLAT・芸術文化アドバイザーを退任 後任に桑原裕子
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 桑原裕子(左)と平田満
愛知県・豊橋市は、2日、穂の国とよはし芸術劇場PLATの芸術文化アドバイザーを努めている平田満が、2018年3月いっぱいで、退任することを表した。後任は劇団「KAKUTA」の桑原裕子が就任する。
平田は、2011年にアドバイザーに就任。13年の同劇場の開館や劇場公演などに携わってきた。なお、今後は、アソシエイトとして劇場に協力していくという。
■平田満
私が芸術文化アドバイザーに就任して7年、穂の国とよはし芸術劇場 PLATが開館して5年になりました。アドバイザー就任以前から、市文化課に依頼され、劇場のコンセプト、設計デザイン、間取り、館名公募から、決定、ロゴマーク選定などに、文化課や財団関係者、前芸術文化プロデューサー(現シニアプロデューサー)の中島晴美さんとともに携わってきましたが、開館後はスタッフの拡充とともにPLATの事業も増え、公演数、内容、地域との関わり、利用頻度など、劇場の充実ぶりには目を見張るものがあります。
芸術文化アドバイザーとしての私の役割は、「よい劇場をつくること」と「いろいろな活動を提示すること」だと考えました。確信は「“よろこび”を体験する」です。そして何年経っても、そこに誰がいても、“よろこび”が継続していかなければいけないと思いました。
初代アドバイザーとして、1)劇場の構想、2)立ち上げ、3)認知・広報、4)こけら落としなどPLAT主催公演、5)そのほかの舞台出演、6)ワークショップやリーディング公演、7)プラットニュースでの発信に努め、PLATで何ができるかを試してきました。準備、建設、始動期間を経て、現在、市民や舞台関係者への認知度や評価も高いものがあります。
PLATも芸術文化アドバイザーも草創期の次の段階として、より広範な、より深化した活動が求められています。より多くの層の人たちによる多様な活動が行われ、さまざまな才能、人材による想像が常に生まれる劇場になっていくべきでしょう。そのためにも、まず新たなアドバイザーを招、新鮮な感性や考えで動いていただこうと思いました。組織も芸術も新陳代謝が必要です。それが多様な価値観を生み出し、継続する力になります。
私もしばらくはアソシエイト(仲間・協力者)としてお手伝いしていきます。今後のPLATが、一般市民にとっても、プロフェッショナルにとっても、クリエイティブな“生きるよろこび”に満ちた劇場になることを望みます。
■桑原裕子
東京でKAKUTAという劇団を20年続けてきました。その中で、劇団を育てながら自らも演劇に育てられ、成長してきた気がします。芸術文化アドバイザーというお役目をいただき、光栄であるとともにまだとても緊張していますが、豊橋の方々と時間をかけて育み合い、文化的で豊かな時間を過ごしていきたいと思います。