小倉久寛「三宅裕司のアクションに注目！」、劇団スーパー・エキセントリック・シアター『カジノ・シティをぶっとばせ!！』ゲネプロレポート

2017年10月13日（金）から東京・サンシャイン劇場にて、劇団スーパー・エキセントリック・シアター（以下、SET)の第55回本公演となるミュージカル・アクション・コメディー『カジノ・シティをぶっとばせ!！ ～丁半コマ揃いました～』が開幕する。初日前日には公開ゲネプロが行われ、三宅裕司、小倉久寛、そしてSET劇団員が芝居の一部を披露した。

カジノ誘致を巡る京都のとある町の誘致合戦が舞台となる本作。日本らしいカジノを作ろうとするが、話が進むに連れ、ある大きな組織の存在が見えてきて、大変なことになっていく…。
この日は、京都府知事室でカジノ誘致反対派の代表を説得するため、府知事の清水（三宅）が、旧知の友・伏見（小倉）を呼び、京都らしいショーを披露する場面やライバル都市によるプレゼン大会の模様が披露された。

ゲネプロの後で行われた囲み会見で、三宅は本作について「先日カジノ法案が可決されましたが、日本にどういったカジノができるんだろう、という発想からこの作品が生まれました。（話を進めていく中で）今の日本、今の未来が見えてくる作品になる思います」と語る。三宅は劇団とは別で「熱海五郎一座」も率いているが「熱海は笑いがテーマ、SETでは笑いを道具として社会派のテーマをドンと扱うようにしています」と、両座組の違いを強調していた。

三宅は京都市長からゆくゆくは京都府知事になる男、小倉は芸者さんを取りまとめる置屋の旦那を演じる。三宅は「こういった旦那さん役、ぴったりでしょう！小倉の登場シーンにも注目してください」とプッシュ。すると小倉は「三宅さんが今回アクションにも参加しますからね。あれはすごかったですねー」と煽る。すると三宅が「そういうことをいうとオチがわかるでしょう（笑）やめてくれよ」と苦笑い。さらに小倉は「三宅さんの動きが意外と速くてびっくりしますよ。昨年までは病気（椎間板ヘルニア）の影響であまり動かなかったけど、徐々に筋肉もついてきてね」とフォローするが、「小倉のアクションは遅いです」と逆に落とされて困り果てていた。

芝居中には、SET劇団員による歌やお芝居、特に日本舞踊など日本らしい文化を披露する場面もある。「今春から劇団員は日舞などの練習を始めたんです。華やかな舞台になると思いますよ」と三宅。今回の舞台は世代交代公演という位置づけもあり「どうやったらお客様に笑ってもらえるかを若手に考えてもらいたくて取り組んでいます」と座長としての使命を口にしていた。

SETは、2年後に劇団創立40周年を迎える。メモリアルイヤーに向けて何か準備をしているかという質問に三宅は「あと2年の間で熱海（五郎一座）とSETと合計4本（作品を）作らないといけませんからね。まだ何も考えていないのですが……それについては小倉が考えていると思います」と突然の無茶ぶり。すると小倉はしばし無言の後「今は言えません。ない事もないですが（笑）」と苦し紛れの一言。改めて三宅は「いずれにしろ日本と日本人をテーマに作ると思います。日本はどうなるのかと考えてもらえる作品ができると思います。今回もそうですが、笑って楽しんでいただいた後で最後にズシンとくる作品を作りたいです」と話を締めていた。

取材・文・撮影＝こむらさき