井上芳雄、坂本真綾、ジョン・ケアードらが初日特別カーテンコール、舞台『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』
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井上芳雄と坂本真綾(左から)
ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』が2017年11月1日、東京・日比谷のシアタークリエで始まった。3年ぶりの再演だが、ジャーヴィス役を井上芳雄、少女ジルーシャ役を坂本真綾が初演から引き続き演じる。1日に行われた特別カーテンコールの様子をお伝えする。
井上芳雄
坂本真綾
本作の原作は、アメリカの女性作家ジーン・ウェブスターが1912年に発表した小説『足ながおじさん』。孤児院の少女ジルーシャと、彼女の進学のための資金を名乗ることなく援助する“足ながおじさん”ジャーヴィスの物語だ。
脚本・演出のジョン・ケアードが、翻訳家の妻・今井麻緒子から、その小説の存在を知らされ、ポール・ゴードンらと共にミュージカル化、2009年にアメリカ・カリフォルニア州で初演された。2012年9月では日本初演され、大好評により4か月後に異例のスピード再演がなされている。その後、ロンドン、ウィニペグ(カナダ)、ニューヨーク、ソウルでも上演した。
今井麻緒子、ジョン・ケアード、井上芳雄(左から)
今井麻緒子、ジョン・ケアード
この日のカーテンコールでは、初日を終えたばかりの井上芳雄、坂本真綾に加え、脚本・演出のジョン・ケアード、翻訳・訳詞の今井麻緒子が舞台にあがった。
まず、ジョンが「素晴らしいパフォーマンスをありがとうございます。この芝居は2009年で、120席ぐらいの小さな小さな場所から始まりました。初演はMegan McGinnis、Robert Adelman Hancock。アメリカを横断して、ロンドンで上演しました。ジャーヴィス、ジルーシャのキャラクターは、初演の2人の才能とユーモアセンスをもとに作られています」と挨拶。オリジナル版でジャーヴィスを演じたロバートが初日を観劇していたことを明かすと、井上は「足はどっちが長い?」とおどけた。ジョンが「彼の方が絶対背は高いよ」とかわして会場は笑いに包まれた。
ジョンの妻である今井は「文法も文化背景も違うので翻訳が難しかったが、日本語がわからないジョンも笑っていたので、あまり意味がないのかな(笑)。ずっと泣いていました、彼も。キャストの2人は違和感も反抗もなく、最初にトライしていくれて、感動的です。続けてやってくださったので、感謝しております」と挨拶した。
坂本真綾、今井麻緒子、ジョン・ケアード、井上芳雄
井上芳雄
少女ジルーシャ役の坂本は「記念すべき初日に駆けつけていただいてありがとうございました。正直言うと、すごく緊張しながら今日を迎えましたが、終わった瞬間の拍手に愛を感じて、帰って来たというか、ついに始まった気持ちです。またジルーシャになれてこんな幸せなことはないと思いました。始まったばかりですので、最後まで頑張ります」と挨拶した。
シアタークリエが2007年11月7日に開場して、今年は10周年にあたる。ジャーヴィス役の井上は「クリエの10周年イヤーがこの作品から始まっています。なかなか選択がいいなと思うんですけれど(笑)、これまで上演されてきた素晴らしい作品の一つとして、この『ダディ・ロング・レッグズ』が皆さんに愛されて、また上演できることが本当に嬉しいです」と語る。
そして「何回もご覧の方はお気づきかと思うのですが、今回は新しい曲やセリフが入っています。あの私の好きだったセリフはどこ行ったの〜?という苦情はジョンの方へ(笑)。僕たちも戸惑った部分はありましたが、でも今はこのバージョンが今のベストだと思います。常に作品を新しくしているジョンと麻緒子さん、カンパニーあっての今日の初日だと思う。いろんなものを感じながらやりました」と初日を振り返る。
井上は「10周年の記念が今日始まったけれど、クリエはずっとこれをやればいいのに(笑)。他の人がやるのも嫌じゃない?(笑)」と冗談を交えて笑いを誘ったのち、「(公演が)始まったばかりなので、また僕たちに会いに来てください」と話して終わった。
取材・文・撮影=五月女菜穂
■原作:ジーン・ウェブスター
■翻訳:今井麻緒子
■脚本・演出:ジョン・ケアード
■出演:井上芳雄、坂本真綾
2017年11月01日(水) ~ 2017年11月24日(金)
日比谷シアター・クリエ
2017年11月28日(火) ~ 2017年11月29日(水)
久留米シティプラザ (シティプラザ 2階) ザ・グランドホール
2017年12月1日(金)18:30
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2017年12月16日(土)~2017年12月17日(日)
中日劇場