【“SAI”クイックレポ】MAN WITH A MISSION 世界を股にかける狼たちが“SAI”に降臨
MAN WITH A MISSION
ACIDMAN presents 「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」 MAN WITH A MISSION
朝イチの10-FEETが“らしい”ステージで会場を温めたあと、いきなり「FLY AGAIN」でお客さんの腕を問答無用で右へ左へと踊らせたのはMAN WITH A MISSIONだ。いまや世界中のライブ会場を主戦場とするマンウィズは今年でCDデビューから7年を数えるが、そんな彼らがこの日の出演バンドのなかで最もキャリアが短いのだから、いかにこの場所に歴戦の猛者たちが集まっているかがよくわかる。
「地球ノ皆サン、MAN WITH A MISSIONデス、ヨロシク!」。ジャン・ケン・ジョニー(Vo/Gt)のあいさつは手短かに、ステージから不穏なサイレン音が鳴り響くと、続けて「Get Off of My Way」へ。暗闇のなか時々その目を不気味に光らせながらオオカミたちが繰り出す、まるで体中の血が湧きたつような強靭なミクスチャーロックがあっと言う間に会場をもみくちゃにしていった。
MAN WITH A MISSION
MAN WITH A MISSION
天井をカラフルな照明が彩ったポップパンク的なアプローチの「DANCE EVERYBODY」ではタオル回しで会場を一体にすると、荘厳なオープニングから大きな歓喜の声があがったのは「Emotions」だった。どうやら、この日のマンウィズはバンドの代表曲の数々を惜しげもなく披露していく攻めのステージらしい。その名のとおり闘争心を奮い立たせるエモーショナルなナンバーに続けて、カミカゼ・ボーイ(Ba)のベースが唸り声をあげたニルヴァーナのカバー「Smells Like Teen Spirit」、さらに「スーパーアリーナノ皆サマノ声ヲ聞カセテクダサイ!」という声を合図に盛大なシンガロングを巻き起こした「Raise your flag」へと雪崩れ込めば、もう誰にもオオカミたちの勢いを止めることはできない。
MAN WITH A MISSION
残り1曲を残したMCでは「本日ノ対バンノ並ビノナカデ、我々MAN WITH A MISSIONハ年数デ言エバ、ACIDMANトハ浅イ付キ合イナンデスケド、皆サント同ジヨウ二20年間彼ラヲ追ッカケテマイリマシタ。アンナバンドニナリタイト思ッテイタケレド、蓋ヲ開ケテミタラ、全然違ウバンドニナッテマシタ」と語りかけたジャン・ケン・ジョニー。「20周年、本当ニオメデトウゴザイマス」と敬意を込めてACIDMANの20周年を祝福すると、最後に披露したのは最新シングル「My Hero」だった。雄大なストリングスの音色とマーチングドラムがスリリングに重なり合う最新ナンバーは、進化し続けるバンドの“いま”をその場所に刻みつける名演だった。
そして最後はステージに残ったスペア・リブ(Dr)の「スリー、ツー、ワン」に会場の全員が「ガウッ!」と叫んでフィニッシュ。世界を股にかけるロックバンドの実力を完全無欠のパフォーマンスで証明するステージだった。
取材・文=秦理絵 撮影=AZUSA TAKADA、山川哲矢
MAN WITH A MISSION
1. FLY AGAIN
2. Get Off of My Way
3. DANCE EVERYBODY
4. Emotions
5. Smells Like Teen Spirit (short. ver)
6. Raise your flag
7. My Hero