大竹しのぶ×北村一輝初共演!『欲望という名の電車』が開幕
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藤岡正明、北村一輝、大竹しのぶ、鈴木杏
東京・Bunkamura シアターコクーンにて舞台『欲望という名の電車』が、12月8日(金)開幕した。
現代アメリカにおける最高の劇作家といわれるテネシー・ウィリアムズの名を高め、今もなお世界中で上演され続けている本作。この名作が2002年の蜷川幸雄演出以来、15年ぶりに大竹が二度目のブランチ役を演じ、世界で最も注目を集める演出家の一人であるフィリップ・ブリーンによって新解釈版として上演されることで話題となっている。
第二次大戦後のニューオーリンズ、フレンチクォーター。ブランチ・デュボア(大竹しのぶ)は妹のステラ・コワルスキー(鈴木杏)の家にたどり着いた。姉妹は南部の大農園で育った古き良き時代の上流階級の出身。ブランチは妹の猥雑な生活に驚くが、ステラは意に介しておらず、むしろ満ち足りた結婚生活を送っている。ステラの夫スタンリー(北村一輝)はブランチの上品さが気に障り、出会った瞬間から反目し合う。一方、スタンリーの友人ミッチ(藤岡正明)はブランチに愛を告白し、過去から逃れてきたブランチは最後の望みをかける。だが、その願いは無残にも叶わない。絶望的な孤独の中で、ブランチは次第に狂気へと墜ちてゆく…。
『欲望という名の電車』
『欲望という名の電車』
その初日を前日に控えた12月7日(木)にプレスコールと囲み取材が行われ、囲み取材には大竹、北村、鈴木、藤岡の4人が登壇した。
プレスコールでは序盤の20分が公開。貧しく卑俗なニューオーリンズに戸惑うブランチと、その生活に馴染んでいるステラの対照的な対比が大竹と鈴木によって描かれる。そこに北村演じる粗野で自由人なスタンリーが登場し、ブランチとの間に不穏な空気が流れる中でプレスコールは終了。この先、ミッチを演じる藤岡がどうブランチに恋して行くのか。その思いの果てに希望と絶望が待ち受けるブランチを大竹がどう演じるのか本番が楽しみだ。さらに、少路勇介、粟野史浩、真那胡敬二、西尾まりと、幅広いジャンルで活躍する個性豊かな俳優が顔を揃えている。
北村との初共演について、大竹は「(稽古で)1か月間も一緒にいるから、初めてという感じはしなかった。ポスター撮影でお会いしたのが初めてでしたが、前からの知り合いみたいです」と明かすと、北村も「お芝居という中で会うと、セリフが生きていれば、初対面ということは大きな問題ではないです。スッと良い感じで稽古に入れて安心してやれました」と初共演も全く問題ない様子。続けて、北村は「セリフ一つ一つの意味、裏の意味から全て含めて、関係性という人間をちゃんと描こうとしているので、生という人間を本当に観られる作品です」と本作の魅力をコメントした。
『欲望という名の電車』
初舞台『奇跡の人』以来14年ぶりの大竹との共演となる鈴木は「ステラという役自体がブランチがどういう動きをするのか、どういう言葉を言うのか、すごく見て動かされる人なので、そのまましのぶさんのブランチの姿を見ることができる、すごく贅沢な毎日です」と大竹との共演に目を輝かせた。
北村と鈴木とは初共演という藤岡は「和気あいあいと稽古場の休憩時間もバカ話したりとか、カンパニー一同、すごく楽しい空気になっていますね」と皆の雰囲気もバッチリだと語った。そのフィリップとの稽古についても、大竹は「楽しい夢のような稽古が終わってしまうのが寂しい。24時間稽古したい」と名残惜しい表情を見せた。
『欲望という名の電車』
蜷川演出版とフィリップ演出版との違いを尋ねられると、大竹は「演出家が違うので全然違いますね。お芝居というのがこれだけ豊かでこんなに素晴らしいものなんだと分かっていたはずなのに、さらにそれを教えてもらいました」と改めて本作の魅力を感じていた。また、鈴木は「フィリップさんの演出は年に何回も日本では観られないので、ぜひこの機会に『こんなに素敵な演出家の人がいるんだ』といろいろな人に知って欲しい」とアピールした。
『欲望という名の電車』
最後に、大竹は「とにかく劇場に来て体感して欲しいです。生きていくこと、美しさ、悲しさ、儚さという全てを体感して欲しい」と呼びかけた。
取材・文・撮影=櫻井宏充
DISCOVER WORLD THEATRE vol.3『欲望という名の電車』
■翻訳:小田島恒志
■演出:フィリップ・ブリーン
■美術:マックス・ジョーンズ
■出演:大竹しのぶ、北村一輝、鈴木杏、藤岡正明、少路勇介、粟野史浩、明星真由美、上原奈美、深見由真、石賀和輝、真那胡敬二、西尾まり
■日程・会場:
【大阪公演】2018年1月6日(土)~8日(月)森ノ宮ピロティホール