四星球、結成15周年イヤーの総括的ワンマンライブを開催 約650人の観客を爆笑と涙で魅了
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
四星球が、結成15周年イヤーの総括的な公演名を冠したワンマンライブ『四星球結成15年ワンマン「四星球十五年史」』を東京キネマ倶楽部にて行った。
メジャーデビュー後初となった東京でのワンマンライブの、兵庫慎司氏によるレポートが到着した。
四星球結成15年ワンマン「四星球十五年史」ライブレポート
2017年12月7日(木)東京都 キネマ俱楽部
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
四星球の結成15周年記念ワンマン『四星球十五年史』が2017年12月7日、東京キネマ倶楽部で行われた。平日にもかかわらずはソールドアウト。約650人がキネマ倶楽部を埋め尽くし、彼らの15周年を祝った。
1曲目「お告げ」の最後にまさやん(ギター)の頭上に金ダライが落ちてきて、その衝撃で記憶喪失になってしまい、15年前からやっている四星球を代表するキラー・チューン「クラーク博士と僕」のイントロのギター・フレーズ「♪ジャカジャーン」を弾こうとすると頭が痛くなってどうしても弾けない──というのが、この日のストーリーの軸。
何度もそれにトライしては弾けなくて別の曲に突入する、ということを繰り返す、その間に大量のネタがはさまっていく。
まさやんの記憶喪失につけこんでモリス(ドラム)が「貸した2万円返して」とカネをせしめたり。思い出の味で記憶を呼び起こそうとまさやんにアツアツおでんとワサビ寿司を食わせたり。
まさやんの実家の母に電話をかけたり。まさやんが「クラーク博士と僕」とは違う「♪ジャカジャーン」を弾いたことから「『ラブストーリーは突然に』に『クラーク博士と僕』の歌詞を乗っけて歌う」という実験が行われたり。
今度はモリスが記憶を失って、それに乗じてまさやんが2万円を取り返したり。まさやんの昔の記憶から思い出していこう、ということで、幼少の頃から現在までに出会ってきた人たちを経て(母、父、弟、失恋した女、付き合った男、の声が流れるという演出)、大学でU太に出会って四星球に加入するところまでたどり着いたり。
いつもいろいろ段ボールで小道具を作っているのが、まさやんではなくて最前列左方にいたお客さんだということにして、2018年1月31日リリースの新EPの表題曲「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」を「鋼鉄の段ボーラーしの(そのお客さんの名前)」に変えてプレイしたり──。
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
康雄(ボーカル)が「チョンマゲマン」(というキャラクター)になって、再度の金タライ落下からまさやんを助け、U太とモリスがジョン&ヨーコになって微笑みながら見守る中(このへん観てない方にはまったく意味不明だと思いますが勘弁してください)、まさやんの頭が割れる音がしてついに記憶が戻り、18曲目で正調の「♪ジャカジャーン」が鳴り響いて「クラーク博士と僕」が始まり、ライブはピークに達する。場内大熱狂。
まさやん、キネマ倶楽部2階の柵の外側を歩いて一周しながらギターを弾くという、もし足を踏み外したらシャレにならない、俺がイベンターだったら終演後に胸ぐらつかんで激怒レベルの技をくり出す。続いて「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」の正しいバージョンも披露。
さらに「出世作」「オモローネバーノウズ」の代表曲二連発を、康雄、「2018年、儲けますよ!」「音楽作ってるつもりありません! 時代作ってるつもりでやってます!」と絶叫しながら歌いきり、本編終了。最後にモリス振付の安室奈美恵 with SUPER MONKEY’Sの「Try Me」で、ここまでのネタの数々をきれいに回収してから、ステージを下りた。
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
アンコールは「名盤!!ゆとり教育の星」から始まり「明日までkm」で終わる全4曲。2曲目の「四星球十五年史 ~上巻~」では、歌詞でバンドの歴史を表す中で、メンバーがやめていったタイミングにも触れるのだが、その流れで「まさやん卒業してくれる」と卒業させられそうになり、本人大慌て──という、ここのところの定番の流れから、段ボールのトナカイに髙田さん(というおじいちゃん。byU太)が乗ってクラウドサーフ、という展開に。
途中、「時間押したら延長料金えぐいらしいです」「22時超えたらヤバいです」と何度も怯えながらの大熱演だった全25曲のステージは、21時40分過ぎにはなんとか終了。さんざん笑わされ、そしてさんざん感涙させられたオーディエンスは、大きな拍手を4人に贈った。
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
「3人は自分以外のメンバーの段ボール書割を連れて登場、ただし康雄は赤いパンツと赤いブラ姿」「股間から手紙を出してデタラメ語で読む」「記憶喪失のまさやんにiPadでなんか聴かせる」「まさやん最後に2万円を口に入れてさんざん咀嚼してからペッと吐き出す」などなど、他にもいっぱいネタあったのですが、物量的に膨大すぎるので、割愛させていただきます。
「お客さんがひとりになっても続けていたい! みなさん、その最後のひとりになるまでライブハウスに来てください!」と、矛盾したことを最後に康雄は叫んでいた。「どんなにあきれられてもやり続ける」という覚悟と、「でもこの熱は絶対に届くはずだ」という希望が、そのような矛盾したことを言わせるのだろう。その熱は、確実に、満員のオーディエンスを巻き込んでいた。
(文:兵庫慎司)
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
四星球(撮影:Narutoshi Kitagawa)
ファーストEP『鋼鉄の段ボーラーまさゆき e.p.』
完全限定生産盤CD+DVD:VIZL-1296 / 税抜¥1,980
通常盤CD:VICL-37347 / 税抜¥1,280
※CD / DVDの収録内容をスマホで簡単再生できる「プレイパス」サービス対応
CD収録曲:
1. 鋼鉄の段ボーラーまさゆき
2. 発明倶楽部
3. 3:00 a.m.
4. はじめてのたいあっぷ (「じゃりんこイモの祭謎解きノート 大阪ナゾ道中」タイアップ主題歌 / テレビ朝日「じゅん散歩」12・1月度エンディングテーマ)
5. 六文役者
6. 直りかけのCamera
7. シークレットトラック
DVD収録内容:
「四星球 at OTODAMA’17~音泉魂~“夏フェスというボケ編”」
1. <サウンドチェック~今年出てないひとメドレー>
2. <大トリ入場>
3. Mr. Cosmo
4. お告げ
5. クラーク博士と僕
6. 妖怪泣き笑い
7. 四星球十五年史 ~上巻~
8. <まさやん卒業祭り>
9. WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント
10. 我ら吉野川同盟
2017年9月3日 大阪・泉大津フェニックスにて収録
2018年2月4日(日) なんばHatch
2018年3月3日(土) 名古屋DIAMONDHALL
2018年4月12日(木) 川崎CLUB CITTA'
2018年5月10日(木) 高松オリーブホール
※各公演の発売情報詳細はHPをご覧ください。