平均年齢70オーバーのミラクルバンド、結成!

2015.10.7
レポート
舞台

「ザ・デイサービス・ショウ」

中尾ミエプロデュースのミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ」上演中

現在東京・よみうり大手町ホールにてミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ」が上演中だ。

本作の舞台はとある高齢者施設。往年の大スター・矢沢マリ子がデイサービスにやってきてミニコンサートを開催するところから物語が始まる。

「ザ・デイサービス・ショウ」


「ザ・デイサービス・ショウ」

いろいろな高齢者が集まるデイサービス、そこでマリ子は考えた。人生の大先輩たちだもの、持っている特技はひとつやふたつじゃないはず。それを復活させよう、メンバーでショウを作ろうと。

ところが施設長は大反対。ロックは嫌いだというおじいさんや、認知症で参加困難そうなおじいさん、心を閉ざしたおばあちゃん、問題だらけの面々をマリ子は果たしてまとめられるのか?

「ザ・デイサービス・ショウ」


「ザ・デイサービス・ショウ」

まず登場人物を演じる顔ぶれがすごい。大ヒット曲「かわいいベイベー」をはじめ、アメリカン・ポップスを得意とする歌手として一時代を築いた中尾ミエ、「悲しき願い」、アニメ「明日のジョー」の主題歌など、ロカビリー歌手の代表とも呼べる尾藤イサオ、劇団四季を2005年に対談するまで30年以上在籍した「四季の顔」光枝明彦、コミックバンド・ビジーフォーで笑わせながらも見事なギターテクニックを披露するモト冬樹、かしまし娘の末っ子で御年79歳にしてギターの腕前は堪能、正司花江、宝塚歌劇団の元トップ娘役、あの名作「ベルサイユのばら」初演時のマリー・アントワネット役を演じた初風諄

往年のスタープレイヤーがズラリと揃っているデイサービス、豪華すぎる!!

「ザ・デイサービス・ショウ」


「ザ・デイサービス・ショウ」

物語の合間合間に見せるボケとつっこみ、ときには登場人物の「中の人」の持ちネタも織り交ぜながら常に誰かが笑わせる一方、現代の高齢者施設や老人介護の問題点を決してシリアスな雰囲気にはせずにちらりちらりと見せてくる。何故、高齢者施設ではいつも利用者に童謡や唱歌ばかり歌わせるのだろう?もっと前の世代ならいざ知らず、この人たちの青春時代はロックとポップス全盛期だったのでは!?など、…高齢者が共感するだけでなく、彼らを介護する世代としてもハッとさせられることが多々ある舞台だ。

「ザ・デイサービス・ショウ」

本作をプロデュースした中尾は「今回私の芸能人生の中で、本当に満足のいく作品ができましたので、是非是非、皆様にご覧いただきたいと思っております。観にいらして頂ければ、期待を裏切るようなことはございません」とコメント。また、尾藤は「60いや72歳ですけども」と軽くボケたうえで「役の上では今回75歳という役です。なんと75歳でロックンローラーの役です。久々の歌って踊ってという、自分でもやってて「楽しい、楽しい、楽しい!」ショウでございます。年には負けず、がんばりますのでとにかく楽しみにしてださい」と意気込み、モト冬樹は「年をとった人がこれから増えていく訳ですけれども、年齢は気持ちの問題だぞ!と、観ていただけるとみなさん元気になる舞台だと思います。我々も本当は年取っているんですけれども、年を取っている役という(笑)、まんまでございますけれども、頑張って最後まで演じたいと思います」と語っている。

人生の大先輩たちの最高のパフォーマンス、どの世代が観ても楽しいことこの上なし!そしてフィナーレで披露される歌に込められた人間愛あふれるメッセージに耳を傾けていただきたい。

公演情報
「ザ・デイサービス・ショウ」

日時・会場:
2015年10月3日(土)~12日(月・祝)/よみうり大手町ホール
2015年10月20日(火)~21日(水)/サンケイホールブリーゼ
2015年10月26日(月)/グリーンホール相模大野  
2015年11月2日(月)/富山県民会館ホール
出演:中尾ミエ、尾藤イサオ、光枝明彦、モト冬樹、正司花江、初風諄、田中利花、土屋シオン、tohko
公式サイト:http://www.stagegate.jp/stagegate/performance/2015/day_service_show/