“とにかく気持ちいいライブ” un:c、2年ぶりのワンマン『快感』の1部をレポート

レポート
音楽
2018.1.5
un:c  撮影=岡本麻衣

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un:cワンマンライブ-快感-
2017.12.28 下北沢GARDEN

un:cが、12月28日に下北沢GARDENにて2年ぶりとなる『ワンマンライブ-快感-』を開催。1部公演と2部公演のうち、ここでは1部公演の模様をお伝えする。

un:c  撮影=岡本麻衣

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バンドメンバーに続き、大歓声に迎えられたun:c。ムーディーなBGMが流れる中、「みんな、un:cチャンネルだよ」と切り出したその声は、めちゃめちゃセクシー。「久しぶりだね。昼から気持ちよくなりに来たの? un:cチャンネルを知らない人のために説明すると、なにをしゃべっても意味深になってしまうという、私のもうひとつの人格です。こんなに入ってくれて……パンパンだね。そうそう、このライブは基本、ルール無用です。ただ、前後左右の人に迷惑をかけてしまったら、謝ってくださいね。頭の先からチ○コの先まで……あ、ごめんなさい(笑)、足の先まで楽しんで、みなさん悔いのないように楽しんでください。ちなみに、“悔い”を逆から読んでみると……(オーディエンスが「いく!」と叫ぶと)年頃の女の子がそんなこと!」と、うれしそうな表情。「このネタ、一晩かけて考えてきたんだけど、ウケてよかった(笑)。それじゃあ、“快感”開催です!」

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しょっぱなから自分のペースに巻き込んで、軽快なギターリフから「ナンセンス文学」へ。un:cのイメージカラーであるオレンジのサイリウムを手に、オーディエンスは早速クラップしたりジャンプしたり、“ラッタッタ”と声を上げたり、“真昼のランデブー”は楽しすぎる。さらに、歌い終わって「最高!」とun:cがとびきりの笑顔を見せた「エイリアンエイリアン」、メンバーと向き合ったりフロアを指さしたりして昂ったファンキーな「夜咄ディセイブ」と、たたみかけていく。

un:c  撮影=岡本麻衣

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「年の瀬の忙しいときに、みんなよく集まってくれたね。最初からすごくエネルギーをもらっています。本当にありがとう。今回のワンマンではいろんなことをやりたくて……とりあえず行ってきます!」と、いったんステージ袖にハケたun:c。すると、「第2の人格……アンチクリエイターズのボーカル・スネちゃまが出てきそうだぁぁぁ」という影アナが流れたのち、黒い上着にロックなフィンガーレスグローブを身に着けた“スネちゃま”がステージに登場。「アンチクリエイターズは10年間活動してきてまだ1曲もオリジナル曲がないので……友だち2人の曲を歌います。サイリウムの光を浴びると砂に戻ってしまうんだ、消してくれないか?」とお願いをして、luzの「REFLEXIÓN」、天月-あまつき-の「マリオネットラヴァーズ」という、アグレッシブなロックナンバーを連打。ヘドバンしたり、拳を振り上げたり、身体を大きく折りたたむようにしたり、オーディエンスも自らを解放すれば、高揚が止まらない。

un:c  撮影=岡本麻衣

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かと思えば、ギターの[TEST]が爪弾くアコースティックギターのみを添えてアコースティックコーナーにも挑戦。3rdアルバム『幾千万ラヴレターズ』に収録されている「今好きになる」をはじめ、ブルージーにアレンジされた「サマータイムレコード」、シングル「MASCHERA」に収録されているバラード「&」と、その想いを込めた歌力にどうしたって心が動く。傷付いて苦しんでいるクリリン、強敵・フリーザを前に戦慄してしまう孫悟飯と『ドラゴンボール』モノマネで笑わせながらも、「大切な曲」と前置きして歌った「産声」で響かせた渾身のロングトーンは鳥肌もの。その硬軟自在ぶりは、彼の強力な武器である。

un:c  撮影=岡本麻衣

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片手にだけ再びロックなフィンガーレスグローブを着けてスネちゃまを降臨させ、女子に「アワビ!」、男子に「コケシ!」と叫ばせて熱くコール&レスポンスしたあとは、「今日のためにオリジナルの新曲を作ってきました。目標は、自分で絵を描いて動画を上げること。作曲者は、いずれそのときに明かします」という言葉から、疾走感溢れる「決戦前夜」へ。フロアではクラップが自然発生して……なんてエモいんだ!

「次の曲は、もともと「声」というタイトルだった曲。下北沢からみんなで声を響かせましょう!」とun:cが呼びかけたヒロイックな「gemini.」では、彼の望み通りにシンガロングが。歌い出しから歓声が上がったアッパーな最新オリジナル曲「super nova」ではun:cが高くジャンプしたり、「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!」ではオーディエンスが“チュルリラ”コールをしてとんでもない一体感が生まれたり。ステージとフロアで、ますます熱を高め合っていく。

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「みんなありがとう、すごい景色だった。ライブって、本当に快感を得られるもの。歌に助けられた僕は、僕にしかできないことをしたいと思っていて。これからも、みんなと共にいきたいです」と、感謝と決意を胸に本編ラストの「地球最後の告白を」へ。巻き起こった大合唱には、心から求め合うun:cとファンの絆がはっきりとにじんだ。

そして、アンコール。「お互いに熱を交換して、高まって気持ちよくなれるライブはSEXなんですよ!」という言葉も、彼が言えば素直に受け取れてしまうから不思議。「次の曲はオレンジではなくていろいろな色で彩りたい!」というun:cの要望通り、フロアにカラフルな光が灯った「小さな恋のうた」から、ラストナンバーは「デリヘル呼んだら君が来た」。un:cが“チェンジ”と歌うと、オーディエンスがサイリウムでバッテンを作り“ノーセンキュー!”と返しながらジャンプ。大がかりなセットや演出はなくとも、un:cだからこそこんなにも心をつかんで離さないエンターテインメントショウができるのだなと、つくづく思ったりもした。

多芸多才にして、歌はもちろん、応援してくれる人たちに対しても実直なun:c。今回のワンマン公演で弾みをつけて、2018年はより大胆な飛躍の年にしちゃってほしい。


取材・文=杉江優花 撮影=岡本麻衣

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セットリスト
un:cワンマンライブ-快感-
2017.12.28 下北沢GARDEN
1. ナンセンス文学
2. エイリアンエイリアン
3. 夜咄ディセイブ
4. REFLEXIÓN

5. マリオネットラヴァーズ
6. 今好きになる
7. サマータイムレコード
8. &
9. 産声
10. 決戦前夜
11. gemini.
12. super nova
13. チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!
14. 地球最後の告白を
[ENCORE]
15. 糸
16. 小さな恋のうた
17. デリヘル呼んだら君が来た
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