Japanese Musical『戯伝写楽 2018』開幕! 橋本さとし「日本でおせいを演じきれるのはしょこたんだけ」

2018.1.13
レポート
舞台

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』会見


2018年1月12日(金)、Japanese Musical『戯伝写楽 2018』が東京芸術劇場 プレイハウスにて幕を開けた。11日(木)には公開ゲネプロと初日前会見が行われ、出演の橋本さとし中川翔子小西遼生壮一帆が舞台衣装の姿で登壇。初日に向けて心境を語った。

本作は、たった10か月の間に145点余りの作品を残し忽然と消えたミステリアスな浮世絵師・東洲斎写楽の謎に、劇団☆新感線の座付き作家である中島かずきが虚実交えて描いた“戯伝”。2010年の初演に引き続き橋本、小西、東山義久が続投する他、中川、壮に加え、栗山航、池下重大、山崎樹範吉野圭吾村井國夫らが新キャストとして加わった。また、本作から作詞を森雪之丞、演出を音楽劇に定評のある河原雅彦が務めることでも話題を呼んでいる。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

会見では斎藤十郎兵衛役の橋本から挨拶。「本作は江戸時代の超有名人、浮世絵師の写楽にスポットを当てた作品になっています。ただ、この写楽という人はなかなか謎めいた人物でね…。そんな写楽のミステリアスな部分を中島かずきさんが、仮説のもとで“戯伝記”といいますか、物語に仕立てているのですが、これが事実なんじゃないかと思うくらいの説得力がありまして。写楽のほかにも喜多川歌麿や葛飾北斎、十返舎一九と江戸を彩る有名人が現れるので、妄想と空想を繰り広げながらお客さんと一緒に江戸の世界に入り込めたらと思っています」と本作の魅力を呼びかけた。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

続いて、おせい役の中川は「そうそうたる舞台スターが集う中で演じさせていただくのは人生最大難易度の挑戦であり、この試練を乗り越えた時にものすごい経験値が得られるに違いないと思っております!中島かずきさんの作品に参加するのも、森雪之丞さんの歌を歌うのも、夢でした。なので、これからの人生の大きなターニングポイントにしたいです」と、期待とプレッシャーが入り混じる心境を明かし「浮世絵という娯楽に対しての江戸時代の人の興奮。そして写楽とは一体何者で、その絵にはどんな情念が込められているのか。すごく妄想しがいのある世界になっております。また、1月にして縁起の良い作品になっているので、ぜひたくさんの皆さんに見ていただきたいです!」とアピール。

会見では本作のヒロインを務める中川の印象について尋ねられた橋本は「しょこたん(中川)は本能でまっすぐな芝居をする方。おせいはとても難しい役なんですけど、ハマっているというか、日本でおせいを演じきれるのはしょこたんだけなんじゃないかと思っています」と太鼓判を押した。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

一方、中川も橋本について「橋本さとしさんは私にとって伝説の男。さとしさんの名前がクレジットされているだけで作品に安心できる説得力とすごみが生まれるんです。私はあまり舞台の経験がないのですが、どんな現場でも橋本さんのポジティブな話題が尽きないんです」と熱烈に支持。すると、橋本は「それ、もう都市伝説やん(笑)」と照れたように突っ込みを入れ、会場の笑いを誘った。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

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また、初演版から喜多川歌麿役を続投する小西は、再演について「人物の背景がより細かく掘り進められていると思います」と初演との違いを分析し「そして何より、十郎兵衛を演じるさとしさんが(初演より)さらにかっこいい。役者としてのスキルとか懐の深さも含めて。同じ作品だから感じられることなのかもしれない」と述べると、橋本は「この部分、絶対使ってくださいね(笑)!」とおどけながらも「確かに8年も経つと、人間は成長するし、それと共に芝居も成長するんだなって思います。微々たるものかもしれませんが…」と謙遜しつつ、感慨深げに自身の成長を振り返った。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

今作からの出演となる浮雲役の壮は、初の花魁役に挑戦。「退団して3年、女優という職業になって2年経ちますが、今更ながら女心の難しさに直面している今日この頃です。さとしさんをはじめとする皆さまから心強い助言をいただき、女の業を背負う花魁を作り上げて来たのでその辺を臆することなく舞台で表現できたら」と本番に向けて意気込んだ。

物語は、テンポ良く進み写楽誕生までの秘話が描かれる。生バンドによるラテンの陽気な音楽で始まるやいなや、河原演出らしい折りたたみ式の舞台セットが広がり、華やいだ江戸の街並みが突如として出現。音楽の勢いに乗せ、十郎兵衛と歌麿、蔦屋重三郎(村井)、与七(栗山・東山 ※Wキャスト)がおせいと出会っていく。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

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壮は、本作の見どころについて「江戸の有名人が同時代に活躍する史実に負けず劣らず、いろいろなジャンルの出演者が集まっています。そして、様々な色が舞台上で混ざり合っている様子が、江戸の華やかな勢いある文化、雰囲気にすごくシンクロしています」と語っていたが、橋本、中川など、出自の違う出演者が音楽に合わせて繰り広げる世界は実に華やかで楽しい。

また、ケレン味の効いた台詞の応酬に、時を忘れて江戸の世界に酔いしれることができるだろう。意外な方向へと展開していく物語展開を含め、ぜひ劇場でJapanese Musical『戯伝写楽 2018』を楽しんでほしい。

橋本は、会見の最後を「年頭に観る作品として、皆さまを決して裏切ることはないという自信があります。そのためにも毎回ベストで送り届けたいと思っております。2018年はまだ始まったばかりですが、演劇の観始めはぜひ『写楽』で!」と呼びかけ締めくくった。

cube 20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』



取材・文・撮影=大宮ガスト
 
公演情報
cube20th presents Japanese Musical『戯伝写楽 2018』

■作:中島かずき
■作詞:森雪之丞
■音楽:立川智也

■演出:河原雅彦
■出演:
橋本さとし、中川翔子、小西遼生、
壮一帆、東山義久(Wキャスト)、栗山航(Wキャスト)、池下重大、
山崎樹範、吉野圭吾、村井國夫 他 
 
■公演日程・劇場:
[東京公演] 2018年1月12日(金)~1月28日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
[久留米公演] 2018年2月3日(土)~4日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
[名古屋公演] 2018年2月7日(水) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
[兵庫公演] 2018年2月10日(土)~12日(月・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

■公式サイト:https://sharaku2018.amebaownd.com/

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