『銀河鉄道999』が舞台作品に! 鉄郎役の中川晃教とメーテル役のハルカにインタビュー
-
ポスト -
シェア - 送る
(左から)メーテル役 ハルカ、鉄郎役 中川晃教 撮影=荒川潤
松本零士が生み出した名作『銀河鉄道999』、その40周年を記念して上演されるのが舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~だ。本格的な稽古を前に、鉄郎役の中川晃教とメーテル役のハルカが“初対談”。シンガーソングライターという共通点によってシンパシーを感じあうふたりのトークから、作品に寄せる熱さと愛情を受け取って!
――先日解禁されたキャラクタービジュアル、まさに鉄郎とメーテルですね! 撮影はどんな雰囲気で?
中川:実はこの写真、お互いにコスチューム姿で出会った瞬間にいきなり撮ったんだよね。
ハルカ:そうなんです。衣装を着て、顔を合わせて、ホントにまだ何も分からないままふたりで並んで。
中川:「え!? ふたりで撮るの? どうしたらいいかな」って。でね、そのときのハルカさんが全然違った。普段会ってる感じと、この、メーテルの扮装をしたときと。
ハルカ:ほんとですか!?
中川:うん。俺も人のこと言えないけど(笑)、全然違う。メーテルだったよ。という意味では、これは星野鉄郎がメーテルと出会った直後の緊張感、ドキドキが映ってるショットともいえるんですよ。
舞台ビジュアル
――それこそふたりで車内のボックス席に着く直前、のような。
中川:なんかそういう雰囲気の微妙な表情、でしょ(笑)。
ハルカ:私、撮影の日までいろんなことを考えていました。漫画の鉄郎って年齢も少年だし、見た目もはっきり言ってどんくさいというか……あの、愛嬌があっておイモみたいな……。
中川:ずんぐりむっくり(爆笑)!
ハルカ:(笑)。そんな少年が成長していくところが物語の魅力でもあるんだけど、それを晃教さんがやるって聞いたときに、「あんなにカッコいい人がああいう素朴な少年をやっていいのかな? どうなっちゃうんだろう」って全然想像がつかなくて。でも衣装を着て現われたとき、私も「あ! 鉄郎だ」って。クイーン・エメラルダスみたいにデザインや装飾がすごいわけでもなく、ホントに普通に周りにいそうな少年の服装なのに、身に付けた瞬間、晃教さんが鉄郎になってた。「役者さんってこういうものなんだ!」って、衝撃を受けました。
中川:そうだったんだ。
ハルカ:はい。だからその隣にいる私もメーテルにならなきゃって思いました。
中川:いやもう充分そういう雰囲気は出てますよ。そもそも僕らはいろんな意味でこの作品に抜擢して頂いて……あ、自分で“抜擢”ってあんまり言わないですけど、なぜ思わず言ってしまうかというと……。
――やはり原作の知名度の大きさというか、名作としての偉大さというか。
中川:ね! そういう作品の舞台化って、本当にいろんな方々のいろんな思いの中で実現するわけですし、それこそ誰もが鉄郎やメーテルを演れるわけではないですよね。演りたいと思う方もたくさんいらっしゃるだろうけど……。そこで僕は「抜擢されたハルカさんって、どういうところがメーテルっぽさなんだろう」とあれこれ思うわけです。そして僕自身も、自分の中に探していたんですよ。どういうところが抜擢されての鉄郎なのかなって。でね、アニメを見ているうちに星野鉄郎というキャラクターの持つスピリットが、なんか自分の中で分かるような気がしたんです。
――精神の部分ですね。
中川:永遠に旅を続けて行く少年。でもその旅は決して子どもじみているわけじゃなくて、そこには大人になっても変わらないもの、忘れたくないものがあるんだよなぁって。そういう部分を演じるならば、例えば自分は20代にこの役と出会っていたならどこまで表現出来たかなって考えると、むしろ35歳の今、40代が見えて来た今の自分だからこそ、この少年の内面を表現できるかもって思わせてくれるくらいの魅力的なキャラクターなんですよね。
ハルカ:メーテルが鉄郎に言う台詞で「女というのは、一生のうちで一番綺麗だったときを心に刻んで生きていくものよ」というフレーズがあるんですけど、私、それが大好きなんです。それってたぶん松本零士先生が感じるメーテル像、先生の中にある理想の女性像を投影しているんじゃないでしょうか。きっと女性に対する理想を具現化したのがメーテルなのかなって思うんです。
中川:なんかそれって……『ビューティ&ビースト』のビーストがバラの花をいつもガラスの中に飾っている、あの感じを連想した。この美しさを切り取っておきたい、このままずっと側に置いておきたいっていう思い。
中川晃教 撮影=荒川潤
――確かにメーテルには“一瞬の永遠”とでもいうような儚い美しさや強さを感じます。
中川:お、ハードル上げましたね(笑)。
ハルカ:(笑)。
中川:でも『999』ってどのキャラクターでも役のことについて語るとおのずとそれが自分のハードルになっていくっていう部分がありますよね。それぞれにとても象徴的な役割があるので。
――だからこそ長く愛される国民的キャラクターでもある。そうした役を引き受ける重責もあると思うのですが。
ハルカ:母親が昔メーテルに似てると言われていたらしいんですよ。これ、あんまり外で言わないでって言われてるんですけど……言っちゃってますけど(笑)、 顔が細くて、鼻も細くて、目がシュってしてて……離れてるんですよ。そこが似てる(笑)。子ども心に「メーテルってこういう顔なんだ」って思って母親を見たことを覚えてます。
――意外なところで親近感があったんですね。
ハルカ:はい。ただ私自身は一度も自分がメーテルに似てると思ったことはなかったんですけど……。
――DNAが?
ハルカ:そう! こうしてお声をかけていただけたのは、もしかしたらどこかにそういうモノがあるのかもって。
中川:おもしろい! 実は僕たち世代的には『999』をリアルタイムで通ってないじゃないですか。でもそうやってお母様に似てるとか、僕も(テーマソングをヒットさせたゴダイゴのリーダー)ミッキー吉野さんや(ゴダイゴのギタリスト)浅野(孝已)さんと音楽を通じて交流していた繫がりがあったり、それこそ細胞レベル、DNAレベルで作品を知っているっていうほうが感覚的には大きいと思うんですよ。だからこそ、今回この作品に挑むにあたって変にプレッシャーを感じることもないのかもしれない。それよりもここでの出会いからいろんなことが初めて見えて来たり、作品を勉強して行く中で新しい知識を得られている状態だと思うんです。一方で始めからこの作品になんだか距離を感じないっていうことは、作品に自分が導かれたという部分もすごくありますよね。そこが僕とハルカさんと、お互いに共通することでもあったりして。
ハルカ:導かれる……そうですね。うん、そうかもっ!
ハルカ 撮影=荒川潤
――今回の舞台は劇場版第一作をベースにしたストーリーになるそうですが、お話自体にはどんな印象を持っていますか?
ハルカ:映画の元になっている原作は40年前に描かれていますけど、現代のお話なのかなと思うくらい……それこそ、AIとかロボットとかいる日常が、今、現実になっているじゃないですか。なので、もしかしたらこの先ホントに機械化された人間が生まれるのも夢やSFじゃないなっていうリアルが描かれている。それを40年前に想像し、しかも「果たして機械の体で永遠の命を手に入れることは真の幸せなのか……」というところまで思いを馳せているなんて、ものすごいことだな、と思いました。今生きている人たちこそ、改めて考えるべき内容なんじゃないかなって感じています。
中川:機械の身体を手に入れているメーテル自身はどうだと思う?
ハルカ:人間の少年である鉄郎と出会って旅をしていくことで、生身の人間の心やその幸せを考え直すというか……最終的に、メーテル自身もすごく鉄郎に成長させられるんだと思います。メーテルは客観的には完璧な姿で完璧な中身って見えるけれど、心の中では実はすごい弱い面や揺らいでるところがあって、それが鉄郎の幼さや未熟さによって、逆に教えられ、考えさせられ、成長させられていく。
――機械の身体を手に入れたがっている鉄郎を導いているように見えて、実は自身が鉄郎に導かれてもいる、と。
ハルカ:鉄郎はメーテルに母親像を投影しているところもあって、でも“母”ってひとつの役割ですよね。子どもがいるから母親だけど、その母親も本来はひとりの女じゃないですか。男性にとっては女性だし、自分の親にとっては娘だし……“母”という存在も決して完璧ではないはず。その「完璧じゃないよ」っていうところがね、メーテルにだってきっとあるんじゃないかなって。
中川:なるほど〜。ちなみに初めてなんです、こうやって対談をさせてもらうのは。これまでふたりでじっくりと作品について話す時間もあまりなかったので、あらためて今日、たくさんの発見があります。ハルカさん、事前に松本先生とお話しされてますよね?
ハルカ:はい。いろいろうかがいました。
中川:僕も割とじっくりお話しできる機会があって……これって稀有なことだと思うんですよ。この作品の偉大さ、松本先生の偉大さというのは重々分かっているとして、でもその作者である松本先生に実際お会い出来るなんて僕らはとても幸運だし、そこで直接感じ取った熱とか感覚っていうものが作品に反映できるってことは、役者としても恵まれている。一方で、それをどう捉えて、どう感じていくかは、やっぱりその人それぞれで。
――受け取るだけではなく、自分を通して昇華していく。
中川:それが大事だと思います。松本先生ってとにかくお話が豊富で、うかがっているうちに松本先生自身の人生が『999』の物語と重なっているんだということがすごくよく分かるんです。そして、先生の人生は現在進行形ですから、過去から現在、現在から未来へ……と、物語もまだまだ続いている。“1000”は大人、そしてそのひとつ前の“999”は未来を描き続ける終らない少年の旅なんだっていう思いで描かれた漫画が40年目を迎えた今なお、連載として新たなストーリーが描かれているなんてすごいですよ! 描き始めた当初は近未来だったはずが、今そこに追いつき、さらに近未来からそのまた先の未来を想像されているんだってことが、お話を聞いていてもハッキリとわかります。
――『999』の旅はまだ終わっていないんですね。
中川:そこには松本先生が出会って来た人たち……藤子不二雄さん、赤塚不二夫さんをはじめたくさんの仲間との出来事もなんらかのかたちで影響を与えているんだっていうお話もうかがうと、今の僕たち、この個性豊かなカンパニーのメンバーも、これから作品を通じて同じだけの出会いを体験し共に旅をしていくんだな、とも想像できたし、そこから自分自身のテーマが見つけられるはずだとも思いました。鉄郎は松本先生の分身だとよく言われますが、中川晃教がその星野鉄郎になるためにご本人からたくさんのお話をうかがった結果、僕はもう「松本零士先生と出会ったところからその旅は始まってるんだ」って、思えちゃったんですよね。理屈じゃなく。でもこれは僕だけじゃなくて、劇場に足を運んで下さったお客さまもきっとそうなんだろうし、この作品を愛しているファンの方々も、初めて知る方々も、僕たちみんなが松本先生と出会い、この2018年の今始まるストーリーがあるんだってこと、すごく実感しています。
撮影=荒川潤
――ハルカさんは先生とお話されていかがでしたか?
ハルカ:松本先生って九州男児じゃないですか。だから「男たるもの」みたいな気持ちが根本にあるのかもと思いました。先生自身はそういう感じではないんだけれど、作品になったとき、ハーロックや鉄郎の言動からふとそういうモノが感じられますし、同時にどこかで「女性には敵わない」という気持ちもあって、メーテルのような「母でもあり、初恋の人でもあり、自分にとっての絶世の美女であり」という女性を描いているんだとも思いました。とても入り交じった気持ちを抱えつつ、「男たるもの」を少年から見た永遠の憧れの女性を通して描きたかったんじゃないかなって。
中川:男には女性を理解しきれないところが当然あるように、女性も男を理解しきれない。だからこそ、男と女が出会ったことで初めて生まれるモノがあるわけです。男だけだったら、女だけだったら……という考え方ではないところがいいですよね。男がいて女がいる、そして新しい命が誕生するように、メーテルと鉄郎が出会ったことによって、なにかが生まれた。自分探しの旅、新たな旅……しかもひとつの旅をするふたりの目的がそれぞれに違うのも深いですよね。ふたりでいいところに行こう、ではない。違う同士が争うことなく共に進む。そこにこの物語のテーマ、松本先生が見据えているテーマがだんだん見えてくるわけです。
例えば人間と永遠の命、機械人間との共生を、今の僕たちはリアルに想像していかなきゃならない時代を迎えている。どちらかがなしでどちらかがありじゃなく、どちらもあるという選択肢の中で、どう未来を想像するのか。そうじゃない時代からこのことを考え続けている松本先生がこの先になにを見ているのかっていうところがね、僕はすごく興味があります。
――かつてファンタジーと思っていたことが、今、リアリティを持ってきている。その世代の人たちが創る『999』、意義は大きいですね。
中川:松本零士先生が描く世界観を、明治座という劇場でどうかたちにするのか……面白いですよ〜。それこそ舞台芸術の表現としても今いろんなことが進化していますしね。スタッフを見ると、脚本家・演出家とならんで映像演出が同列にクレジットされている。機は熟した。映像は舞台演出でも特に進化し続けているセクション、その一番最先端を取り入れられる今のタイミングでこそ表現出来る『銀河鉄道999』の世界がここにはあるってことですから。
――本作で中川さんは音楽も担当されることが決まっています。構想は?
中川:実は先日松本先生と対談するにあたり、脚本の坪田(文)さんに無理を言って5ページだけ台本をもらって読んだんですけど……すんごいおもしろい!
ハルカ:わ、すごい!
中川:どのシーンとは言えませんが、ホントにわくわくドキドキ! ほんの断片ですけど、それだけでもうこの世界感の中にどっぷりと身を捧げながら、作品を具現化するために自分はなにをすべきかっていうところでプロが集まり、まさに動き出しているのを感じました。僕が感じたこのわくわくドキドキ感をそのままお客さんに感じてもらいたいし、伝えたい。かつてゴダイゴが音楽史に残る名曲を『999』で残したように、2018年の僕が出会ったからこそ生まれる『銀河鉄道999』があるって思ったならば、そこに臆することなく、むしろ、今、感じている通りに向き合えばいいんだなって思うので……これからですね。稽古やカンパニーのみなさんとの時間から導きだしていきたいです。
中川晃教 撮影=荒川潤
――ではあらためて……共演者として、お相手をどう感じていますか?
中川:ハルカさんは、最初にお会いした頃から今、すごい、どんどん綺麗になっている。
ハルカ:ええっ!?
中川:あ、いえ、最初から綺麗だったけれど、たぶん今まで自分が活躍していたフィールドとちょっと違う中で過ごす違和感や、そこに対する新鮮な気持ちが表に現れているというか……。
――研ぎすまされていっている。
中川:そう。その研ぎすまし方に僕はシンパシーを感じるんですよね。やはりハルカさん自身がアーティストとしての自分の感性で、今の経験の中から新たな自分自身を見つけようとしているのかなあっていうところが。
ハルカ:綺麗かどうかはわからないですけど、自分自身、細胞が活性化されるみたいな感覚が「わぁ〜っ」とあるのは確かです。『999』に向けて、使ってなかった頭の部分とか、感情の部分とかが刺激されてるんでしょうか。今までは自分だけで曲や詞を創ってきましたけど、そこの世界とはまた違う方たちと出会ったり、話したり……原作を読んだり松本先生とお話することもホントに大きくて、作品創りに向けて日々「細胞が動いてる」って感じがあるんです。それがさらに積み重なっていったら、もしかして生まれ変わっちゃうかもしれないってくらいに(笑)。
中川:お、リボーン! リボーン!
ハルカ:私、あんまり感情の起伏がないんですよ(笑)。でも感情の起伏が生まれて来たのかも知れない。最近はいろんなことに反応するようになってます。
中川:それはやっぱり今、自分で何かを掴もうとしているからだよね。俺もそうやって歩んできたところがあるから、すごくわかる。
ハルカ:ミュージシャンと役者、両方をやられている晃教さんはきっとどちらか片方だけをやっている人とは違う考え方を持っているんだろうなというのを私も感じていて、そういう背中を側で見られるのは嬉しいですし、「なるほど、こういう風に考えるんだ」っていうことを、この現場を通じて勉強したいなと思ってます。
中川:うん。
ハルカ:作品のファンもたくさんいらっしゃるし、メーテルファンもたくさんいらっしゃると思うんですよね。なので、お話を頂いたときにある意味、恐い部分もあったんですけど……私が演じさせてもらうと決めたからには、自分自身と重ねあいながら“私のメーテル”を創れたらそれが答えなのかなと思って。挑戦、すべてのことが挑戦だなと思ってます。
中川:この作品って、理屈じゃないところで読み解いていく部分がとっても多いと思うんです。なにしろこの作品を愛している方の残像というかね、それぞれの中にある思いも強いじゃないですか。
ハルカ 撮影=荒川潤
――それは強烈だと思います、ひとりひとりの思い出。
中川:ですよね。で、その強烈さはどう届けていけばいいんだろう? ある種僕らの力技で見せていくこともひとつの手段かもしれない。あるいはフォルム、スタイル、様々なパーツをきっちりとプロフェッショナルによって組み上げ見せていく。これもアリだと思う。でも僕、今年で16年目なんですけど、ミュージカルや芝居をやらせていただく中、ひとつの作品と向き合うときはやはりいろんな知識や経験が役に立つなと思うことがありつつ、ときにそういうモノがない方が、もっとスッと自分が必要なものに向き合える、自分自身が必要とされているものと素直に向き合えるんじゃないかなと思うこともあるんですよ。特にそう思わされたんですよね……今。
――ハルカさんが中川さんに思いを重ねたように、中川さんもハルカさんに原点回帰な思いが重なったのでしょうか?
中川:うーん……ここにくるまでのいろんなこと…松本先生とお話しした内容も含め、なにかひとつ、自分を振り返ること、そしてまた先を見つめていくタイミングなんだってことを気づかせてくれているような、そんなタイミングなのかもしれない。この作品が新たなターニングポイントといったらあれだけど、今日のこのハルカさんとの話も含め、自分の中で作品との関わり方がさらに鮮明になってきたような、そんな気がしてますね。
ハルカ:でも……ホントにね、メーテルが愉快な人じゃなくてよかった。
中川:ハハハハッ(笑)。
撮影=荒川潤
――メーテルはクールビューティ。
ハルカ:そこはとっても共感しているんです。思っていることがあるんだけど表に出せないとか、悲しいけど泣けない、楽しいんだけど笑えない、みたいな奥ゆかしさというのか影というのか……。機械の体だからなのか、性格として元々そういうものを持っている女性なのかはこれから研究していきたいと思ってるんですけど、メーテルの在り方はあまり感情の起伏を出せないハルカとしてもシンパシーがあるし、自分が書く音楽とか、歌っている詞とかにもすごく近いものを感じるんですね。そのあたりも丁寧に掘り下げ、読み解き、自分の中から生まれ出る表現でメーテルになっていけたらいいなと思っています。
――先ほど出た「誕生」「リボーン」。それがおふたりにとっても作品にとっても、重要なひとつのキーワードになっていきそうですね。
中川:是非、そういう「生まれる瞬間」に立ち会って頂きたいです。舞台って、そこで初めて生で見て感じることが最大の魅力じゃないですか。で、僕たちは毎回それを1000人、2000人のお客様に対して、完璧に、パーフェクトに届けていくために稽古を積んだり、それぞれのトレーニングをしているわけですよね。今回はまた舞台を経験している人もそうでない人も、いろんなキャストが集結してこの作品が生まれますけど、「また観たい!」「なにこの世界!」って感動を持っていただける作品になると自負してるので、とにかくそこに向かって頑張っていきたいと思っています。舞台を観たことのある方もそうじゃない方も、同じだけいろんな方々に観ていただきたい。『999』を好きなたくさんの方に届く作品にしたいです。
ハルカ、中川晃教 撮影=荒川潤
ヘアメイク=井上京子(中川晃教)
インタビュー・文=横澤由香 撮影=荒川潤
舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~
脚本:坪田 文
演出:児玉明子
映像演出:ムーチョ村松
中川晃教、ハルカ、染谷俊之、矢沢洋子、雅原 慶、美山加恋/入野自由/お宮の松、小野妃香里、塚原大助/凰稀かなめ(特別出演)/平方元基 他
【東京公演】
日程:2018年6月23日(土)~6月30日(土)
会場:明治座
【北九州公演】
日程:2018年7月21日(土)~7月22日(日)
会場:北九州芸術劇場 大ホール
【大阪公演】
日程:2018年7月25日(水)~7月29日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ