桜庭和志インタビュー 打撃禁止の組み技限定イベント「QUINTET」を始動した目的 そしてUFC殿堂入りと木村政彦を語る
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●人喰いシャチとブアカーオとBOØWYにハマる桜庭和志
――YouTubeと言えば、以前、桜庭さんがラジオに出演された際に「シャチが人を食べてる動画にハマってる」と仰ってましたよね(笑)。
そうそう。ひっどいすよ、あの動画。もう、どうしようもないですからね。パトカーとか救急車って話じゃないじゃないですか?
――海辺歩いてる人が急に襲われちゃうっていう(笑)。それ、本物の映像なんですか?
わかんないんですよ。観てみてください、「えっ!?」って感じですから。「シャチ 人 襲う」で検索すれば、たぶん出てきますよ。……あーっ、あった、あった! これだ、これだ!!(と、スマホで再生してもらう)
桜庭和志
「ハーイ!」って挨拶してたら、いきなり“ガブッ”って。これ、ニセモノなわけないですよね!? シャチってこういう襲い方するじゃないですか? アザラシとか襲う時、バーって隠れて行って、アザラシの足を“ガバッ”ってすくっていって。
――そうなんですか(笑)。
これは、K-1の動画かサーフィンの動画を観てたら関連動画に出てきたんですよね。「なんだ、これ!?」と思って。
――桜庭さん、サーフィンやられるんでしたっけ?
いや、やらないです。ラッシュガードを着るっていうから、いいのないかなあと思って。飲みながらYouTubeで昔のK-1とかを観てて、最近のどハマりはマーク・ハントvs西島洋介でしたね。
――あれ、いい試合でしたね!
も~う、あれは! 西島はかわしながらパンパンパンパンって打つけど、体重差あるから効かなくて、最後に“ドッカ~ン!”じゃないですか!
――マーク・ハントも男気を見せて。
はいはいはいはい! あ~れは面白くて、何度も何度も観ましたね。あと、K-1の昔の試合は倒し合いが多いので、好きで観てます。あと、ブアカーオの試合もよく観てます。ブアカーオは天才ですよ。
――今、気付きましたか(笑)。
みんなより10年くらい遅れて気付くっていう(笑)。
――桜庭さんって、急に数年前のトピックにハマることがありますよね。昔、急にBOØWYにハマってましたし(笑)。
ああ、そうですね! 高校とか大学の頃は練習で疲れてて、時間があると寝たかったんですよ。今みたいにiPhoneで曲を買ったりできなかったし、レコードやカセットテープを聴く機械も持ってなかったし。でも、30歳過ぎくらいになって「LAST GIGS」のDVDでいきなりBOØWYにハマって、ブラジルでずーっと観てました。
――僕もBOØWY好きなんですよ。いいっすよねえ。
いいっすよねえ。いくつですか、歳?
桜庭和志
――僕は今年で40歳です。
じゃあ、リアルタイムの時は小学生とかですよね。
――解散したくらいの時に知りました。
あぁ~。でも、お店に入ったりすると、何か知らないけど耳に入ってるんですよね。
――はい、「Marionette」は発売当時から知ってました。あと桜庭さん、Dead or Aliveにもハマっていらっしゃいましたよね?
あーっ、Dead or Aliveは大学の頃から大好きでした! Dead or AliveのDVD持ってましたもん。あと、今は五木ひろし。「倖せさがして」っていう曲が。
――すみません、知らないです(笑)。
マジ? 最近は阿久悠のベストを買って、阿久悠系の曲を聴いてます。
●出不精の桜庭がUFC殿堂入りでアメリカまで出向く
――UFC殿堂入りについてお伺いしたいと思います。出不精で遠いところへ行くのを嫌がるイメージが桜庭さんにはあるんですが、昨年はアメリカまで行かれました。日本とは違ったリアクションの中で受賞されたわけですが、ご感想を教えてください。
感想なあ……。とてもありがたいことです(笑)。
――(笑)。実際、UFCの金網の中では1回しか試合をしていないわけですけども。
そうですね。UFCと言っても「UFCジャパン」という日本国内のイベントだったんで。でも、UFCの人たち曰く「ガッチリと総合のルールが決まってない時に盛り上げてくれたから、殿堂入りお願いします」という感じで来たんです。
――それは、唐突に来たんですか?
始めは「イベントに出てくれ」って言われたんで「やだよ、そんなの。遠いから」って断ってたんです。「なんで今さらUFC行かなきゃいけないの? アメリカなんか遠くてイヤだ」って。そしたら「いや、実は殿堂入りなんです」って。
――もちろん日本でもレジェンドですが、アメリカでの桜庭さんの存在はまた違った意味合いがある印象です。その辺、肌で感じるものはありましたか?
表彰式のスピーチでボケたりしようと思ったんですけど「この人たち、どこで笑うんだろう……?」って。
桜庭和志
――スピーチで!? あんな泣けるスピーチをしていた裏で!
えっ、ちょっとボケも入ってなかったですか(笑)? 最初に考えていたボケの部分は、みんなに「これ、日本人だから通用するんであって外国人には通用しないよ」ってカットされて。言いたかったのに……。あと、右手と右足が同時に動く緊張した人の歩き方をやったんですけど、後で「あれ、サクマシンの踊りなのか?」って。違う、違う、手足を同時に出して緊張しているって意味でやったんだよ(笑)!
――ハハハ! でも、あれって歴史に残るくらいの名スピーチだと思いますよ。もちろん、全部桜庭さんが考えたんですよね。
なんとなくイメージを言って、それをまとめてもらいました。みんな、こんなこと(大きく拍手する動作)やってましたね。「えーっ、ここで反応するの!?」みたいなところもありながら。
――アジア人初の殿堂入りだと伺いました。やっぱり桜庭さん、凄いです!
●日本で開催されるQUINTETは今年1回だけ!?
――QUINTETは打撃がないので、アマチュアの選手にとっても恐怖心なく出られると思います。そういう意味で、QUINTETに対応できるように桜庭さんがアマチュアの選手を指導するなんてことはありますか?
いや、特にはやる予定はないですけど、アマチュアの試合もできればやろうかなと思っています。あと、血とかも出ないので子どももできると思います。
――そういう展開もあるわけですか!
はい。柔道をやってもなかなか合わない、強くならないっていう子がいたら、こっちに来てやったり。
――キッズQUINTET、いいですね! アマチュアの裾野が広がります。で、4月11日に両国国技館で開催される「QUINTET.1」。この日は、4チームによるトーナメントが行われます。
今回は4チームですけど、いつかは6チームくらいに増えればいいだろうし。ただ、なかなか難しいので田村さんは1人のチームで。
桜庭和志
――それは、観たいです(笑)。どうでしょう、他の選手から「俺もQUINTETに上がりたい」という声は寄せられていますか?
ああ、そういうのはありますね。打撃がないですし。Facebookもあるので、海外の柔道代表みたいな人からの売り込みが結構来てます。
――気が早いですが、4月の大会以降の予定も教えてください。
今年中にもう1回、アメリカかイギリスでもQUINTETをできればと思ってます。タイミングが合えばですけど。
――ということは、日本国内での開催はもしかしたら4月の一度のみかもしれない?
もしかしたら、はい。
――そうですか! それは、観に行かなきゃダメですね。
QUINTETではグラップリングのイメージを変えようと思ってます。“やる側”だけじゃない。グラップリングを“観る側”にも楽しんでもらえるようなものにしたいんです。
桜庭和志
取材・文・撮影=寺西ジャジューカ
イベント情報
QUINTET.1
2018年4月11日(水)両国国技館
OPEN 17:30(予定) / START 18:30(予定)
マスVIP席 39,000円(サンキュー39シート:特典付)
マスSS席 15,000円
マスS席 12,000円
マスA席 10,000円
マスB席 7,000円
2階指定A席 6,000円
2階自由席 4,000円
一般発売・受付期間中