劇団地蔵中毒、佐藤佐吉演劇祭参加作品『「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結! 阿闍梨餅展示ブース」』開幕レポート
宇都宮みどり、東野良平、武内慧 (撮影:塚田史香)
2018年3月8日(木)に王子スタジオ1で、劇団地蔵中毒の無教訓意味なし演劇vol.7『「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結! 阿闍梨餅展示ブース』が初日の幕を開けた。脚本・演出は、大谷皿屋敷。本作は2年に一度、北区で開催される「佐藤佐吉演劇祭」の2018年参加作品として、11日(日)まで上演される。開幕を前に行われたゲネプロ(総通し稽古)を取材した。
武内慧、宇都宮みどり、hocoten、東野良平 (撮影:塚田史香)
劇団地蔵中毒は、"思いついてはみたものの、社会に発表するにしては「見せられる側が迷惑」な、くだらない「思いつき」の供養の場として発足された「無責任エンターテイメント集団」”を自称する2014年旗揚げの劇団だ。
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立川がじら、礒村夬 (撮影:塚田史香)
町のパン屋さんの悲劇か喜劇
結論からお伝えすると『「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結! 阿闍梨餅展示ブース」』に、阿闍梨餅は出てこない。和尚も出ない。登場するのは、町のパン屋さん一家と、そこに現れる女性。売れない女優とそのマネージャー。おいしいお漬物の先生と置き引きの先生。風雲斎という大仰な名を持つウジウジした男と、女性に欲情しないその友だち。
武内慧、宇都宮みどり、東野良平 (撮影:塚田史香)
フルサワミオ、かませけんた (撮影:塚田史香)
関口オーディンまさお、立川がじら (撮影:塚田史香)
礒村夬、栗原三葉虫 (撮影:塚田史香)
いずれのシーンもナンセンスでありながら、情報量が無駄に多い。性的・暴力的な描写の中でもステージ上の人物たちが朗らかな笑いに溢れているので、客席も追いつめられるようにして笑うしかなくなる。地蔵中毒の役者陣による迫真の阿鼻叫喚は、この作品に強烈なメッセージが内在するかのような錯覚を引き起こす。ともすれば不条理な展開に心を動かされたりもする。
フルサワミオ、かませけんた (撮影:塚田史香)
フルサワミオ、かませけんた (撮影:塚田史香)
hocoten、東野良平 (撮影:塚田史香)
hocoten、東野良平 (撮影:塚田史香)
関口オーディンまさお、栗原三葉虫 (撮影:塚田史香)
東野良平、hocoten (撮影:塚田史香)
栗原三葉虫、かませけんた (撮影:塚田史香)
ゲネプロ後、会場で『佐藤佐吉大演劇祭2018in北区』実行委員の方に感想を聞くことができた。
「このご時世に、なかなか観られないタイプの作品ですね。今のムードに飽き飽きしている方におすすめします」
礒村夬、栗原三葉虫 (撮影:塚田史香)
(撮影:塚田史香)
宇都宮みどり、東野良平 (撮影:塚田史香)
立川がじら、関口オーディンまさお (撮影:塚田史香)
礒村夬 (撮影:塚田史香)
hocoten、東野良平、礒村夬、栗原三葉虫 (撮影:塚田史香)
混沌とした中にも筋の通っている、約100分の群像劇。開演時間の5分前にはシャッターが閉まってしまうため、くれぐれも余裕をもって来場したい。後味の悪い爽快感に痺れる劇団地蔵中毒『「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結! 阿闍梨餅展示ブース」』は、3月11日(日)まで上演。
東野良平、栗原三葉虫 (撮影:塚田史香)
(撮影:塚田史香)
フルサワミオ (撮影:塚田史香)
(撮影:塚田史香)
(撮影:塚田史香)
(撮影:塚田史香)
取材・文・撮影=塚田史香
公演情報
「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結!阿闍梨餅展示ブース」
■作・演出:大谷皿屋敷
■出演:劇団「地蔵中毒」
■日程:2017年3月8日(木)~3月11日(日)、全8公演
■会場:王子スタジオ1
■料金:予約1800円 当日2000円、高校生以下1000円(各ステ5枚)
■公式サイト:https://g-chudoku.jimdo.com/
■日程:2017年3月24 日(土)~3月25 日(日) 、全4公演
■会場:ステージカフェ 下北沢亭
■料金:前売・当日 1500 円(ドリンク代別)
■公式サイト:https://www.compsons.net/