映画「娼年」濡れ場の苦労語る松坂桃李に三浦大輔「僕のせいなんですけど」
映画「娼年」完成披露舞台挨拶の様子。脚本・監督の三浦大輔。
三浦大輔が脚本・監督を手がける映画「娼年」の完成披露舞台挨拶が、本日3月12日に東京・TOHOシネマズ 新宿で行われ、三浦に加え、主演を務めた松坂桃李らキャストが登壇した。
石田衣良の恋愛小説「娼年」を原作に、三浦の脚本・演出、松坂の主演により2016年に舞台化された本作。映画版では、ボーイズクラブの“娼夫”となった大学生の森中領を、舞台版に続き松坂が演じる。
松坂は映画が初披露されることについて「緊張、期待、不安が入り交じってますね」と心中を明かしつつ、R18+指定で上映される本作について「なんかあったら僕のせいでもあるんですけど、半分は三浦さんのせい(笑)。責任を割り勘しようという話はしてます。でも舞台、映画を通してこのメンバーでやってきて怖いものはないですね」と自信をのぞかせる。一方の三浦は「皆様にお披露目する最初の機会ですので、期待と不安でいっぱいです」と緊張気味に挨拶した。
イベントにはキャストの真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、西岡徳馬、江波杏子も出席。「本当にきつかった」と濡れ場の多い本作の撮影の苦労を語る松坂が「皆さんに聞きたいんです。三浦さんの演出がどうだったのか」とキャスト陣に尋ねる場面も。さらに「撮影期間中は明日休みにならないかとずっと思ってました(笑)。監督が寝込まないかなって。でも熱出しても撮影に来てたので、この人無敵だと思いました」と笑いを交じえて振り返った。
三浦は「松坂くんをはじめキャストの皆さんも大変でしたし、厳しい条件だったのもありますが、スタッフさんも大変で……僕のせいなんですけど(笑)。スクリーンにその苦労が刻まれてるかなと思っております」と回想しつつ述べた。
領を買う“老女”役を舞台版に続き演じる江波は「“老女”という役を老女が演じさせていただきました。台本を読んで濡れ場があるのに『え?』とびっくりしました。ごめんなさいね、松坂くん」と笑いを誘う。また三浦については「私は2日しか撮影がありませんでしたが、苦しい映画は絶対にいい作品になる」と力説した。
続けて咲良を演じた冨手が、松坂について「大変な撮影だったのに、休憩中バナナを食べてるところしか見ませんでした(笑)」と明かすと、イツキ役の馬渕も「私もご飯をほとんど食べられない方という印象を受けました。あと冬で寒かったのにベンチコートを絶対着られなかったのが不思議でした」と同意する。ストイックな印象を共演者に持たれたことについて松坂は苦笑いしながら、「なんででしょう、気合い入れてたんですかね」とコメントした。
「楽しくセックスさせていただきました」と奔放に話すのは、車椅子の夫を持つ紀子役の佐々木。その夫を演じた西岡は「私は桃李と心音ちゃんの格闘シーンを座って見てるだけでしたので」と語りつつ2人をねぎらった。最後に松坂は「僕が今まで携わった作品の中でこれほど入口と出口が違う作品はなかったと思います。何より余韻を楽しめる作品。観終わったあとに、最初は面食らうかもしれませんが、劇場を出るときは軽やかな会話を繰り広げられるかと」とイベントを締めくくった。
映画「娼年」は、4月6日よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国でロードショー。
※「娼年」はR18+指定作品
※西岡徳馬の徳は旧字体が正式表記
(c)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会