月蝕歌劇団、“暗黒の宝塚”の表と裏に密着
寺山修司作品を中心に30年…「月蝕歌劇団」の軌跡と挑戦
“寺山修司”作品を中心に30年、アングラ演劇を続ける「月蝕歌劇団」の表舞台とその裏側に完全密着したドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。~「月蝕歌劇団」30年の挑戦~、その真髄に迫る!」が11月21日(土)WOWOWプライムにて放送される。
寺山修司とは、1950年代から80年代にかけて短歌、俳句、エッセイ、映画、アングラ演劇など、あらゆるクリエイティブなシーンで活躍し、カリスマ的存在にまで上り詰めた人物。彼の生誕80年目となる今年は、東京国際映画祭で監督作品が特集上映されたり、戯曲「書を捨てよ、町へ出よう」が藤田貴大演出により舞台で上演されることになったり、大槻ケンヂやカルメン・マキらが出演する音楽祭が開催されるなど、数多くの記念行事が行なわれている。
だが、寺山の世界を継承しつつ30年にもわたり“スーパーアングラ”にこだわった舞台を上演し続ける劇団がある。それが「月蝕歌劇団」だ。“暗黒の宝塚”と呼ばれるこの劇団は、寺山の取材、出版スタッフとして創作活動を支えていた高取英が、寺山の勧めもあって1985年に結成した小劇団だ。
美術制作兼任の女優・若松真夢はアルバイトをしながら、自宅にこもり小道具作りに励む。“宙づり”を得意とするトップ女優の倉敷あみは月蝕を「すべて自分たちだけで作っていく劇団」だと語る。団員は現役復帰を決めた母親や、アイドルのオーディションで寺山作品を演じ絶句された女性など個性派ぞろい。出入り自由の劇団内では、さまざまな想いや境遇が交差する――。
「月蝕歌劇団」の公演会場はまるで“地下アイドル”の集会かと思うような光景だ。不思議な熱気に包まれた暗闇の舞台の上で、アイドル風の若い女性たちが、寺山のアングラ芝居を演じている。あえてこの時代に彼女らはなぜ寺山作品を演じるのか?そして、小劇場という実験装置にこだわり続ける高取の真意とは?「阿呆船-蝸牛と少年-」などの舞台制作の表裏に密着、月蝕歌劇団の手で紡がれる“2015年のテラヤマイズム“に注目してほしい。
~「月蝕歌劇団」30年の挑戦~、その真髄に迫る!
放送日時:11月21日(土)午後1:00~
放送局:WOWOWプライム
サイト:http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/107435/