「QUINTET.1」大会リポート 桜庭和志プロデュースのグラップリングイベントは”理想の世界”に成り得たか?

2018.4.19
レポート
スポーツ

●プロデューサー・桜庭和志が思い描く理想の世界

イベント終了後、優勝したPOLARIS DREAM TEAMによる会見が行われている。

QUINTET

まずは、チームリーダーであり桜庭と対戦したダン・ストラウスのコメントから。

QUINTET

「グレゴー・グレイシーには後でビールをおごらなきゃいけない。ジョシュ・バーネットを脱落させてくれて、本当に感謝してます。ジョシュの相手はしたくなかったので」

なるほど、ストラウスはグレゴーが果たした大仕事を評価しているよう。また、アイドルの桜庭と対戦した感想を尋ねられると

「魂が抜けたかのように嬉しくなりすぎた。すごく現実味がなくて、極められなかったのも悔しいんだけど、極めてたらそれも嫌だったかもしれない(笑)。50歳近い選手があんなに強いなんて驚きだ。手を組んだ時にあんなにパワーがあるなんて。さすがだと思いました」

 

続いては、宇野選手のコメント。

QUINTET

「優勝できたことはすごい嬉しいです。個人的には全く何にもできなくて負けてしまったので(苦笑)、ちょっと悔しいところはありますけど。チーム戦ということで、初めて味わうドキドキ感でした」(宇野)

 

その後、「HALEO DREAM TEAM」の会見も行われている。

QUINTET

“青い目のケンシロウ”ジョシュ・バーネットには、「U.W.F.プロレス・メインテーマ」で入場したことへの質問が飛んだ。

QUINTET

「ワレワレ、UWFチルドレン。ゴッチノチルドレン。こういう大会とすごく合ってると思います」

 

そして、プロデューサーである桜庭和志による大会の総括は以下だ。

QUINTET

――プロデューサーとして大会は何点でしたか?

「何点でしたか? 皆さん、付けてください(笑)。ただ、ワンマッチの試合と違ってチームでやると全然違う感じはしましたね。楽しかったり悔しかったりを全体でできる」

――「こういうのを見せたかった」という手応えはあった?

「そうですね、少しは。動きのある試合はできたなと思います」

――このチームで勝つまでやりたいですか?

「はい」

 

昨年のフランク・シャムロックとの一戦には不満を漏らしていた桜庭だが、この日の彼が見せたのは満足顔。レジェンドばかりでなく、現在進行形の選手と桜庭和志が相まみえるということに意義があった。

消極的な選手もいなく、全員が勝ちに行っていたからこそ魅力的なイベントに成り得た。個人戦は自分のみが責任を負うが、団体戦はメンバーのために勝ちに行かないといけない。なるほど、大会名である「QUINTET」(5人組の意)がうまく作用したわけだ。

これが、桜庭和志が望み、創造した世界である。

 

取材・文・撮影=寺西ジャジューカ

 

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